# 認知症の行動・心理症状（BPSD）の対応として適切なのはどれか。

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> url: https://mymerci.kr/pages/nclex_q.php?qn_id=368940  
> language: ja  
> subject: 高齢者に特有な症候・疾患・障害と看護

## 問題

認知症の行動・心理症状（BPSD）の対応として適切なのはどれか。

## 選択肢

1. 複数の指示を同時に出す
2. 興奮時に身体を抑制する
3. テレビの音量を大きくする
4. 患者の感情に共感する **✔ 正解**
5. 間違いをその場で正す

**正解: 4**

## 解説

BPSDへの対応では、患者の不安や怒りの背景にある感情に共感し、安心できる環境を整えることが基本である。身体抑制や間違いの訂正は症状を悪化させる。刺激過多や複数指示も混乱を招く。

## 詳細解説

核心解説
この問題は、認知症の行動・心理症状（Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia, BPSD）に対する看護介入の基本原則を問うています。BPSDは、認知機能低下に伴い出現する周辺症状で、患者の不安や混乱、環境因子への反応として現れます。対応の核心は、薬物療法よりも非薬物的介入（環境調整やコミュニケーション技法）を優先し、患者の尊厳と安全を守ることです。

1. **核心概念の分析 (Key Concept)**: BPSD（徘徊、興奮、妄想、攻撃性など）は、患者の「残存能力」と「環境のミスマッチ」から生じる行動と捉えます。そのため、パーソン・センタード・ケア（Person-Centered Care）の視点で、患者の感情・ニーズ・生活歴を理解した対応が不可欠です。単に症状を抑え込むのではなく、行動の背景にある「意味」を探ることが看護師の重要な役割です。

2. **正解の根拠 (Answer Rationale)**: 正解は最重要！「患者の感情に共感する」です。BPSDを示す患者は、自身の混乱や不安を言葉でうまく表現できません。看護師が「さみしかったんですね」「不安だったんですね」と患者の感情を言語化し共感を示すことで、患者は安心感を得て症状が軽減します。これはバリデーション（Validation）という技法の基本であり、認知症ケアの黄金律です。

3. **誤答の分析 (Distractor Analysis)**:
混同注意！
- ①「複数の指示を同時に出す」：認知機能低下により、複数の指示を処理できず混乱を助長します。指示は一つずつ短く伝えるのが基本です。
- ②「興奮時に身体を抑制する」：身体抑制は患者の尊厳を損ない、興奮や抵抗を強めます。また、身体抑制は医療安全上のリスクも高く、最終手段としてもガイドラインで推奨されていません。
- ③「テレビの音量を大きくする」：過剰な刺激は患者の混乱を悪化させます。BPSD対応では静かで落ち着いた環境を整えることが重要です。
- ⑤「間違いをその場で正す」：患者の間違いを指摘すると、羞恥心や怒りを引き起こし、症状を悪化させます。リアリティ・オリエンテーション（Reality Orientation）は認知機能が保たれている初期に有効ですが、中等度以上の認知症では逆効果となるため注意が必要です。

4. **関連概念の整理 (Related Concepts)**: BPSDと混同注意！せん妄（Delirium）の鑑別も重要です。せん妄は急激な発症・日内変動が大きく、原因疾患（感染症、脱水、薬剤など）の治療が優先されます。一方、BPSDは慢性経過の中で出現し、環境調整と心理的ケアが中心です。また、認知症の中核症状（記憶障害、見当識障害など）と周辺症状（BPSD）の違いも国試頻出です。

概念整理: BPSD対応の基本は パーソン・センタード・ケア と 非薬物的介入。共感（感情の受容）が最も重要で、環境調整（刺激の低減）も必須。身体抑制や否定的な対応は禁忌。

一目で比較！:

| 対応 | 適切/不適切 | 理由 |
| --- | --- | --- |
| 感情に共感する | 適切 | 安心感を与え、興奮を鎮める基本 |
| 身体を抑制する | 不適切 | 尊厳の侵害、症状悪化、安全リスク増大 |
| 複数指示を出す | 不適切 | 認知負荷が高く、混乱を誘発 |
| 間違いを正す | 不適切 | 羞恥心・怒りを引き起こす |

