# 危機（クライシス）の概念を最初に提唱した人物は誰か？

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> language: ja  
> subject: 精神保健

## 問題

危機（クライシス）の概念を最初に提唱した人物は誰か？

## 選択肢

1. パールズ（Perls, F.S.）
2. エリクソン（Erikson, E.H.）
3. フロイト（Freud, S.）
4. カプラン（Caplan, G.） **✔ 正解**
5. ロジャーズ（Rogers, C.R.）

**正解: 4**

## 解説

危機（クライシス）の概念は、精神医学者であるジェラルド・カプラン（Caplan, G.）が提唱した。彼は、人が直面する困難な状況に対して、通常の対処機制では乗り越えられない状態を「危機」と定義し、その介入としての危機理論を発展させた。

## 詳細解説

核心解説
この問題は、看護における重要な理論的基盤の一つである危機理論 (Crisis Theory)の提唱者を問うものです。**正解は4番のカプラン (Caplan, G.)です。**
カプランは精神医学者であり、人がライフイベントやストレスフルな状況に直面した際、通常の対処機制 (Coping Mechanism)では適応できず、心理的に不安定な状態に陥った状態を「危機 (Crisis)」と定義しました。彼はこの危機を乗り越えるための介入として、短期間で焦点を絞った精神療法的アプローチである危機介入 (Crisis Intervention)を体系化しました。この理論は、精神看護はもちろん、急性期・救急看護、災害看護など、様々な臨床場面で応用されています。

**正解の根拠 (Answer Rationale)**: カプランは、危機を「個人にとって重要な問題に直面し、その問題を従来の対処法では解決できないと認識した時に生じる、心理的なアンバランスの状態」と定義しました。彼の理論は、エリクソンの発達段階説やストレス対処理論を基盤としており、予防精神医学の観点から発展しました。看護師はこの理論を用いて、患者とその家族の心理的安定を図るための援助を行います。

**誤答の分析 (Distractor Analysis)**: 混同注意！
① パールズ (Perls, F.S.)：ゲシュタルト療法の創始者です。「今、ここで (Here and Now)」の体験を重視する心理療法であり、危機理論とは直接的な関連はありません。
② エリクソン (Erikson, E.H.)：心理社会的発達理論 (Psychosocial Development Theory) の提唱者です。各発達段階における「危機 (Crisis)」という用語を使いますが、これは発達上の課題 (Developmental Crisis) を指し、カプランが提唱した「状況的危機 (Situational Crisis)」とは区別されます。最重要！エリクソンの発達理論における「危機」と、カプランの危機理論における「危機」は異なる概念であることを押さえておきましょう。
③ フロイト (Freud, S.)：精神分析学の創始者。無意識の世界や防衛機制 (Defense Mechanism) を提唱しました。防衛機制は危機的状況への適応反応の一部として関連しますが、危機理論そのものを体系化したのはカプランです。
⑤ ロジャーズ (Rogers, C.R.)：来談者中心療法 (Client-Centered Therapy) の創始者。人間性心理学の立場から、自己実現の重要性を説きました。共感的理解や無条件の肯定的関心といったカウンセリング技法は看護に応用されていますが、危機理論の提唱者ではありません。

**関連概念の整理 (Related Concepts)**: カプランは危機を「発達的危機 (Developmental Crisis)」と「状況的危機 (Situational Crisis)」に分類しました。発達的危機とは、思春期や更年期など人生の過渡期に生じる予測可能な危機であり、エリクソンの発達理論と関連します。一方、状況的危機とは、病気、事故、災害、失業など予測不可能な突発的な出来事によって生じる危機です。看護では、特に病気による状況的危機への介入が重要になります。

概念整理: カプラン (Caplan, G.)が提唱した危機理論 (Crisis Theory)は、人がストレスフルな出来事に対して、普段の対処法では立ち向かえず、心理的均衡を崩した不安定な状態（危機）を扱います。この状態は通常4～6週間と比較的短期間で、適切な危機介入 (Crisis Intervention)によって心理的成長（Crisis as Opportunity）へと導けるという考え方が核心です。

一目で比較！:

| 理論家 | 主な理論 | 「危機」の捉え方 |
| --- | --- | --- |
| カプラン (Caplan) | 危機理論 | 状況的危機 (例: 病気、事故) と発達的危機。対処不能なアンバランス状態 |
| エリクソン (Erikson) | 心理社会的発達理論 | 発達段階における心理社会的課題 (例: 信頼 vs 不信)。成長のための乗り越えるべき課題 |
| フロイト (Freud) | 精神分析理論 | 無意識の葛藤と防衛機制。危機という概念は直接的には用いられない |

