# 75歳の女性。夫と2人暮らし。最近、物忘れが増えたと訴え来院した。抑うつ気分、意欲低下、体重減少、不眠を認める。認知症との鑑別のために最も優先すべき検査はどれか。

> source: MyMerci (mymerci.kr)  
> url: https://mymerci.kr/pages/nclex_q.php?qn_id=368920  
> language: ja  
> subject: 高齢者に特有な症候・疾患・障害と看護

## 問題

75歳の女性。夫と2人暮らし。最近、物忘れが増えたと訴え来院した。抑うつ気分、意欲低下、体重減少、不眠を認める。認知症との鑑別のために最も優先すべき検査はどれか。

MMSEは23点であり、軽度の認知機能低下を示している。

## 選択肢

1. 血中甲状腺刺激ホルモン（TSH）測定 **✔ 正解**
2. デキサメタゾン抑制試験
3. 脳血流シンチグラフィ
4. 頭部MRI
5. 脳脊髄液中アミロイドβ測定

**正解: 1**

## 解説

高齢者のうつ症状は、甲状腺機能低下症などの身体疾患によって引き起こされることがある。甲状腺機能低下症は認知機能障害や抑うつ症状を呈するため、血液検査でTSHを測定し鑑別することが優先される。他の検査も認知症鑑別に有用だが、まずは治療可能な身体疾患の除外が重要である。

## 詳細解説

核心解説
この問題は、高齢者の認知機能低下と抑うつ症状を呈する患者において、認知症 (Dementia) と鑑別すべき治療可能な身体疾患を特定するための優先検査を問うています。特に、高齢者では甲状腺機能低下症 (Hypothyroidism) が認知機能障害や抑うつ症状を引き起こすことが知られており、認知症と誤診されるケースがあります。この問題の核心は、最重要！「可逆性の認知機能障害」を見逃さないことです。うつ症状（老年期うつ病）も認知症と鑑別が難しいですが、まずは治療可能な身体疾患の除外が優先されます。

**正解の根拠 (Answer Rationale)**

本症例では、抑うつ気分、意欲低下、体重減少、不眠に加え、軽度の認知機能低下（MMSE 23点）が認められます。これらの症状は、甲状腺機能低下症の症状（疲労感、体重増加、便秘、寒がり、記憶力低下、抑うつ気分、意欲低下など）と重なる部分が多いです。したがって、最重要！ 治療可能な身体疾患として、血中甲状腺刺激ホルモン（TSH）測定による甲状腺機能評価が最も優先されます。高齢者のうつ症状や認知機能低下の原因検索では、まず 甲状腺機能異常、ビタミンB12欠乏症、電解質異常、薬剤性などの身体疾患を除外することが基本です。

**誤答の分析 (Distractor Analysis)**

混同注意！ 以下の各選択肢は認知症の鑑別に有用ですが、本症例では「まず最初に」治療可能な疾患を除外するという優先順位を問われているため、正解とはなりません。

② デキサメタゾン抑制試験: これは Cushing病 や うつ病 の評価に用いられますが、本症例では抑うつ症状の原因精査として、まず甲状腺機能を評価する方が優先されます。

③ 脳血流シンチグラフィ: アルツハイマー型認知症 (Alzheimer's Disease) と 前頭側頭型認知症 (Frontotemporal Dementia) などの鑑別に有用ですが、侵襲的であり、まずは非侵襲的な血液検査から行うべきです。

④ 頭部MRI: 脳血管性認知症 (Vascular Dementia) や 正常圧水頭症 (Normal Pressure Hydrocephalus) など、器質的脳疾患の除外に重要ですが、これも優先度は血液検査の後です。

⑤ 脳脊髄液中アミロイドβ測定: アルツハイマー型認知症 の診断補助として有用ですが、侵襲的（腰椎穿刺が必要）であり、治療可能な疾患の除外後、専門的な鑑別が必要な場合に考慮されます。

**関連概念の整理 (Related Concepts)**

認知症と鑑別すべき「治療可能な認知機能障害」の原因として、甲状腺機能低下症、ビタミンB12欠乏症、正常圧水頭症、慢性硬膜下血腫、薬剤性（特に抗コリン作用のある薬剤）、うつ病（仮性認知症, Pseudodementia）などが重要です。特に高齢者では、うつ症状が認知機能低下として現れることがあるため、鑑別が困難な場合があります。

