# 90歳の男性。認知症で施設に入所中。夜間に強い掻痒のため不眠となっている。皮膚は乾燥し、下肢に多数の掻爬痕がある。掻痒に対する対応として適切なのはどれか。

> source: MyMerci (mymerci.kr)  
> url: https://mymerci.kr/pages/nclex_q.php?qn_id=368842  
> language: ja  
> subject: 高齢者に特有な症候・疾患・障害と看護

## 問題

90歳の男性。認知症で施設に入所中。夜間に強い掻痒のため不眠となっている。皮膚は乾燥し、下肢に多数の掻爬痕がある。掻痒に対する対応として適切なのはどれか。

## 選択肢

1. 室温を25度以上に設定し、発汗を促す。
2. 掻痒が強いため、ステロイド外用薬を全身に塗布する。
3. 掻爬痕があるため、創傷被覆材で覆う。
4. 爪を短く切り、掻爬による皮膚損傷を予防する。 **✔ 正解**
5. 掻痒を抑えるために、入浴を週1回に制限する。

**正解: 4**

## 解説

認知症高齢者では掻痒を言語化できないことがあり、掻爬行動が問題となる。爪を短く切ることは、掻爬による皮膚損傷や二次感染を予防するための基本的かつ有効な看護介入である。

## 詳細解説

核心解説
この問題は、高齢者の皮膚生理と認知症に伴う行動障害を踏まえた、掻痒 (Pruritus)に対する看護介入の優先順位を問うています。高齢者では皮脂腺の萎縮や角層の水分保持能低下により皮脂欠乏性湿疹 (Asteatotic Eczema)を生じやすく、認知症により掻痒感を適切に訴えられないため、掻爬行為による皮膚損傷と二次感染の予防が最優先課題となります。

**正解の根拠 (Answer Rationale)**:

最重要！ ④の「爪を短く切り、掻爬による皮膚損傷を予防する」が適切です。

認知機能が低下した高齢者では、掻痒を言葉で伝えられず、無意識に皮膚を掻きむしります。爪が長いと、皮膚を深く傷つけ、潰瘍形成や蜂窩織炎 (Cellulitis)、敗血症のリスクが高まります。爪を短く整えることは、物理的な防御策として最も基本的かつ効果的な看護介入であり、患者の安全を確保する上で必須のケアです。

**誤答の分析 (Distractor Analysis)**:

① 混同注意！ 室温を25度以上に設定し発汗を促すと、かえって皮膚の乾燥が進行し、掻痒が悪化します。高齢者の掻痒ケアでは、適切な室温（20～22度程度）と湿度（50～60%）の維持が重要です。

② 混同注意！ ステロイド外用薬は炎症部位に限局して使用するものです。全身に塗布すると、皮膚萎縮や感染症誘発、副腎皮質機能抑制などの全身性副作用 (Systemic Adverse Effects)のリスクが高く、禁忌に近い行為です。

③ 創傷被覆材は既に生じた創傷の保護には有効ですが、掻爬行為そのものを予防するものではありません。また、認知症患者が被覆材を剥がしてしまう可能性もあり、根本的な解決にはなりません。

⑤ 混同注意！ 入浴制限はかえって皮膚の清潔を損ない、角質や皮脂の蓄積により掻痒を悪化させます。高齢者の乾燥肌には、週2～3回の入浴と、浴後の速やかな保湿が推奨されます。

**関連概念の整理 (Related Concepts)**:

高齢者の皮膚は皮膚バリア機能 (Skin Barrier Function)が低下しており、保湿剤（尿素、ヘパリン類似物質など）の外用が第一選択となります。認知症患者の場合は、爪切りに加えて、掻爬時に皮膚を傷つけにくいよう、綿素材の長袖パジャマを着用させるなどの環境調整も有効です。また、掻痒の原因が肝疾患・腎不全・鉄欠乏性貧血など全身性疾患に由来する可能性も鑑別する必要があります。

概念整理: **高齢者の掻痒ケアの基本原則**

| カテゴリ | 具体策 | 根拠 |
| --- | --- | --- |
| 予防 (Primary Prevention) | 爪切り、保湿剤塗布、適切な室温・湿度 | 物理的損傷と乾燥を予防 |
| 対症療法 | 抗ヒスタミン薬内服、ステロイド外用（限局性） | 掻痒感の軽減と炎症抑制 |
| 環境調整 | 綿素材の衣類、こまめな保湿 | 刺激の軽減と皮膚バリア維持 |

一目で比較！: **高齢者の皮膚トラブルと看護介入**

| 病態 | 特徴 | 優先介入 |
| --- | --- | --- |
| 皮脂欠乏性湿疹（乾燥肌） | 乾燥・落屑・掻痒、下肢に多い | 保湿剤・入浴時のぬるま湯・爪切り |
| 湿疹・皮膚炎（炎症型） | 紅斑・湿潤・掻痒 | ステロイド外用（限局）・保湿 |
| 疥癬 (Scabies) | 夜間増強する激しい掻痒、特有の皮疹 | 抗疥癬薬外用・施設内感染対策 |

看護過程ポイント: **アセスメント**: 掻痒の部位・程度・持続時間、皮膚の状態（乾燥・発赤・亀裂・湿潤）、掻爬の有無と頻度、睡眠への影響。**看護診断**：「皮膚統合性の脅威 (Risk for Impaired Skin Integrity)」または「掻痒 (Pruritus)」。**計画・実施**：爪切り・保湿剤塗布・環境調整・掻爬時は手袋や衣類で防御。**評価**：掻爬痕の減少、睡眠の質改善、皮膚状態の改善。

