# 尿量が急激に減少した急性腎不全患者で、血清カリウムが6.0 mEq/Lと確認された。心停止を予防するために直ちに静脈内投与すべき指示はどれか。

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> language: ja  
> subject: 看護学

## 問題

尿量が急激に減少した急性腎不全患者で、血清カリウムが6.0 mEq/Lと確認された。心停止を予防するために直ちに静脈内投与すべき指示はどれか。

## 選択肢

1. カリウム保持性利尿薬
2. ビタミンD製剤
3. 中心静脈栄養輸液(TPN)
4. インスリン加ブドウ糖輸液 **✔ 正解**
5. ヒスタミン受容体拮抗薬

**正解: 4**

## 解説

インスリンとブドウ糖を混合して投与すると、血中カリウムが細胞内へ速やかに移動し、急性高カリウム血症を緊急に補正できる。スピロノラクトンはカリウム値をさらに上昇させるため禁忌である。

## 詳細解説

高カリウム血症の緊急処置の原理

血清カリウム値が6.0 mEq/Lと確認された急性腎不全患者に対して、まず必要となる処置はインスリン加ブドウ糖輸液である。これはカリウムを体外へ排泄させる処置ではなく、生命を脅かす不整脈と心停止を予防するために血中カリウムを細胞内へ速やかに移動(シフト)させる緊急処置に該当する。

急性腎不全では糸球体濾過量(GFR)が急激に低下し、腎臓を介したカリウム排泄能が著しく低下する。このとき血清カリウムが6.0 mEq/Lを超えると心筋細胞の静止膜電位が上昇して心臓の電気的興奮性が異常となり、心室頻拍や心室細動、心静止といった致死的不整脈へ進展する危険が急激に高まる [1]。

インスリンは細胞膜に存在するNa⁺-K⁺-ATPaseポンプを活性化する作用をもつ。このポンプが活性化されるとナトリウム(Na⁺)は細胞外へ、カリウム(K⁺)は細胞内へ移動する。静脈内にインスリンを投与すると骨格筋細胞をはじめとする体内の細胞が血中カリウムを速やかに取り込み、数分以内に血清カリウム値を一時的に低下させることができる。ブドウ糖を併せて投与する理由は、インスリン作用によって生じうる低血糖(hypoglycemia)を予防するためである。

根拠文献の症例でも、血清カリウムが8.7 mmol/Lに達する重症高カリウム血症の患者が、心電図(EKG)変化を認めず持続する悪心のみを訴えていたと報告されている [1]。これは高カリウム血症の臨床像が生化学的重症度と必ずしも比例せず、心電図変化がないからといって安心はできないという重要な臨床的教訓を与えている。したがって血清カリウム値という検査所見そのものが、緊急処置を決定する中心的根拠とならなければならない。

誤答の分析

カリウム保持性利尿薬(1番)はスピロノラクトン(spironolactone)などの薬剤で、遠位尿細管でナトリウム-カリウム交換を抑制してカリウム排泄を減少させ体内に蓄積させるため、高カリウム血症の患者には禁忌である。ビタミンD製剤(2番)は慢性腎不全において二次性副甲状腺機能亢進症を是正する目的で用いられ、カリウム値に直接的な影響を与えない。中心静脈栄養輸液(TPN)(3番)は栄養補給が目的であり、むしろ組成によってはカリウムを含むことがある。ヒスタミン受容体拮抗薬(5番)は胃酸分泌抑制を目的とするもので、高カリウム血症の緊急処置とは無関係である。参考文献（論文出典）

- [1]Diagnostic Overlap Between Uremia and Severe Hyperkalemia in Chronic Kidney Disease: Emphasizing Laboratory-Guided Urgency Despite Absent EKG Changes.一般論文Tahir MH, Tahir F, Tahir MM, Imran A, Asghar S. (2026) · DOI: 10.7759/cureus.107246

## 臨床シナリオ

生命を脅かす高カリウム血症の緊急処置インスリン+ブドウ糖静脈内投与の原理と看護
インスリンはNa⁺-K⁺-ATPaseポンプを活性化させカリウムを細胞内へ移動させる緊急処置の要である。これはカリウムを体外へ排泄するのではなく、一時的な移動(シフト)を図る戦略である。

血清カリウムが6.0 mEq/L以上になると心筋細胞の静止膜電位が上昇し、心室細動や心静止などの致死的不整脈の危険が急増するため、直ちに介入が必要である。

50%ブドウ糖50mLにインスリン10単位を混合して静脈内投与し、作用発現は15~30分、効果は2~4時間持続する。

注意投与後1時間以内に必ず血糖を測定し、低血糖の発生の有無を監視する。心電図変化がなくても、血清カリウム値そのものが緊急処置の決定的根拠であることを忘れてはならない。

## 重要概念

- **高カリウム血症** — 血清カリウム値が5.5 mEq/Lを超える状態で、重篤な心臓の不整脈を引き起こすことがある。
- **Na⁺-K⁺-ATPaseポンプ** — 細胞膜に存在し、ATPを利用してナトリウムを細胞外へ、カリウムを細胞内へ移動させる能動輸送タンパクである。
- **インスリン** — 膵臓β細胞から分泌されるホルモンで、Na⁺-K⁺-ATPaseポンプを活性化してカリウムを細胞内へ移動させる。
- **急性腎不全** — 糸球体濾過量が数時間から数日で急激に低下し、老廃物の排泄と電解質調節の機能が低下した状態である。

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