# 高齢者の夫婦のみ世帯で、妻が認知症のため夫が介護をしている。夫から「妻が私のことを泥棒だと疑って怒鳴ることが増えた。どう対応したらいいかわからない」と相談があった。看護師のアドバイスとして最も適切なのはどれか?

> source: MyMerci (mymerci.kr)  
> url: https://mymerci.kr/pages/nclex_q.php?qn_id=368694  
> language: ja  
> subject: 高齢者と家族

## 問題

高齢者の夫婦のみ世帯で、妻が認知症のため夫が介護をしている。夫から「妻が私のことを泥棒だと疑って怒鳴ることが増えた。どう対応したらいいかわからない」と相談があった。看護師のアドバイスとして最も適切なのはどれか?

## 選択肢

1. 夫が泥棒ではないことを、妻に繰り返し強く主張するよう助言する
2. 妻の妄想に合わせて、夫が泥棒のふりをして対応するよう助言する
3. 夫の精神的負担を軽減するために、妻と別居することを勧める
4. 妻の言動は病気の症状であると理解し、否定せずに気をそらすことを勧める **✔ 正解**
5. このような症状には薬が最も効果的なので、すぐに精神科受診を勧める

**正解: 4**

## 解説

認知症に伴う被害妄想（物盗られ妄想）に対しては、否定や論理的な説明はかえって症状を悪化させることがある。まずは症状を理解し、本人の気持ちを受け止めた上で、話題を変えるなどして気をそらす対応が有効である。夫の介護負担を軽減するためにも、認知症の症状への適切な対応方法を伝えることが重要である。

## 詳細解説

核心解説
この問題は、認知症（Dementia）の周辺症状（BPSD：Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia）の一つである物盗られ妄想（Delusion of Theft）に対する家族への対応指導を問うています。認知症の核心症状である記憶障害に加え、妄想や幻覚などの周辺症状は、介護者に大きな精神的負担をもたらします。この事例では、妻が夫を「泥棒」と疑う被害妄想が出現しています。最重要！認知症の妄想への対応は、否定や論理的な説得は症状を悪化させるため避け、症状を病気の一環と理解し、感情を受け止めつつ気をそらす対応が基本です。

1. **核心概念の分析 (Key Concept)**: 認知症のBPSD（特に被害妄想・物盗られ妄想）への対応。中核症状は記憶障害ですが、BPSDは環境やケア、介護者の対応に大きく影響されます。患者の不安や混乱を和らげ、安全で穏やかな環境を提供することが看護の目標です。
2. **正解の根拠 (Answer Rationale)**: 正解は④です。妄想に対しては、否定や説得は患者の不安を増強し、症状を固定化させることがあります。まず「そう感じているのですね」と共感的に受け止め（否定せず）、その後「一緒に散歩しませんか」などと気をそらす（リダイレクション）対応が最も適切です。これは患者の自尊心を保ち、混乱を最小限に抑える効果があります。
3. **誤答の分析 (Distractor Analysis)**:
① 混同注意！「泥棒ではない」と強く主張することは、患者を否定し、不安や興奮を増強させます。否定は逆効果です。
② 妄想に合わせて泥棒のふりをすることは、患者の現実認識をさらに混乱させ、症状を強化する可能性があります（迎合は非推奨）。
③ 別居は介護負担軽減の一つの選択肢ではありますが、まずは適切な対応方法を指導し、在宅での継続を検討すべきです。別居は最終手段であり、最初のアドバイスとしては適切ではありません。
⑤ 薬物療法は症状緩和に有効な場合がありますが、まずは非薬物的対応を試みるべきです。すぐに受診を促す前に、認知症の症状理解と対応方法を伝えることが優先されます。
4. **関連概念の整理 (Related Concepts)**: 認知症のBPSD対応の基本原則は「バリデーション（Validation）」（感情の受容）と「リダイレクション（Redirection）」（気そらし）です。せん妄（Delirium）との鑑別も重要で、せん妄は急性発症で日内変動が大きく、原因疾患の治療が優先されます。また、介護者の負担軽減（レスパイトケア、介護保険サービスの利用）も併せて支援する必要があります。

