# 国際看護の実践において、世界保健機関（WHO）が提唱する「健康の社会的決定要因」に含まれるものはどれか。

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> language: ja  
> subject: 国際化と看護

## 問題

国際看護の実践において、世界保健機関（WHO）が提唱する「健康の社会的決定要因」に含まれるものはどれか。

## 選択肢

1. 遺伝的要因
2. 病院の数
3. 所得と社会的地位 **✔ 正解**
4. 医療技術の進歩
5. 医薬品の種類

**正解: 3**

## 解説

健康の社会的決定要因には、所得や社会的地位、教育、雇用環境、社会ネットワーク、物理的環境などが含まれる。これらは人々の健康格差に大きな影響を与える要因として国際的に注目されている。

## 詳細解説

核心解説
この問題は、国際看護や公衆衛生看護の基盤となる健康の社会的決定要因 (Social Determinants of Health: SDH) の概念を問うています。単に病気そのものではなく、その背景にある社会的な構造や個人の置かれた環境が健康に強く影響するという考え方であり、健康格差 (Health Disparity) を是正するための看護実践の根拠となります。

**1. 核心概念の分析 (Key Concept)**
最重要！ 健康の社会的決定要因 (SDH) とは、「個人の健康状態に影響を与える、生まれ育ち、生活し、働き、年を重ねる社会経済的・政治的・環境的な一連の要因」と定義されます（WHO）。看護師国家試験では、「健康格差を生み出す社会的な要因」と「個人の遺伝的・生物学的要因」を区別して理解することが重要です。

**2. 正解の根拠 (Answer Rationale)**
正解は「所得と社会的地位」です。
WHOの健康の社会的決定要因の枠組みでは、所得と社会的地位 (Income and Social Status) は最も強力な健康の決定因子の一つです。所得が低いほど、栄養状態の悪化、劣悪な住環境、医療サービスへのアクセス困難、強い心理的ストレスなどが連鎖的に発生し、結果として健康状態の悪化と平均寿命の短縮につながります。これは国際的に共通する知見であり、看護師は患者の社会的背景をアセスメントする「社会的視点」を持つことが求められます。

**3. 誤答の分析 (Distractor Analysis)**
混同注意！
① 遺伝的要因：これは健康の「生物学的決定要因」であり、社会的決定要因には含まれません。先天的な疾患リスクを指します。
② 病院の数：これは「医療システム (Health System)」の要素です。重要な健康の決定要因ではありますが、社会的決定要因はより上流の「社会構造そのもの」に焦点を当てます。
④ 医療技術の進歩：これも医療システムの要素であり、技術革新は健康を改善しますが、その恩恵が社会階層によって異なるという点でSDHと関連します。
⑤ 医薬品の種類：これも医療資源の一部であり、SDHそのものではありません。医薬品へのアクセス格差がSDHの視点で分析されます。

**4. 関連概念の整理 (Related Concepts)**
WHOはSDHに対して「全ての政策に健康を (Health in All Policies: HiAP)」というアプローチを推奨しています。看護の視点では、退院支援や在宅看護において、患者の経済的困窮や社会的孤立といった隠れたニーズを発見し、社会資源（生活保護、福祉サービス）につなげる役割が極めて重要です。

概念整理

| 健康の決定要因の分類 | 具体例 | 看護の視点 |
| --- | --- | --- |
| 社会的決定要因 | 所得、教育、雇用、住居、食料安全保障、社会ネットワーク、幼少期の環境 | 退院困難、治療中断のリスク要因としてアセスメントし、多職種連携で介入 |
| 生物学的要因 | 年齢、性別、遺伝子、既往歴 | 疾患のリスク管理、治療計画の個別化 |
| 医療システム要因 | 医療機関へのアクセス、医療保険、医療の質 | 医療費助成制度の活用、紹介状の作成、病診連携 |

一目で比較！

| 項目 | 健康の社会的決定要因 (SDH) | 生物学的決定要因 |
| --- | --- | --- |
| 介入の方向性 | 政策、環境改善、社会保障（アップストリーム） | 医療、投薬、手術（ダウンストリーム） |
| 看護診断の例 | 所得低下に関連した非効果的健康管理 | 疾患の病態生理に関連したガス交換障害 |
| 国試での視点 | 「格差」「環境」「生活背景」というキーワードに着目 | 「遺伝」「感染」「臓器障害」に着目 |

看護過程ポイント
- **アセスメント**: 単に病歴を聞くだけでなく、「収入が減って薬を半分にしている」「独居で食事が不規則」といった生活者の視点で情報収集する。
- **看護診断**: 「経済的困難に関連した治療計画の非効果的実行」などの診断を立てる。
- **計画・介入**: 医療ソーシャルワーカー (Medical Social Worker: MSW) への連絡、社会福祉制度（自立支援医療、生活保護など）の情報提供を行う。