看護過程ポイント:
- **アセスメント**: BPSDの具体的な行動、発現時間、状況（場所・人・環境）、患者の表情・言動、生活歴や嗜好を詳細に観察。引き金（トリガー）を特定する。
- **看護診断**: 「非効果的健康維持パターン」「暴力リスク状態」「転倒リスク状態」「コミュニケーション困難」など。
- **計画・実施**: 安全な環境整備（転倒防止、危険物除去）、スケジュールのルーティン化、患者のペースに合わせた対応、バリデーション技法の活用。
- **評価**: BPSDの頻度・強度の変化、患者の安心感の有無、介護者の負担感の軽減。

暗記のコツ: BPSD対応の語呂合わせ「**共（共感）に** 安（安心環境） **静（刺激を減らす）かに**」。

国試頻出ポイント: BPSDの非薬物療法（環境調整、回想法、音楽療法、アロマセラピーなど）の具体例、身体抑制の禁止（身体拘束適正化の根拠法：介護保険法・医療法）、せん妄との鑑別がよく出題されます。

出題パターン注意！: 単純な知識問題から、「事例：夜間に興奮して『家に帰る』と繰り返す認知症高齢者への対応」のような状況設定問題に発展します。感情の受容（共感）が必ず正解となる傾向があります。

## 臨床シナリオ

臨床実践ガイド
- **臨床シナリオ (Clinical Scenario)**: 「80代女性、アルツハイマー型認知症（中等度）。夕方になると落ち着かず、『泥棒が入った』と興奮し、スタッフに掴みかかろうとします。日中は比較的穏やかですが、夕暮れ時にこのような症状（サンセット症候群）が頻発します。」
- **看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment)**: 最重要！ まずは観察：発言内容（泥棒が来た＝何かが無くなった不安）、表情（恐怖）、時間帯（夕方＝疲労や照明の変化）。アセスメント：夕方の薄暗さや疲労が混乱を誘発している可能性。介入：ゆっくりと近づき、落ち着いた声で「何か心配なことがありましたか？一緒に確認しましょう」と共感。 決して否定せず、安全を確認しながら一緒に部屋を歩く。必要に応じて照明を明るくし、好きな音楽を流す。興奮が強い場合は、無理に制止せず、安全な距離を保ちながら声かけを継続。医師への報告は、興奮が鎮まらない場合や、身体症状（発熱、脱水など）の有無を確認するため。
- **患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions)**: 絶対に身体抑制をしない！ 抑制は患者の恐怖と興奮を強め、スタッフへの攻撃リスクを高めます。転倒リスクに注意（興奮して立ち上がる際にバランスを崩すため）。周囲の環境（家具の角、電気コードなど）を安全に整える。興奮している患者を一人にしない。

看護プロトコル: 観察項目（BPSDの種類・頻度・持続時間、引き金、患者の感情、バイタルサイン、食事・水分摂取量、睡眠状況）、報告基準（SBAR：新たなBPSDの出現、症状の急激な悪化、身体症状の併発、介護者の疲弊）、記録（対応内容と患者の反応、環境調整の内容と効果）。

先輩看護師の一言: 「認知症の患者さんの行動には、必ず『理由』と『思い』があります。それを理解しようとする姿勢が、安全で質の高いケアの第一歩です。『なんでこんなことをするんだろう？』と考えるのではなく、『どんな気持ちでいるんだろう？』と想像してみてください。国試で学んだ共感の技術は、現場で患者さんとそのご家族を救う最も強力な武器になります！」

## 重要概念

- **認知症の行動・心理症状（BPSD）** — 認知症に伴う行動や心理的症状の総称。徘徊、興奮、攻撃性、妄想、抑うつなど。中核症状（記憶障害など）に対する個人の反応や環境要因によって出現する周辺症状。
- **パーソン・センタード・ケア** — キットウッド（Kitwood, T.）が提唱した認知症ケアの理念。疾患ではなく「人」を中心に据え、その人の生活歴や嗜好、感情を理解し尊重したケアを提供する。
- **バリデーション（Validation）** — フェイル（Feil, N.）が開発した認知症高齢者とのコミュニケーション技法。患者の感情や言葉を否定せずに受け入れ、共感することで安心感を与え、混乱を鎮める。
- **せん妄（Delirium）** — 急性に発症する意識障害の一種。注意障害や認知機能障害、日内変動が特徴。原因疾患（感染症、電解質異常、薬剤など）の治療が優先される。BPSDとの鑑別が重要。
- **身体拘束（身体抑制）** — 患者の行動を制限する行為。認知症ケアにおいては、安易な身体拘束は症状を悪化させ、患者の尊厳を害するため、原則禁止。医療安全の観点からも最終手段とされる。

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