# 75歳男性。前立腺肥大症の既往あり。最近、尿の出が悪く、排尿後にいつまでも尿が滴る感じが続いている。腹部を触診すると、恥骨上に膨隆した膀胱を触知する。この患者に最も疑われる尿失禁のタイプはどれか。

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> url: https://mymerci.kr/pages/nclex_q.php?qn_id=368851  
> language: ja  
> subject: 高齢者に特有な症候・疾患・障害と看護

## 問題

75歳男性。前立腺肥大症の既往あり。最近、尿の出が悪く、排尿後にいつまでも尿が滴る感じが続いている。腹部を触診すると、恥骨上に膨隆した膀胱を触知する。この患者に最も疑われる尿失禁のタイプはどれか。

## 選択肢

1. 切迫性尿失禁
2. 機能性尿失禁
3. 反射性尿失禁
4. 溢流性尿失禁 **✔ 正解**
5. 腹圧性尿失禁

**正解: 4**

## 解説

溢流性尿失禁は、前立腺肥大症などによる膀胱出口部閉塞や、糖尿病性神経障害などによる排尿筋収縮力低下により、膀胱に尿が過剰に貯留し（慢性尿閉）、膀胱内圧が限界に達した時に少量の尿が漏れ出る状態である。本症例では前立腺肥大症の既往があり、排尿困難と恥骨上に膨隆した膀胱（尿閉の徴候）を認めることから、溢流性尿失禁が最も疑われる。

## 詳細解説

核心解説
この問題は、尿失禁 (Urinary Incontinence) の分類とその病態生理を理解しているかを問うています。特に、混同注意！ 前立腺肥大症 (Benign Prostatic Hyperplasia, BPH) による 慢性尿閉 (Chronic Urinary Retention) に伴う尿失禁のタイプを正しく見極めることが重要です。

**正解の根拠 (Answer Rationale)**
本症例のポイントは、「前立腺肥大症の既往」「排尿困難」「恥骨上に膨隆した膀胱（触知可能な尿閉）」の3つです。前立腺肥大症により膀胱出口部が閉塞され、尿が完全に排出できずに膀胱内に過剰に貯留します。これが慢性尿閉の状態です。膀胱内圧が上昇し限界に達すると、少量の尿が尿道口から漏れ出します。これが 溢流性尿失禁 (Overflow Incontinence) です。つまり、最重要！ 「尿閉の結果として起こる尿失禁」という病態を理解することが鍵となります。

**誤答の分析 (Distractor Analysis)**
① 混同注意！ 切迫性尿失禁 (Urge Incontinence)：膀胱が過活動（過活動膀胱）になり、急激な尿意（尿意切迫感）を我慢できずに漏れてしまう状態です。脳血管障害後などにみられ、尿閉とは逆の病態です。
② 機能性尿失禁 (Functional Incontinence)：認知症や身体障害により、トイレに行く動作が間に合わずに失禁する状態です。尿路の器質的問題ではなく、動作・認知機能の問題です。
③ 反射性尿失禁 (Reflex Incontinence)：脊髄損傷などで膀胱の神経反射が障害され、尿意を感じずに反射的に排尿してしまう状態です。
⑤ 腹圧性尿失禁 (Stress Incontinence)：咳やくしゃみ、笑うなど、腹圧がかかった瞬間に尿が漏れる状態です。骨盤底筋の弛緩が原因で、出産経験のある女性に多くみられます。

**関連概念の整理 (Related Concepts)**
- 鑑別ポイント！ 尿閉（排尿困難）が原因か、過活動膀胱（尿意切迫感）が原因か。この2つの病態を軸に、尿失禁のタイプを分類すると整理しやすいです。
- 溢流性尿失禁では、腹部の膨隆（触診で確認）に加え、超音波検査で残尿量測定（残尿量が多い：100mL以上が異常）が診断に用いられます。

