# アルコール依存症で治療中の患者が、「もう酒はやめられない」と諦めの言葉を述べている。この患者に対して、リカバリーの概念に基づいた看護師の対応として最も適切なのはどれか。

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> url: https://mymerci.kr/pages/nclex_q.php?qn_id=370816  
> language: ja  
> subject: 精神看護の基盤となる援助

## 問題

アルコール依存症で治療中の患者が、「もう酒はやめられない」と諦めの言葉を述べている。この患者に対して、リカバリーの概念に基づいた看護師の対応として最も適切なのはどれか。

## 選択肢

1. 「今は無理せず、治療を続けていくことが大切です」と伝える。
2. 「断酒を続けるための具体的な方法を一緒に考えましょう」と提案する。
3. 「アルコールをやめられないのは病気のせいですよ」と説明する。
4. 「これまで断酒に成功した時のことを覚えていますか」と尋ねる。 **✔ 正解**
5. 「断酒できなくても、飲酒量を減らすことから始めましょう」と提案する。

**正解: 4**

## 解説

リカバリーとは、たとえ症状や障害があっても、希望を持ち、自分らしい人生を再構築していくプロセスである。患者が「もうやめられない」と希望を失っている状況では、過去に断酒に成功した経験や、たとえ短い期間でもコントロールできた体験を思い出させることで、希望や自己効力感を再活性化することが重要である。これは、患者の内なる力や強みに着目した支援となる。他の選択肢は、問題解決や疾患説明、現状維持の勧め、目標の下方修正であり、リカバリーの本質である希望の再構築に直接働きかけるものではない。

## 詳細解説

核心解説
この問題は、アルコール依存症 (Alcohol Dependence) 患者の「もう酒はやめられない」という無力感・希望喪失の状態に対して、リカバリー (Recovery) の概念に基づいた適切な看護対応を問うています。最重要！リカバリーとは、症状が完全に消失していなくても、希望 (Hope) を持ち、自己決定し、社会に参加しながら自分らしい人生を再構築するプロセスです。患者が「やめられない」と諦めている今、最も必要なのは、過去の成功体験（たとえ小さなものでも）を想起させ、自己効力感 (Self-Efficacy) と希望を再活性化する支援です。

1. **核心概念の分析 (Key Concept)**: この問題の核心は、リカバリー志向の看護 (Recovery-Oriented Nursing) です。これは「疾患や障害があっても、その人らしい人生を送ることを支援する」という精神看護の基本的かつ先進的な理念です。患者の「できない」という否定的な自己認識に焦点を当てるのではなく、内的リソース (Internal Resources) や 強み (Strengths) に注目することが鍵です。
2. **正解の根拠 (Answer Rationale)**: 選択肢4「これまで断酒に成功した時のことを覚えていますか」と尋ねる対応は、リカバリーの中核要素である最重要！「希望の再構築 (Rebuilding Hope)」に直接働きかけます。過去の成功体験（例：1日だけでも断酒できた、治療プログラムを完遂した）を言語化することで、患者は「自分にもできたことがある」と気づき、自己効力感が高まります。これは、ストレングスモデル (Strengths Model) に基づく支援であり、看護師は「可能性」を引き出す役割を担います。
3. **誤答の分析 (Distractor Analysis)**:
- 選択肢1: 「今は無理せず、治療を続けていくことが大切です」は、現状維持を促す対応であり、患者の希望や行動変容を促す積極的なリカバリー支援とは言えません。
- 選択肢2: 「断酒を続けるための具体的な方法を一緒に考えましょう」は、患者のレディネス（準備性）を無視した問題解決志向のアプローチです。混同注意！リカバリーの初期段階では、まず希望の回復が優先され、具体的な方法論はその後です。
- 選択肢3: 「アルコールをやめられないのは病気のせいですよ」と説明することは、疾患教育としては正しい面もありますが、患者の主体性を無視し、責任を外在化させる可能性があります。リカバリーでは、自己決定 (Self-Determination) と 責任 (Responsibility) のバランスが重要です。
- 選択肢5: 「断酒できなくても、飲酒量を減らすことから始めましょう」は、目標の下方修正であり、患者が「断酒」を最終目標としている場合、その希望をさらに損なう可能性があります。患者の目標を尊重しない対応です。
4. **関連概念の整理 (Related Concepts)**:
- リカバリー (Recovery) vs キュア (Cure/治癒): リカバリーは症状が完全に消失する「治癒」を意味するのではなく、たとえ症状があっても「自分らしい生活を取り戻すプロセス」です。
- 自己効力感 (Self-Efficacy): 「自分はできる」という信念。リカバリーにおいて希望と並んで重要な概念です。
- ピアサポート (Peer Support): 同じ経験を持つ仲間（例：AA、断酒会）の存在もリカバリーを促進する重要な資源です。

概念整理: リカバリーの4つの主要要素：希望 (Hope)、自己決定 (Self-Determination)、可能性 (Possibility)、社会的関係 (Social Relationships)。看護師は、患者がこれらの要素を実感できるような関わりを目指します。