概念整理: 認知症のBPSD対応は「否定しない」「受け止める」「気をそらす」が3つの柱。特に物盗られ妄想では、一緒に探す（共感的態度）→ 見つけたら「ここにありましたね」と肯定 → 別の話題に誘導する、という流れが有効です。

一目で比較！:

| 対応方法 | 効果・リスク |
| --- | --- |
| 否定・説得 | 患者の不安・興奮を増強 → 症状悪化 |
| 迎合（ふりをする） | 現実認識を混乱 → 症状固定化のリスク |
| 気をそらす（リダイレクション） | 患者の気分転換、混乱を最小化 → 推奨される対応 |
| 感情の受容（バリデーション） | 患者の不安を和らげ、信頼関係を構築 → 最も基本的な対応 |

看護過程ポイント:
- **アセスメント**: BPSDの出現パターン（時間帯、きっかけ）、患者の不安の程度、介護者の疲労度と知識不足を評価。
- **看護診断**: 「非効果的対処（介護者側）」「混乱（患者側）」など。
- **計画・実施**: 介護者に認知症の症状と対応方法を教育（心理教育）。デイサービスなど介護保険サービスの利用を提案。
- **評価**: BPSDの出現頻度・強度の変化、介護者の精神的負担の軽減度を評価。

暗記のコツ: 「否定・説得は火に油」と覚えましょう！認知症の妄想は、不安や混乱の表れです。否定するのではなく、「そう感じているんだね」と一度受け止めてから、話題を変えるのがベストです。「受容 → リダイレクション」の流れをしっかりイメージしてください。

国試頻出ポイント: 認知症のBPSD対応は、看護師国家試験で非常に頻出です。事例問題で「どのような対応が適切か」を問われた場合、否定しない、共感する、気をそらす、という選択肢を選ぶのが基本です。また、薬物療法よりも非薬物的対応が優先される点も頻出の考え方です。

出題パターン注意！: 本問は家族へのアドバイスを問う問題ですが、発展形として「訪問看護師が家庭を訪問し、実際に妻が夫を泥棒と疑っている場面に遭遇した。看護師の対応として適切なのはどれか。」という状況設定問題が出題されることもあります。その場合も、看護師は患者（妻）を否定せず、気をそらす対応をとることが正解となります。

## 臨床シナリオ

臨床実践ガイド
この事例は、在宅看護や訪問看護の現場でよく遭遇するケースです。
- **臨床シナリオ (Clinical Scenario)**: 80代女性（認知症）、自宅で夫と二人暮らし。訪問看護師が訪れると、妻が「この人が私の財布を盗んだ！」と夫を激しく非難している。夫は困り果てて「違うんだ」と言い返している。あなたは訪問看護師としてどのように介入しますか？
- **看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment)**:
1. **観察**: 妻の興奮の程度、バイタルサイン、夫の表情や態度を観察。
2. **アセスメント**: BPSD（物盗られ妄想）の出現。夫の否定が症状を悪化させている可能性をアセスメント。
3. **介入**: まず妻に「それは大変ですね。どこに置いたか一緒に探しましょう」と共感的に話しかける（バリデーション）。そして「あら、テーブルの下にありましたよ」と実際に財布を見つけたふりをして（または見つけて）、気をそらす。同時に、夫には後で個別に「否定せずに気をそらす対応が効果的です」と伝える。
4. **評価**: 妻の興奮が鎮まったか、夫が対応方法を理解できたかを確認。
- **患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions)**:
・絶対に否定しない。否定は暴力行為に発展するリスクを高める。
・介護者（夫）の精神的ケアも重要。夫のうつや介護放棄を予防するため、レスパイトケア（デイサービス、ショートステイ）の情報提供を行う。
・BPSDの急激な悪化は、身体疾患（尿路感染症、脱水など）や薬剤性せん妄の可能性も考慮する。