暗記のコツ
SDHの頭文字「SES-PEEN」で覚える！
- **S**ocial Status / Income (所得と社会的地位)
- **E**ducation (教育)
- **S**ocial Support Networks (社会的支援ネットワーク)
- **P**hysical Environment (物理的環境)
- **E**mployment / Working Conditions (雇用と労働条件)
- **E**arly Childhood Development (幼少期の発達環境)
- **N**utrition / Food Security (栄養と食料安全保障)

国試頻出ポイント
健康の社会的決定要因は、**健康支援と社会保障制度**や**在宅看護論**で頻出です。特に「健康日本21（第三次）」や「地域包括ケアシステム」と絡めて、健康格差の是正策として出題されます。選択肢に「遺伝」や「医療技術」が出たら、それは社会的要因ではないと即座に見抜けるようにしましょう。

出題パターン注意！
知識問題だけでなく、事例問題で出題されます。「経済的に困窮している患者が治療を中断した事例。考えられる社会的決定要因はどれか」といった形で、具体的な生活背景からSDHを特定させる問題が増えています。

## 臨床シナリオ

臨床実践ガイド
**臨床シナリオ (Clinical Scenario)**
「病棟で受け持つ70歳の男性患者。糖尿病の治療中断により高血糖高浸透圧症候群 (HHS) で緊急入院となりました。回復後、看護師が退院支援のために話を聞くと、『年金だけではインスリン代がきつくて、つい治療をやめてしまった。家族も遠方で頼れない』と打ち明けました。医師は『自己管理ができていない』とカルテに記載しています。」

**看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment)**
この事例は、健康の社会的決定要因 (SDH) が治療中断の真因であることを示しています。単なる「自己管理能力の不足」ではなく、「経済的困窮 (所得)」と「社会的孤立 (社会的支援ネットワーク)」が根本原因です。
看護師は、この隠れたニーズを多職種に代弁（アドボカシー）する役割を担います。具体的には、最重要！ 医師や薬剤師とカンファレンスを開き、より安価な薬剤への変更やジェネリック医薬品の提案を依頼します。同時に、MSWと連携し、自立支援医療制度（指定難病以外でも市町村の制度を確認）や高齢者福祉サービスの申請を支援します。

看護プロトコル
- **観察項目**: 発言の奥にある経済的不安、治療中断の真の理由、家族構成、利用可能な社会資源の有無。
- **報告基準 (SBAR)**: **S**ituation（患者が経済的理由で治療中断していた）、**B**ackground（独居、年金生活）、**A**ssessment（経済的困窮がSDHとして作用し健康状態が悪化した）、**R**ecommendation（MSW介入と薬剤費削減の検討を依頼）。
- **記録**: 患者の発言をそのままSOAPのS（主観的データ）に記載し、社会的背景が治療に与える影響をA（アセスメント）で明確にする。

先輩看護師の一言
「看護師は、患者さんの生活の一番近くで声を聴ける専門職です。検査データや病状だけを見るのではなく、『この人はどんな生活をしていて、なぜ治療が難しかったのか』という背景に寄り添うことが、本当の意味での根本的な治療につながります。社会的な問題に気づく力こそ、国試で問われる『看護の社会的視点』です。現場で患者さんを救うために、ぜひこの概念を深く理解してくださいね。」

## 重要概念

- **健康の社会的決定要因 (Social Determinants of Health: SDH)** — 個人の健康に影響を与える、生まれ育ち、生活し、働く社会経済的・環境的な要因の総称。WHOが健康格差是正の重要な概念として提唱している。
- **健康格差 (Health Disparity)** — 社会経済的地位や居住地域など、社会的要因によって生じる集団間の健康状態の差異。看護師はこの格差を最小化する役割を担う。
- **アドボカシー** — 患者の権利や利益を代弁し、擁護すること。社会的弱者や声を上げられない患者の代わりに必要な社会資源につなげる活動を含む。
- **医療ソーシャルワーカー (Medical Social Worker: MSW)** — 患者が抱える経済的・社会的な問題の解決を支援する専門職。退院調整や社会福祉制度の申請支援において看護師との連携が不可欠である。
- **全ての政策に健康を (Health in All Policies: HiAP)** — WHOが提唱する、保健以外の政策決定においても住民の健康影響を考慮すべきとするアプローチ。SDHの概念に基づき、健康格差の根本的な解消を目指す。

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