概念整理
尿失禁のタイプと原因病態の関係は以下の通りです。

| タイプ | 原因病態 | 特徴 |
| --- | --- | --- |
| 溢流性 | 慢性尿閉 (BPHなど) | 尿閉→膀胱内圧上昇→少量漏出。腹部膨隆を伴う。 |
| 切迫性 | 過活動膀胱 (OAB) | 急激な尿意切迫感。我慢できない。 |
| 腹圧性 | 骨盤底筋弛緩 | 腹圧上昇時（咳・くしゃみ）に漏れる。 |
| 機能性 | 認知・身体機能低下 | トイレ動作が間に合わない。 |
| 反射性 | 神経障害（脊髄損傷） | 尿意なしに反射的に排尿。 |

一目で比較！

| 病態 | 溢流性尿失禁 | 切迫性尿失禁 |
| --- | --- | --- |
| 原因 | 慢性尿閉（排尿筋収縮力低下 or 膀胱出口部閉塞） | 過活動膀胱（排尿筋の不随意収縮） |
| 残尿 | 多い（100mL以上） | 少ない（正常範囲） |
| 尿意 | 感じにくい or 鈍い | 急激で強い切迫感 |
| 腹部所見 | 恥骨上に膨隆した膀胱を触知 | 特になし |

看護過程ポイント
- **アセスメント**：排尿パターン、残尿感、腹部触診（膀胱の膨隆）、超音波検査での残尿量測定、排尿日誌（排尿時間・量・失禁のタイミング）を詳細に確認します。
- **看護診断**：「尿失禁（溢流性）」または「排尿困難（前立腺肥大症に関連）」が優先されます。関連因子として「膀胱出口部閉塞」を特定します。
- **計画・介入**：尿道カテーテル留置（間欠導尿または持続留置）による尿閉の解除が治療の第一選択となります。皮膚トラブル（湿潤・発赤）予防のため、パッドやおむつの適切な使用と陰部ケアが重要です。
- **評価**：導尿後の尿量、腹部膨隆の改善、失禁の頻度減少を評価します。

暗記のコツ
「溢流（あふれる）」という名前そのものが病態を表しています。「水槽（膀胱）に水（尿）が溜まりすぎて、あふれ出る」イメージです。前立腺肥大症というキーワードを見たら「溢流性尿失禁」をまず思い浮かべましょう。

国試頻出ポイント
- 「尿失禁のタイプ」は毎年必出のテーマです。特に「前立腺肥大症」とセットで「溢流性尿失禁」が頻出。
- 状況設定問題では、「高齢男性の排尿困難＋腹部膨隆」という情報から溢流性尿失禁を疑い、適切な看護介入（導尿の準備など）を選ぶ問題が出題されます。
- 誤答として「切迫性尿失禁」と「腹圧性尿失禁」がよく設定されます。

出題パターン注意！
単純知識問題（「溢流性尿失禁の原因は？」）から、事例問題に発展します。「75歳男性。前立腺肥大症。夜間頻尿と残尿感あり。腹部膨隆あり。排尿後に失禁を認める。この患者への優先的な看護介入は？」→「間欠導尿の実施」や「膀胱内の残尿を確認するための超音波検査の準備」を選択させる形が典型的です。

## 臨床シナリオ

臨床実践ガイド

**臨床シナリオ (Clinical Scenario)**
あなたは一般病棟の看護師です。75歳男性、前立腺肥大症の患者さんが「最近、尿の出が悪くて、排尿したつもりでも、しばらくしてからパンツが濡れるんだよね」と訴えています。バイタルサインは安定していますが、腹部を触診すると恥骨上に明らかな膨隆があります。患者さんは「トイレに行く回数はそんなに変わらないけど、一度に出る量が減った気がする」とも話しています。膀胱超音波で残尿量を測定したところ、250mLの残尿を認めました。