暗記のコツ: 「高齢者の掻痒ケアは『切る・塗る・整える』の3原則！」と覚えましょう。「切る＝爪切り、塗る＝保湿剤、整える＝環境（室温・湿度・衣類）」です。

国試頻出ポイント: 高齢者の皮膚ケアは毎年出題される重要テーマです。特に「爪切り」「保湿」「入浴指導」の3つは必須知識。認知症患者では「行動としての掻爬」に着目し、環境調整と物理的防御を優先する視点が問われます。

出題パターン注意！: 単純な知識問題（この問題）から、事例問題へ発展します。「認知症高齢者の入所者、夜間不眠で掻爬痕が悪化。看護師の対応として適切なのは？」→「爪を短く切る＋保湿剤塗布＋医師に掻痒コントロールの指示を仰ぐ」が正解となるパターンです。薬剤の副作用（抗ヒスタミン薬の眠気）や全身疾患の可能性も併せて考える必要があります。

**関連法規・制度**: 介護保険法に基づく施設サービス（特別養護老人ホームなど）では、入所者のQOL (Quality of Life)維持のための皮膚ケアは看護師の重要な業務です。また、感染症法に基づく疥癬などの感染症発生時の報告・対応手順も併せて理解しておきましょう。

## 臨床シナリオ

臨床実践ガイド

**臨床シナリオ (Clinical Scenario)**: 90歳男性、認知症で特養入所中。夜間にベッド上で下肢を激しく掻きむしり、不眠と皮膚損傷が進行。看護師が夜間巡回時に出血した掻爬痕を発見。「痒い」という訴えはなく、興奮状態でさらに掻き続けようとしている。

**看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment)**:

1. **観察**: 皮膚の状態（乾燥・発赤・出血・湿潤の有無）、バイタルサイン、掻痒以外の苦痛の有無。

2. **アセスメント**: 認知症による掻痒の言語化困難と、夜間の感覚過敏による増悪を疑う。皮脂欠乏性湿疹の悪化と判断。

3. **報告**: SBAR形式で医師・看護師長に報告。「S（状況）：入所者A氏、夜間に下肢を掻きむしり出血あり。B（背景）：皮脂欠乏性湿疹の既往あり。A（アセスメント）：掻痒による皮膚損傷と二次感染リスク。R（提案）：保湿剤塗布と爪切り、必要時抗ヒスタミン薬の処方依頼。」

4. **介入**: ①直ちに爪を短く切り、やすりで整える。②出血部位は生理食塩水で清拭後、ワセリンで保護。③保湿剤（尿素クリームなど）を下肢全体に塗布。④綿素材の長袖パジャマに着替えさせる。⑤室温を22度、湿度を50%に調整。

5. **評価**: 30分後、掻爬行為が減少。1時間後、睡眠導入。翌朝、皮膚状態の改善を確認。

**患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions)**:

禁忌！ 掻爬痕に直接ステロイド外用薬を塗布すると、感染を悪化させる可能性がある。出血部位には消毒薬（イソジンなど）も刺激となるため、生理食塩水での清拭が基本。

最重要！ 認知症患者では、掻爬行動が疼痛や尿意・便意のサインである可能性も鑑別する。夜間の掻爬が続く場合、せん妄 (Delirium)の前駆症状でないかも評価する。

看護プロトコル: **高齢者皮膚トラブル観察項目**

- 皮膚の色調・湿度・温度・弾力性・損傷の有無と範囲

- 掻爬痕の深さ・大きさ・滲出液の性状・感染徴候（発赤・腫脹・熱感・膿）

- 掻痒の誘因・増悪因子（時間帯・入浴後・食事など）

- バイタルサイン（特に発熱の有無）

**報告基準（SBAR）**:

S (Situation): 「A氏、夜間掻爬痕から出血。現在も掻爬を続けている。」

B (Background): 「皮脂欠乏性湿疹の既往。保湿剤は未塗布。」

A (Assessment): 「皮膚損傷と二次感染リスクあり。認知症のため掻痒を訴えられない。」

R (Recommendation): 「爪切りと保湿剤塗布を実施。必要時、抗ヒスタミン薬の処方を依頼したい。」

**記録のポイント**: 掻爬の頻度・部位・皮膚状態・実施したケア・患者の反応・医師への報告内容と指示。SOAP形式で記録する。

**家族への説明**: 「おじいさまは、お肌のかゆみをうまく伝えられず、無意識に掻いてしまわれています。まずは爪を切って皮膚を傷つけないようにし、保湿剤でお肌を整えていきます。一緒に見守っていきましょう。」

先輩看護師の一言: 「高齢者の掻痒ケアで一番大事なのは『待つのではなく、先回りして予防すること』です！認知症の患者さんは『かゆい』と言えないからこそ、私たち看護師が皮膚の状態を毎日チェックし、爪を切り、保湿を欠かさず行うことが、大きな皮膚トラブルを防ぐんです。国試でも『最も基本的なケア』が正解になることが多いので、シンプルな介入を確実に覚えてくださいね！」

## 重要概念

- **皮脂欠乏性湿疹** — 高齢者の皮膚に多くみられる、皮脂分泌減少による乾燥性皮膚炎。掻痒が強く、掻爬により二次感染を生じやすい。
- **掻痒** — かゆみのこと。高齢者では皮膚乾燥、肝疾患、腎不全、薬剤など多因子で生じる。
- **皮膚バリア機能** — 角層が外界からの刺激や水分蒸発を防ぐ機能。加齢や乾燥で低下する。
- **ステロイド外用薬** — 抗炎症作用を持つが、長期・広範囲使用で皮膚萎縮や感染症リスク。限局使用が原則。
- **蜂窩織炎** — 皮膚の深部に及ぶ細菌感染症。掻爬痕からの侵入が原因となることが多い。

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