# 認知症患者の行動・心理症状（BPSD）に対する症状マネジメントとして、適切なのはどれか。

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> url: https://mymerci.kr/pages/nclex_q.php?qn_id=370898  
> language: ja  
> subject: 生物学的側面に注目した援助

## 問題

認知症患者の行動・心理症状（BPSD）に対する症状マネジメントとして、適切なのはどれか。

## 選択肢

1. 抗精神病薬を第一選択として使用する
2. 安全のため常に身体拘束を実施する
3. 患者のペースに合わせた対応を心がける **✔ 正解**
4. 患者の訴えを否定し現実を指摘する
5. 刺激を与えるためテレビを常時つける

**正解: 3**

## 解説

認知症のBPSDに対する症状マネジメントでは、非薬物療法が基本である。患者のペースに合わせた対応や環境調整、コミュニケーション技術を用いることで症状の軽減を図る。薬物療法は非薬物療法が無効な場合に限り、慎重に使用する。

## 詳細解説

核心解説
この問題は、認知症 (Dementia) の患者にみられる 行動・心理症状（BPSD: Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia） に対する適切な症状マネジメントを問うています。BPSDの中核症状（記憶障害、見当識障害など）に加えて生じる症状であり、興奮、攻撃的行動、不眠、抑うつ、幻覚などが含まれます。症状マネジメントの基本は、まず非薬物療法を優先することです。患者のペースに合わせた対応、環境調整、コミュニケーション技術（バリデーション、リマインダンスセラピーなど）を用いることで、患者の不安や混乱を軽減し、BPSDの出現を予防・軽減します。

1. **核心概念の分析 (Key Concept)**: BPSDは患者の内的要因（認知機能低下による混乱、不安）と外的要因（環境、ケアの方法、コミュニケーション不足）が複雑に絡み合って出現します。そのため、症状を抑え込むのではなく、患者の感情や行動の背景にあるニーズをアセスメントし、環境調整や対応方法の工夫を行うことが第一選択です。これを Person-Centered Care（PCC: パーソン・センタード・ケア） と呼びます。
2. **正解の根拠 (Answer Rationale)**: ③「患者のペースに合わせた対応を心がける」は、BPSDマネジメントの基本中の基本です。患者の感情を尊重し、急かさず、穏やかに対応することで、患者の不安と混乱を軽減し、BPSDを悪化させないことができます。最重要！ これは非薬物療法の第一歩であり、すべてのケアスタッフが実践すべき基本姿勢です。
3. **誤答の分析 (Distractor Analysis)**: 混同注意！
- ①: 誤り 抗精神病薬は、BPSDの中で特に重度の幻覚・妄想や興奮のために患者または他者に危険が及ぶ場合など、非薬物療法が無効な場合に限り、慎重に使用されます。第一選択ではありません。
- ②: 誤り 身体拘束は患者の尊厳を損ない、かえってBPSDを悪化させる可能性があります。最終手段であり、安全確保のために一時的に検討されることはあっても、「常に」実施するものではありません。
- ④: 誤り 患者の訴え（例：「夕べ、誰かが部屋に入ってきた」）を否定し、現実を指摘することは、患者の混乱や不安を強め、BPSDを悪化させます。まずは患者の感情を受け入れ、共感することが重要です。
- ⑤: 誤り 過剰な刺激（テレビのつけっぱなし）は、認知機能が低下した患者にとって混乱の原因となります。環境は穏やかで静かなものを基本とします。
4. **関連概念の整理 (Related Concepts)**: BPSDの非薬物療法には、バリデーション（感情の受容）、リマインダンスセラピー（過去の想起）、回想法、音楽療法、アロマセラピー、環境調整（照明、騒音、見当識の手がかり）などがあります。薬物療法では、非定型抗精神病薬（リスペリドン、オランザピンなど）が使用されることがありますが、高齢者では副作用（傾眠、転倒、脳血管障害リスク上昇）に注意が必要です。

概念整理: BPSDのマネジメントの基本は **非薬物療法** → **パーソン・センタード・ケア（PCC）** の実践です。患者の行動の背景にあるニーズを探り、環境調整と適切なコミュニケーションで症状を軽減します。薬物療法はあくまで補完的で、慎重に使用します。

一目で比較！:

| 項目 | BPSD（行動・心理症状） | せん妄 (Delirium) |
| --- | --- | --- |
| 原因 | 認知症に伴う脳の機能障害 + 環境要因 | 身体疾患、薬剤、代謝異常など急性の要因 |
| 発症 | 緩徐、持続的 | 急性（数時間〜数日） |
| 意識レベル | 基本的に清明 | 変動（傾眠〜興奮） |
| 対応の第一選択 | 非薬物療法（PCC、環境調整） | 原因疾患の治療、環境調整 |

看護過程ポイント:
- **アセスメント**: 患者のBPSDが出現する状況（時間帯、場所、誰が関わっているか）、内容（何をしているか、何を訴えているか）、誘因（痛み、便秘、空腹、疲労、環境の変化）を詳細に観察・記録します。
- **看護診断**: 非効果的対処、転倒リスク状態、暴力リスク状態、睡眠パターン混乱などが考えられます。
- **計画・実施**: 誘因を除去/軽減する環境調整（静かな環境、見当識を促すカレンダーや時計）、患者のペースに合わせたケア、コミュニケーション（ゆっくり、簡単な言葉、うなずきやアイコンタクト）を実施します。
- **評価**: BPSDの出現頻度や強度が軽減したか、患者のQOLが向上したかを評価します。