看護過程ポイント: **アセスメント (Assessment)**では、患者が「危機」にあるかどうかを判断するために、知覚している脅威の程度、普段の対処能力、利用可能なサポート資源を評価します。**看護診断 (Nursing Diagnosis)**としては「非効果的対処 (Ineffective Coping)」「不安 (Anxiety)」「暴力のリスク (Risk for Other-Directed Violence)」などが挙げられます。**計画・実施 (Planning/Implementation)**では、患者のストレングスを見出し、具体的な問題解決策を短期間で見つける支援をします。**評価 (Evaluation)**では、心理的安定が得られ、問題に対して適応的な対処法を獲得できたかを評価します。

暗記のコツ: 「カプランの『カ』は『カイキ（危機）』の『カ』」と覚えましょう。また、エリクソンの発達理論とカプランの危機理論は似ているようで異なるため、「エリクソンは発達課題、カプランはストレス対処」と区別して覚えるのがポイントです。

国試頻出ポイント: この問題は、看護理論や精神看護の基礎知識として頻出です。特に「危機理論の提唱者は誰か」という直接的な知識問題に加え、事例問題の中で「この患者に最も適した看護理論はどれか」という形で応用問題が出題されることもあります。カプランの他、ペプロウ (Peplau)、オレム (Orem)、ロイ (Roy)、ヘンダーソン (Henderson) などの主要な看護理論家とその理論の核心を整理しておくと良いでしょう。

出題パターン注意！: 「最近、難病と診断された患者が『どうしていいかわからない』と混乱している。この患者の状態に最も適した理論はどれか。」といった状況設定問題では、カプランの危機理論を選択するのが適切です。単純な人名暗記だけでなく、その理論が「どのような状況の患者に適用できるのか」を考えられるようにしておきましょう。

## 臨床シナリオ

臨床実践ガイド
**臨床シナリオ (Clinical Scenario)**: 50代男性。健診で胃がんが見つかり、緊急入院となりました。医師からは「根治手術が可能」と説明されましたが、患者は「ガンなんて…仕事はどうなるんだ…家族に迷惑をかけられない…」と強い不安と動揺を見せ、看護師の声かけにも反応が鈍く、食事もほとんど摂れていません。この患者はカプランが定義する状況的危機 (Situational Crisis)にあると考えられます。

**看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment)**: 最重要！ この患者への看護介入の第一歩は、傾聴と共感です。まずは患者のペースで感情を表出できるよう「つらいですよね」「何か不安なことはありますか」と声をかけます。決して「大丈夫ですよ」と安易に励ましたり、説得したりしないことが重要です。次に、患者の持つ対処資源 (Coping Resources)をアセスメントします。家族の支援状況、経済的な不安、仕事への思いなどを丁寧に聞き取ります。そして、医師や医療ソーシャルワーカー (MSW) と連携し、治療スケジュールの具体的な説明や、経済的支援制度の情報提供など、具体的な問題解決のための情報を提供します。危機介入は短期集中型であり、患者が自ら問題を認識し、適応的な対処法を獲得できるよう見守りながら支援します。

看護プロトコル: 観察項目：不安・抑うつの程度、睡眠・食欲の状態、発言内容、表情や態度。報告基準（SBAR）：S「状況」 (患者は胃がんと診断され、強い不安と動揺を示している)、B「背景」 (初診で告知され、入院となった)、A「アセスメント」 (状況的危機の状態と判断し、精神的ケアが必要)、R「提案」 (リエゾン精神看護専門看護師へのコンサルテーションを提案)。記録のポイント：患者の発言（傾聴した内容）、観察した行動、看護師の介入内容とそれに対する患者の反応を客観的に記録します。

先輩看護師の一言: 「患者さんが『もうダメだ』と感じている時、私たち看護師にできることは、その気持ちに寄り添い、『あなたは一人じゃない』と伝えることです。国試で理論を学ぶときも、『これはどんな患者さんに役立つんだろう？』と想像してみてください。理論は現場で患者さんを支えるための最強のツールですよ！」

## 重要概念

- **危機理論 (Crisis Theory)** — 人がストレスフルな出来事に対して、通常の対処法では適応できず心理的均衡を崩した「危機」状態を扱う理論。カプランが体系化した。
- **危機介入 (Crisis Intervention)** — 危機状態にある個人に対し、短期間で焦点を絞った介入を行うことで、心理的安定と適応的な対処法の獲得を支援する方法。
- **状況的危機 (Situational Crisis)** — 病気、事故、災害、失業など、予測不可能な突発的な出来事によって引き起こされる危機。
- **発達的危機 (Developmental Crisis)** — 思春期、更年期など、人生の過渡期や発達段階の移行に伴って生じる予測可能な危機。
- **対処機制 (Coping Mechanism)** — ストレスや困難な状況に対して、心理的な安定を保つために個人が用いる適応的な行動や思考のパターン。

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