# 対象関係論において、幼児が「良い対象」と「悪い対象」を統合できず、対象を分割してとらえることを何というか。

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> url: https://mymerci.kr/pages/nclex_q.php?qn_id=370915  
> language: ja  
> subject: 心理学的側面に注目した援助

## 問題

対象関係論において、幼児が「良い対象」と「悪い対象」を統合できず、対象を分割してとらえることを何というか。

## 選択肢

1. 理想化
2. 投影性同一視
3. スプリッティング **✔ 正解**
4. 見捨てられ抑うつ
5. 脱価値化

**正解: 3**

## 解説

スプリッティング（分割）は、対象を「全て良い」または「全て悪い」に二分してとらえる防衛機制であり、境界性パーソナリティ障害などに特徴的にみられる。投影性同一視は投影した感情を相手が演じるように仕向けること、理想化と脱価値化はスプリッティングの一環として生じる。

## 詳細解説

核心解説
この問題は、メラニー・クライン (Melanie Klein) が提唱した 対象関係論 (Object Relations Theory) の中核概念を問うています。特に、乳幼児期の心の働きである防衛機制 (Defense Mechanism) を理解することが鍵となります。

1. **核心概念の分析 (Key Concept)**:
スプリッティング (Splitting / 分割) は、未熟な自我が不快な感情や不安に対処するために、自己や他者を「全て良い（理想的な対象）」と「全て悪い（迫害的な対象）」に二分する防衛機制です。これは、相反する感情（愛と憎しみ）を同時に抱えることの困難さから生じます。最重要！ クラインは、この機制が正常な発達過程（乳児期）にも見られるが、後のパーソナリティ発達の基盤となると考えました。特に 境界性パーソナリティ障害 (Borderline Personality Disorder / BPD) の患者さんに特徴的に見られる防衛機制として、看護・心理領域では非常に重要です。

2. **正解の根拠 (Answer Rationale)**:
問題文の「幼児が『良い対象』と『悪い対象』を統合できず、対象を分割してとらえる」という記述は、まさにスプリッティングの定義そのものです。対象分割 (Splitting of the Object) とも呼ばれ、クライン (Klein) の理論の中心的概念です。よって正解は③番となります。

3. **誤答の分析 (Distractor Analysis)**:
① 混同注意！ **理想化 (Idealization)**: 対象の否定的側面を無視し、過度に肯定的・万能なものとして捉えること。スプリッティングの「良い対象」側面が極端になった状態と言えますが、分割そのものではありません。
② 混同注意！ **投影性同一視 (Projective Identification)**: 自己の嫌悪する感情や衝動を他者に投影し、さらにその他者がその投影された感情に従って行動するように無意識に操作・誘導すること。スプリッティングよりも複雑な機制です。
④ **見捨てられ抑うつ (Abandonment Depression)**: 対象関係論における発達段階の概念です。マーラー (Mahler) の分離個体化理論などで語られる、「母親から見捨てられるのではないか」という恐怖に基づく抑うつ状態を指します。
⑤ **脱価値化 (Devaluation)**: 理想化の反対で、対象の肯定的側面を無視し、過度に否定的・無価値なものとして捉えること。スプリッティングの「悪い対象」側面が極端になった状態です。

4. **関連概念の整理 (Related Concepts)**:
クライン (Melanie Klein) の理論では、生後数ヶ月間は 妄想-分裂ポジション (Paranoid-Schizoid Position) にあり、ここでスプリッティングが主要な防衛機制として働きます。その後、正常な発達を経て 抑うつポジション (Depressive Position) に移行し、対象の「良い面」と「悪い面」を統合して捉え、罪悪感や償いの感情が芽生えるとされます。この発達のつまずきが、後の人格障害（特にBPD）の病理に関連します。

概念整理: **スプリッティング (Splitting)** は、対象分割 (Object Splitting) とも呼ばれる原始的防衛機制。自己と他者を「全善 (All-Good)」と「全悪 (All-Bad)」に二分する。クラインの対象関係論の根幹であり、境界性パーソナリティ障害 (BPD) の患者に特徴的。

一目で比較！:

| 防衛機制 | 定義 | 特徴 |
| --- | --- | --- |
| スプリッティング | 対象を「良い」「悪い」に分割 | BPDの核心的防衛機制。二者択一的思考。 |
| 投影性同一視 | 嫌悪する感情を他者に投影し、操作する | 治療関係でしばしば観察され、看護師の感情を巻き込む。 |
| 理想化 | 対象の否定的側面を無視し過大評価 | スプリッティングの「良い」面の極端化。 |
| 脱価値化 | 対象の肯定的側面を無視し過小評価 | スプリッティングの「悪い」面の極端化。 |

看護過程ポイント:
- **アセスメント**: 患者の言動に一貫性がなく、スタッフや家族への評価が「すごく良い」と「全くダメ」に極端に分かれる場合、スプリッティングの存在を疑う。
- **看護診断 (Nursing Diagnosis)**: 「非効果的対処 (Ineffective Coping)」または「防衛的対処 (Defensive Coping)」関連因子として【原始的防衛機制の使用（スプリッティング）】。
- **看護介入**: 最重要！ 一貫した対応とスタッフ間の情報共有（チーム全体で同じ態度で接する）。患者の両価的な感情を認知し、「良い面も悪い面も両方ある」と現実吟味を促すが、直接的な解釈（「今、スプリッティングしていますね」）は禁忌。患者の感情を否定せずに受容する。
- **評価**: 患者がスタッフや状況を「両面的（良いところも悪いところもある）」と捉えられるようになったか。