看護プロトコル: 訪問看護記録には、BPSDの内容（発言、行動）、出現時間、持続時間、対応内容とその後の変化（興奮の程度、患者の状態）を具体的に記載。SBAR報告で医師に情報共有する際も、同様の項目を簡潔に伝える。

先輩看護師の一言: 「認知症の方の『盗まれた』は、実は『自分がどこに置いたか忘れた』という記憶障害からくる不安の裏返しなんです。だから否定せず、一緒に探してあげることで安心してもらえます。介護者の方には『お母さん（お父さん）はあなたを疑っているのではなく、不安なだけなんですよ』と伝えると、理解が深まることが多いです。国試でも、この『否定しない』という基本を忘れずに！」

## 重要概念

- **物盗られ妄想 (Delusion of Theft)** — 認知症のBPSDの一つで、「大切な物を盗まれた」と他人（特に介護者）を疑う症状。記憶障害により物を置いた場所を忘れることから生じる不安が基盤にある。
- **BPSD (Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia)** — 認知症の周辺症状。幻覚、妄想、徘徊、興奮、抑うつなど。中核症状（記憶障害など）に加えて出現し、環境やケアに大きく影響される。
- **リダイレクション** — 気をそらし法。患者の注意を別の話題や活動に向けさせる対応。妄想や興奮時の対応に有効。
- **バリデーション** — 認知症の人の感情を否定せずに受け入れ、共感するコミュニケーション技法。「そう感じているのですね」と認めることで、不安や混乱を和らげる。
- **レスパイトケア (Respite Care)** — 介護者の一時的な休息を目的としたケア。デイサービスやショートステイなど。介護負担の軽減に重要。

## 同じテーマの問題

- [高齢者の家族介護者に対する支援として、最も適切なものはどれか?](https://mymerci.kr/pages/nclex_q.php?qn_id=368691)
- [認知症高齢者の家族から「最近、夜間に何度も起きて徘徊するようになり、家族も睡眠不足で疲れてしまった」と相談を受けた。看護師の対応として最も適切なのはどれか?](https://mymerci.kr/pages/nclex_q.php?qn_id=368692)
- [要介護高齢者を在宅で介護している家族から「訪問看護師に介護技術を指導してもらったが、自分には難しくてうまくできない」と訴えがあった。看護師の対応として最も適切なのはどれか?](https://mymerci.kr/pages/nclex_q.php?qn_id=368693)
- [高齢者の家族介護者が、介護保険サービスを利用したいと考えているが、「どのようなサービスがあるのかよくわからない」と話している。看護師の対応として最も適切なのはどれか?](https://mymerci.kr/pages/nclex_q.php?qn_id=368695)
- [要介護状態の高齢者の家族から「最近、母が食事をあまり食べなくなった。無理にでも食べさせたほうがいいのか」と相談があった。看護師の対応として最も適切なのはどれか?](https://mymerci.kr/pages/nclex_q.php?qn_id=368696)
- [在宅で療養する高齢者の家族から「夜間、患者の容態が急変した時、どうすればいいか不安だ」と相談があった。看護師の対応として最も適切なのはどれか?](https://mymerci.kr/pages/nclex_q.php?qn_id=368697)
- [認知症の高齢者の家族が「父は昔の記憶は鮮明に覚えているが、ついさっきのことは忘れてしまう。会話が成り立たず辛い」と話す。この家族への看護師の言葉かけとして最も適切なのはどれか?](https://mymerci.kr/pages/nclex_q.php?qn_id=368698)
- [高齢者の家族から「母がデイサービスに行くのを嫌がる。無理に連れて行くべきか」と相談があった。看護師の対応として最も適切なのはどれか?](https://mymerci.kr/pages/nclex_q.php?qn_id=368699)

---

More free questions: [過去問](https://mymerci.kr/pages/exam_bank.php?exam=jp_nurse)

_学習参考用です。実際の臨床は最新のガイドラインと所属機関のプロトコルに従ってください。_