概念整理: 治療可能な認知機能障害の原因と検査

| 原因 | 特徴的な所見 | 優先検査 |
| --- | --- | --- |
| 甲状腺機能低下症 | 抑うつ、意欲低下、記憶障害、体重増加、寒がり、便秘、徐脈 | TSH、Free T4 |
| ビタミンB12欠乏症 | 記憶障害、認知機能低下、末梢神経障害（しびれ）、貧血、舌炎 | 血清ビタミンB12 |
| 正常圧水頭症 | 認知機能低下、歩行障害（小刻み歩行）、尿失禁（3主徴） | 頭部MRI/CT |
| 慢性硬膜下血腫 | 認知機能低下、頭痛、意識障害（高齢者では軽微な外傷で発症） | 頭部CT |
| うつ病（仮性認知症） | 抑うつ気分、意欲低下、症状の日内変動（朝悪い）、「わからない」と訴える | うつ病評価尺度（GDSなど） |

一目で比較！: 混同注意！ うつ病による仮性認知症（Pseudodementia）と認知症の鑑別ポイント：うつ病では症状の経過が比較的急速、日内変動（午前中に症状が強い）、努力して答えようとしない、「わからない」と頻回に訴える傾向があるのに対し、認知症では緩徐進行性、症状の日内変動が少なく、答えをでっちあげる（作話）ことがある、感情は平坦または不安定などが挙げられます。

看護過程ポイント: **アセスメント**：高齢者の認知機能低下の原因を多角的にアセスメントする。特に、発症様式（急性？緩徐？）、内服薬の確認、生活状況の変化、身体症状（便秘、寒がり、体重変化など）を評価する。**計画・実施**：血液検査（TSH、Free T4、ビタミンB12、電解質）の準備と説明、必要に応じて頭部画像検査の調整。**評価**：甲状腺機能低下症と診断された場合、レボチロキシン (Levothyroxine) 補充療法の効果（認知機能、気分、身体症状の改善）を評価する。治療開始後は、甲状腺中毒症状（頻脈、不整脈、不安）に注意する。

暗記のコツ: 「認知症と見たら、まずは TSH（甲状腺）、B12（ビタミン）、くすり（薬剤）を疑え！」と覚えましょう。これらは治療可能な（Curable / Reversible）認知機能障害の代表格です。

国試頻出ポイント: 高齢者の認知機能低下・うつ症状を呈する患者の初期評価として、「治療可能な原因の除外」が何度も出題されています。特に、甲状腺機能低下症とビタミンB12欠乏症は頻出事項です。また、正常圧水頭症の3主徴（歩行障害、認知機能障害、尿失禁）も併せて覚えておきましょう。

出題パターン注意！: 本問のように、単純な知識問題から、事例問題として「認知症疑いの高齢者、どのような検査を優先するか」という形で出題されることが多いです。また、近年は「認知症の鑑別診断に用いる検査」と「治療可能な認知症の原因疾患」を組み合わせた問題も増えています。

## 臨床シナリオ

臨床実践ガイド
**臨床シナリオ (Clinical Scenario)**

あなたは認知症専門外来に勤務する看護師です。75歳の女性が、夫に伴われて来院しました。最近半年ほどで物忘れが目立ち、以前は好きだった趣味（編み物）にも興味を示さなくなりました。体重が3ヶ月で3kg減少し、夜も眠れないと訴えています。初診時のMMSEは23点でした。医師は、うつ病 (Depression) や 甲状腺機能低下症 (Hypothyroidism) の可能性も考え、鑑別診断を進める方針です。あなたは採血の準備をしながら、患者と夫にどのような説明をしますか？

**看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment)**

1. **観察とアセスメント**：まず、患者のバイタルサイン（特に徐脈がないか）、皮膚の状態（乾燥、冷感、浮腫の有無）、腱反射の減弱の有無を観察します。甲状腺機能低下症では、これらの身体所見がみられることがあります。また、内服薬（特に抗コリン作用のある薬剤やベンゾジアゼピン系薬剤）の有無を確認します。

2. **報告（SBAR）**：医師に対して、「患者は抑うつ気分、意欲低下、不眠、体重減少を認め、MMSE 23点。甲状腺機能低下症を疑い、TSH・Free T4の採血を準備します。身体所見として、脈拍が50回/分と徐脈で、皮膚が乾燥しています。」と報告します。

3. **介入と患者教育**：「おばあちゃん、今日はいくつか血液検査をしましょう。原因がわかれば、それに合った治療ができますからね。特に、甲状腺という首のところにある臓器の働きを調べる検査が大事です。」と、患者に優しく説明します。夫には、「物忘れや気分の落ち込みの原因として、甲状腺の病気やビタミン不足、薬の影響など、治療できるものが隠れていることがあります。まずは血液検査で調べましょう。」と説明します。