暗記のコツ: 「スプリット（Split）= 分裂・分割」。『良い（天使）』と『悪い（悪魔）』に真っ二つに分けるイメージ。BPD患者さんの「スタッフの評価が日によって180度変わる」現象を思い浮かべると覚えやすい。

国試頻出ポイント: ① **定義問題**: 「良い対象と悪い対象に分割する防衛機制は？」→ **スプリッティング**。② **疾患との関連**: 「この防衛機制が特徴的に見られるパーソナリティ障害は？」→ **境界性パーソナリティ障害 (BPD)**。③ **他概念との鑑別**: 「投影性同一視」「理想化」との違いを問う問題。④ **事例問題**: 患者が看護師Aを「素晴らしい」と褒める一方、看護師Bを「ひどい」と非難する状況 → スプリッティング。

出題パターン注意！: 単純な「スプリッティングの定義」の直接問に加え、「事例の中で患者が示した防衛機制は何か」を問う応用問題や、スプリッティングが治療関係に与える影響を問う状況設定問題が出題されやすい。

## 臨床シナリオ

臨床実践ガイド
- **臨床シナリオ (Clinical Scenario)**:
A看護師は、境界性パーソナリティ障害（BPD）で入院中の30代女性患者を受け持っています。患者はA看護師には「先生（A看護師）がいてくれるから安心できる。あなたは本当に優しいわね」とべったり依存しますが、夜勤のB看護師には「あの看護師は何もわかっていない。話を聞いてくれない」と激しい不満を述べます。このような状況で、A看護師はどのようにアセスメントし、対応すべきでしょうか？
- **看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment)**:
最重要！ これは典型的なスプリッティングの臨床場面です。患者は「良い対象（A看護師）」と「悪い対象（B看護師）」にスタッフを分割して捉えています。
1. **観察・アセスメント**: 患者の言動を記録し、スタッフごとの対応の違いや評価の偏りを客観的に把握します。自分の受け持ち患者だからといって「自分は特別に良い関係が築けている」と錯覚しないことが重要です。
2. **対応**: A看護師は、B看護師を否定したり、患者の不満に同調したりしないこと。中立な立場で「B看護師のことで気になることがあったら、一緒に考えましょう」「他のスタッフにも話してみてはどうですか？」と現実吟味を促します。
3. **チーム連携**: カンファレンスでこの現象を共有します。全スタッフが一貫した態度で接することが治療の鍵です。患者の分割操作にチーム全体が巻き込まれないよう、統一した対応ルール（例：約束の時間やルールは全員が同じように守らせる）を決めます。
- **患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions)**:
危険！ スタッフ間で患者への対応が分かれると、患者の不安や混乱が増強し、自傷行為や攻撃的行動のリスクが高まる。 また、看護師自身が感情的に巻き込まれ（投影性同一視）、同僚と対立するという二次的な問題が発生する可能性があります。看護師は自分の感情に気づき、スーパービジョンを受けるなどして、カウンセリングマインドを保つことが重要です。

看護プロトコル: **観察項目**: 患者の各スタッフに対する発言内容の一貫性。スタッフに対する態度の急変。自傷行為の有無とその前後の出来事。**報告基準（SBAR）**: Situation「患者さんがA看護師とB看護師の評価を真逆に行っています」、Background「BPD患者のスプリッティングと見られます」、Assessment「チームで対応を統一しないと、患者の不安やスタッフ間の対立が生じるリスクがあります」、Recommendation「明日のカンファレンスで対応方針を統一しましょう」。**記録**: 患者の言動を客観的事実として記録し、主観的な解釈（「患者は看護師を操作している」）は記載しない。

先輩看護師の一言: 「BPDの患者さんを担当すると、『自分は信頼されている』『この患者さんは特別に理解してくれている』と感じる瞬間があります。でも、それが『良い対象』として選ばれているサインかもしれないと自覚することが大事です。『自分が良いと言われている』ことに油断せず、『患者さんが悪いと言っている同僚の話も、実は同じくらいの真実があるのかも』とバランスよく捉える視点を持ちましょう。チームでケアすることが、患者さんにとっても看護師自身にとっても安全なんですよ！」

## 重要概念

- **スプリッティング** — 対象や自己を「全善」と「全悪」に二分する原始的防衛機制。クラインの対象関係論の中核概念。
- **投影性同一視 (Projective Identification)** — 自己の嫌悪する感情を他者に投影し、その感情に合うように他者を無意識に操作する防衛機制。
- **境界性パーソナリティ障害 (Borderline Personality Disorder)** — 感情や対人関係の不安定性、衝動性を特徴とし、スプリッティングを中心とした未熟な防衛機制が顕著なパーソナリティ障害。
- **メラニー・クライン (Melanie Klein)** — 対象関係論を発展させた精神分析家。乳幼児の内的世界を重視し、妄想-分裂ポジションや抑うつポジションなどの発達段階を提唱した。
- **妄想-分裂ポジション (Paranoid-Schizoid Position)** — 生後数ヶ月間の正常な発達段階。スプリッティングと投影が主要な防衛機制であり、迫害不安が中心テーマとなる。

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