暗記のコツ: BPSDは「認知症の人の心のSOSサイン」と覚えましょう。「困った行動」として捉えるのではなく、「何か伝えたいことがある」という視点で患者を理解することが大切です。非薬物療法の優先順位は「まず環境調整、次に対応方法、最後に薬物」と覚えてください。

国試頻出ポイント: この問題は、BPSDマネジメントの基本姿勢を問う頻出テーマです。選択肢には「患者のペースに合わせる」「共感する」「否定しない」といった正しい対応と、「拘束する」「薬を第一選択にする」「現実を指摘する」といった誤った対応が混在します。正しい対応を選べるようにしておきましょう。

出題パターン注意！: 近年の国家試験では、事例問題として「認知症患者が夜間に興奮し、スタッフに暴力を振るう」といった具体的な状況が設定され、「この時の看護師の対応として最も適切なのはどれか」という形で出題されることが増えています。単なる知識問題から、状況を判断する応用力が問われています。

## 臨床シナリオ

臨床実践ガイド
認知症病棟や認知症対応型グループホームなどで働く看護師として、BPSD症状マネジメントの実践例をご紹介します。

- **臨床シナリオ (Clinical Scenario)**: 80代女性、アルツハイマー型認知症。夕方になると落ち着かず、「家に帰らなくちゃ」と繰り返し訴え、病棟出口に向かおうとする（いわゆる「夕暮れ症候群」）。興奮し、介助を拒否する場面が頻繁にみられる。あなたはどのように対応しますか？
- **看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment)**:
1. **観察**: 患者の表情、落ち着きのなさの程度、疲労感、生理的欲求（空腹、排泄、痛み）がないかアセスメントします。BPSDの背景に身体的原因がないか確認することが第一です。
2. **アセスメント**: 「家に帰る」という訴えは、患者の不安や見当識障害の表れであり、環境（夕暮れで薄暗くなった）や疲労が誘因になっている可能性が高い。
3. **報告（SBAR）**: 「S: Bさんの状況です。夕方から興奮が強く、出口に向かおうとしています。A: バイタルサインは安定、明らかな身体的原因は見られません。B: 夕方の薄暗い環境が不安を誘発している可能性があります。R: 環境調整として夕方の照明を明るくし、安静に過ごせる場所を提供したい。医師の指示が必要な睡眠薬の追加について相談したい。」
4. **介入**: まずは患者の感情に寄り添う（「そうですね、家に帰りたいですね」と共感）。その上で、「今はまだ準備ができていないから、少しここで休んでいきましょう」と気をそらす。患者の好きな音楽や写真を見せながら、穏やかな環境を提供する。夕方の時間帯は、静かな部屋で一緒に過ごす。
5. **評価**: 上記介入後、患者の興奮は徐々に治まり、安全に過ごせるようになったか評価する。持続する場合は、睡眠導入剤の一時的な使用を医師に相談する。
- **患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions)**:
- 禁忌: 興奮時の無理な身体拘束は患者の尊厳を傷つけ、かえって興奮を強めるため避ける。
- 最重要！ 患者の安全を最優先に、転倒・転落のリスクを常にアセスメントする。興奮時の歩行は転倒リスクが高いため、見守りを強化する。
- 特定集団への配慮: 高齢者は薬物の副作用が出現しやすいため、薬物療法は最小限に。特に抗コリン作用のある薬剤（例: 一部の抗うつ薬、抗パーキンソン病薬）は認知機能を悪化させる可能性があるため注意が必要。

看護プロトコル: 観察項目（BPSDの出現時間、頻度、誘因、持続時間、行動内容、患者の感情表現、バイタルサイン）。報告基準（SBARフォーマット）。記録のポイント（時系列、具体的な患者の言動とそれに対する看護介入、患者の反応）。家族への説明（BPSDは症状であり、患者の意思とは関係ないこと、家族の対応方法の指導）。

先輩看護師の一言: 「認知症の患者さんが示す行動には、必ず意味があります。『なぜこの行動をするのだろう？』という視点を持ってアセスメントすることが、適切なケアにつながります。国試では『非薬物療法が第一』という原則を覚えておけば、多くの選択肢を正しく判断できますよ！」

## 重要概念

- **BPSD** — 認知症の行動・心理症状。中核症状に加えて出現する興奮、攻撃的行動、幻覚、妄想、抑うつ、不安、睡眠障害などを含む。
- **非薬物療法** — BPSDマネジメントの基本。環境調整、コミュニケーション技術（バリデーション、リマインダンスセラピー）、音楽療法、回想法など、薬を使わない介入方法。
- **パーソン・センタード・ケア** — 認知症ケアの基本理念。疾患ではなく「その人」を中心に捉え、その人の生活史、価値観、感情を尊重したケアを提供するアプローチ。
- **夕暮れ症候群** — 認知症患者に夕方〜夜間にかけて出現しやすいBPSDの一種。見当識障害や不安の増強により、落ち着きがなくなる、家に帰ろうとするなどの行動がみられる。
- **バリデーション** — 認知症患者の混乱した言動を否定せず、その感情を理解し受け入れるコミュニケーション技法。患者の尊厳を保ち、不安を軽減する効果がある。

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