**看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment)**
1. **観察**：バイタルサイン（特に発熱の有無、尿路感染のリスク評価）、排尿日誌の依頼（排尿時間・量・失禁のタイミング）、腹部触診による膀胱の膨隆度、皮膚の状態（陰部の湿潤・発赤の有無）を確認します。
2. **アセスメント**：前立腺肥大症による膀胱出口部閉塞が原因の慢性尿閉（溢流性尿失禁）と判断します。尿閉が長期化すると、膀胱機能の低下や腎後性腎不全、尿路感染症のリスクが高まります。
3. **報告（SBAR）**：
- **S（状況）**：「75歳男性、前立腺肥大症の患者さん。排尿困難と腹部膨隆があります。」
- **B（背景）**：「残尿量250mL、溢流性尿失禁の症状があります。」
- **A（アセスメント）**：「慢性尿閉による溢流性尿失禁とアセスメントしています。導尿による尿閉解除が必要と考えます。」
- **R（提案）**：「尿道カテーテル留置または間欠導尿の指示をいただけますか？」
4. **介入**：
- 最重要！ 医師の指示に基づき、尿道カテーテルを留置し、尿閉を解除します。留置後は、尿量・性状・色を観察します。
- 皮膚ケア：陰部の清潔保持、保湿剤の塗布、パッドのこまめな交換を指導します。
- 患者教育：溢流性尿失禁のメカニズムを簡潔に説明し、導尿の必要性を理解してもらいます。
5. **評価**：導尿後の膀胱の膨隆が改善したか、排尿状態（自力排尿可能か）を確認します。残尿量の推移を評価します。

**患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions)**
- 感染対策：尿道カテーテル留置に伴う尿路感染症（Catheter-Associated Urinary Tract Infection, CAUTI）を予防するため、清潔操作と閉鎖式ドレナージの維持を徹底します。
- 急変対応：無尿や腰痛、発熱、血尿が出現した場合は、急性腎後性腎不全や尿路感染症の悪化を疑い、直ちに医師に報告します。
- 注意！ 高齢者では、尿閉による膀胱の過伸展が長期間続くと、排尿筋の不可逆的な障害（低活動膀胱）を来す可能性があります。早期発見・早期介入が極めて重要です。

看護プロトコル
- **観察項目**：バイタルサイン、排尿日誌、残尿量（超音波 or 導尿）、腹部所見、皮膚状態
- **報告基準（SBAR）**：上記シナリオ参照
- **記録のポイント**：排尿パターン、失禁の頻度と量、腹部膨隆の程度、導尿の有無と導尿量、皮膚の状態
- **家族への説明**：「前立腺肥大症で尿がうまく出せず、膀胱に溜まってあふれ出ている状態です。治療として、カテーテルという細い管を入れて尿を出す必要があります。感染予防のため、清潔に保つことが大切です。」

先輩看護師の一言
「『尿失禁＝おむつが必要な高齢者』と思っていませんか？ この問題のように、失禁の原因が『尿閉』（おしっこが溜まりすぎてあふれている）というケースも少なくありません。患者さんが『排尿後に濡れる』と訴えたら、まずは『膀胱が張っていないか？ 残尿はないか？』をアセスメントする習慣をつけましょう。原因を取り除けば、症状は改善します。国試の勉強でも、単に『溢流性』と覚えるだけでなく、『なぜあふれるのか』という病態を理解することが、現場で患者さんを助ける力になります！」

## 重要概念

- **溢流性尿失禁 (Overflow Incontinence)** — 慢性尿閉により膀胱内に過剰に貯留した尿が、内圧の上昇によって少量漏れ出る状態。
- **慢性尿閉 (Chronic Urinary Retention)** — 膀胱内に尿が完全に排出されず、持続的に残存する状態。前立腺肥大症や神経因性膀胱が原因。
- **前立腺肥大症 (Benign Prostatic Hyperplasia, BPH)** — 前立腺が加齢により良性に肥大し、尿道を圧迫することで排尿障害を引き起こす疾患。
- **排尿困難 (Dysuria / Difficulty Voiding)** — 排尿時に勢いが弱い、途切れる、時間がかかる、残尿感があるなどの症状。
- **残尿 (Post-Void Residual Urine)** — 排尿後に膀胱内に残った尿量。超音波検査や導尿で測定し、100mL以上を異常とする。

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