一目で比較！:

| アプローチ | 焦点 | 看護師の役割 |
| --- | --- | --- |
| リカバリー志向 | 強み、可能性、希望 | ファシリテーター、伴走者 |
| 疾患管理モデル | 症状、問題、治療遵守 | 指導者、管理者 |

看護過程ポイント: アセスメントでは、患者の「できない」という言葉の裏にある「やってみたい」という希望の存在を見逃さないこと。看護診断例：無力感 (Powerlessness)、非効果的健康維持 (Ineffective Health Maintenance)。計画では、患者自身が設定した小さな目標（例：「今日の夕食時に飲まない」）を尊重し、成功体験を積み重ねられるように支援する。

暗記のコツ: リカバリー（Recovery）のRは「Rebuilding Hope（希望の再構築）」と覚えましょう！「治す」ではなく「取り戻す」プロセスです。

国試頻出ポイント: 近年の精神看護学の国家試験では、単なる疾患知識だけでなく、リカバリー、ストレングスモデル、アドボカシー (Advocacy) などの理念を問う問題が増加しています。患者の否定的な発言に対して、「どのように希望や強みを引き出すか」という視点で選択肢を吟味することが正答の鍵です。

出題パターン注意！: 事例問題では「患者が『どうせ私なんて…』と発言した」という状況がよく出ます。この場合、看護師は過去の成功体験や、患者の持つリソース（家族、趣味、仕事など）に話題を広げる対応が正解となる傾向があります。

## 臨床シナリオ

臨床実践ガイド
**臨床シナリオ (Clinical Scenario)**: アルコール依存症で入院治療中の40代女性。退院を2週間後に控え、面談中に「家に帰ったらまた飲んでしまう気がする。もう自分は一生酒をやめられない」と涙ながらに話しました。看護師はどのように対応すべきでしょうか？
**看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment)**:
1. **観察 (Observation)**: 患者の表情、声のトーン、身体症状（振戦、発汗）を観察。退院への不安が強いことをアセスメント。
2. **アセスメント (Assessment)**: 患者は「断酒」を目標としているが、自己効力感が著しく低下し、再燃 (Relapse) への強い恐怖を感じている状態です。
3. **報告・情報共有 (SBAR)**: 「S (状況): 退院を控えた患者が断酒への自信喪失を訴えています。B (背景): これまで入院中は断酒を継続できていました。A (アセスメント): リカバリーの観点から、希望の再構築と具体的な再発予防策の強化が必要と判断します。R (提案): 一緒に過去の成功体験を振り返り、退院後のサポート体制（通院、断酒会参加）について話し合いたいと思います。」
4. **介入 (Intervention)**: 最重要！「入院中、本当によく頑張って断酒を続けてきましたね。その力はあなたの中にあります。退院後に飲みたくなった時の対処法を、一緒に考えてみませんか？」と、まず頑張りを認め（肯定）、次に希望を持たせ（未来志向）、最後に具体的な対策（再発防止計画）を提案します。
5. **評価 (Evaluation)**: 患者の表情が少し和らぎ、「そうですね…入院中は断酒できていましたね」と過去の成功を自ら言語化できれば、介入の効果があったと評価できます。
**患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions)**:
- 混同注意！ リカバリー志向の支援は、患者の自己責任を問う「あなた次第です」という突き放した態度ではありません。常に伴走者として寄り添い、必要な医療・社会資源（精神科医、PSW、断酒会、自助グループ）を積極的にコーディネートする役割が看護師には求められます。
- 離脱症状（振戦せん妄）の再燃リスクにも注意。退院後も継続的なフォローアップが必要です。

看護プロトコル: 観察項目（飲酒欲求の程度、離脱症状の有無、睡眠状況、気分の変動）、報告基準（強い飲酒欲求の訴え、希死念慮の出現）、記録のポイント（患者の語った内容をそのまま引用し、看護師の対応と患者の反応を客観的に記録）。

先輩看護師の一言: 「患者さんが『もうダメだ』と諦めている時こそ、私たち看護師の出番です！『過去にできたこと』に注目させてあげてください。小さな成功体験の積み重ねが、大きな希望の光になります。リカバリーの視点は、精神科だけでなく、すべての看護領域で活きる考え方ですよ。」

## 重要概念

- **リカバリー** — 症状や障害があっても、希望を持ち、自分らしい人生を再構築していくプロセス。治癒とは異なる概念。
- **自己効力感** — 「自分はできる」という信念。リカバリーにおいて希望と並び重要な心理的資源。
- **ストレングスモデル** — 患者の問題や欠点ではなく、強みや資源に着目する支援モデル。リカバリー志向看護の基盤。
- **断酒会** — アルコール依存症からの回復を目指す自助グループ。ピアサポートの場としてリカバリーに重要な役割を果たす。
- **再発予防** — 退院後の飲酒再開（再燃）を防ぐための計画。トリガーへの対処法、サポート体制の確保などが含まれる。

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