**患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions)**

最重要！ 甲状腺機能低下症が疑われる場合、レボチロキシン補充療法開始後は、狭心症や不整脈（特に心房細動）を誘発するリスクがあるため、高齢者では少量から開始し、心電図モニタリングが重要です。また、せん妄 (Delirium) が出現することもあるため、観察が必要です。うつ症状が強い場合は、自殺企図のリスクアセスメントも行います。

看護プロトコル: **観察項目**：バイタルサイン（特に脈拍、血圧、体温）、体重、皮膚の状態（乾燥、浮腫）、排便状況（便秘）、認知機能（MMSE）、うつ症状（GDS-15など）、睡眠状態。**報告基準（SBAR）**：Situation（患者情報）、Background（経過、検査結果）、Assessment（甲状腺機能低下症の疑い、うつ症状の評価）、Recommendation（TSH/Free T4測定、専門医へのコンサルテーション）。**記録のポイント**：検査前後の患者の状態、患者と家族への説明内容と反応、医師への報告内容と指示。

先輩看護師の一言: 「『認知症かな？』と思ったら、まずは『治療できる原因がないか？』を疑うのがプロの看護師です。特に高齢者のうつ症状は、甲状腺機能低下症や薬の副作用、悲嘆反応など様々な原因があります。血液検査や内服薬の確認をルーティン化して、治療可能な患者さんを見逃さないようにしましょう！この問題のように、国試では『最も優先すべき検査』を問われます。それは、患者さんに負担が少なく、かつ治療可能な疾患を診断できる非侵襲的な検査であることが多いです。」

## 重要概念

- **治療可能な認知症** — 適切な治療により認知機能の改善が期待できる認知症の原因疾患のこと。甲状腺機能低下症、ビタミンB12欠乏症、正常圧水頭症、慢性硬膜下血腫などが代表例。認知症の診断では、まずこれらの除外が重要である。
- **仮性認知症** — うつ病などの精神疾患によって引き起こされる認知機能障害のこと。認知症と症状が類似するが、うつ病の治療により改善する。認知機能障害の日内変動（午前中に強い）、努力を要する課題で「わからない」と訴えるなどの特徴がある。
- **甲状腺刺激ホルモン** — 下垂体前葉から分泌され、甲状腺ホルモンの分泌を促進するホルモン。甲状腺機能低下症では高値、甲状腺機能亢進症では低値となる。認知機能障害の鑑別におけるスクリーニング検査として重要。
- **老年期うつ病 (Late-life Depression)** — 高齢者に発症するうつ病。認知機能障害、身体症状（体重減少、不眠、倦怠感）を伴いやすく、認知症との鑑別が困難なことがある。治療可能な疾患であり、早期発見・早期治療が重要。
- **MMSE (Mini-Mental State Examination)** — 認知機能を評価するためのスクリーニング検査。30点満点で、23点以下は認知機能低下が疑われる。見当識、記憶、注意、計算、言語、図形模写などを評価する。経時的な評価や治療効果判定にも用いられる。

## 同じテーマの問題

- [老年期うつ病の特徴として正しいのはどれか。](https://mymerci.kr/pages/nclex_q.php?qn_id=368919)
- [老年期うつ病の治療において、薬物療法を開始する際に特に注意すべき副作用はどれか。](https://mymerci.kr/pages/nclex_q.php?qn_id=368921)
- [80歳の男性。妻を亡くしてから半年後、抑うつ気分、食欲不振、不眠が続き、体重が5kg減少した。「生きていても仕方がない」と頻繁に口にする。最も優先すべき看護介入はどれか。](https://mymerci.kr/pages/nclex_q.php?qn_id=368922)
- [老年期うつ病の診断基準において、認知症との鑑別に有用な所見はどれか。](https://mymerci.kr/pages/nclex_q.php?qn_id=368923)
- [高齢者のうつ病における非薬物療法として、エビデンスレベルが高いものはどれか。](https://mymerci.kr/pages/nclex_q.php?qn_id=368924)
- [老年期うつ病の患者に対する看護師の対応で適切なのはどれか。](https://mymerci.kr/pages/nclex_q.php?qn_id=368925)
- [高齢者のうつ病の危険因子として最も関連性が高いのはどれか。](https://mymerci.kr/pages/nclex_q.php?qn_id=368926)
- [老年期うつ病患者の退院指導において、家族に伝えるべき内容で最も適切なのはどれか。](https://mymerci.kr/pages/nclex_q.php?qn_id=368927)

---

More free questions: [過去問](https://mymerci.kr/pages/exam_bank.php?exam=jp_nurse)

_学習参考用です。実際の臨床は最新のガイドラインと所属機関のプロトコルに従ってください。_

