# 入院中の患者が「自宅で家族と過ごしたい」と希望しているが、病状は安定していない。このような場合の看護師の役割として最も適切なものはどれか。

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> language: ja  
> subject: 看護の基本となる概念

## 問題

入院中の患者が「自宅で家族と過ごしたい」と希望しているが、病状は安定していない。このような場合の看護師の役割として最も適切なものはどれか。

## 選択肢

1. 患者の希望を叶えるために、無理に退院を調整する
2. 病状が安定していないため、退院は不可能であると伝える
3. 患者の希望を無視し、医師の指示に従うよう促す
4. 患者の希望を聞き流し、別の話題で気をそらす
5. 患者と家族、医療チームで話し合いの場を設け、リスクと利益を共有する **✔ 正解**

**正解: 5**

## 解説

患者の希望と医学的な判断が異なる場合、看護師は患者・家族・医療チーム間の調整役として、話し合いの機会を設けることが重要である。退院のリスクや在宅でのケア体制などについて情報を共有し、患者の意思決定を支援する。一方的な決定や希望の否定は避けるべきである。

## 詳細解説

核心解説
この問題は、患者の希望（退院して自宅で過ごしたい）と医学的な判断（病状不安定）が相反する状況における、看護師の倫理的調整役割 (Ethical Role as Coordinator) を問うています。最重要！ 看護師は、患者の自己決定権 (Autonomy) を尊重しつつ、患者の最善の利益 (Best Interest) を追求するため、医療チームと家族をつなぐ調整役を担います。単に医学的立場か患者の希望かの二者択一ではなく、情報共有 (Information Sharing) と 話し合い (Discussion) を通じて合意形成を図ることが求められます。

1. **核心概念の分析**: この問題は、患者中心のケア (Patient-Centered Care) と 倫理的ジレンマ (Ethical Dilemma) における看護師の役割を問うています。患者の意向と医療安全・医学的妥当性が衝突した場合、看護師は「患者の代弁者」であり「チームの調整者」として機能する必要があります。患者の希望を単に叶えることではなく、その希望を実現可能な形にしていくプロセスが重要です。
2. **正解の根拠**: ⑤番が正解です。患者・家族・医療チームで話し合いの場を設けることで、最重要！ 退院した場合のリスク（急変時の対応、在宅での医療処置の可否、家族の介護負担など）と利益（QOLの向上、精神的満足など）を全員で共有できます。これにより、患者が十分な情報を得た上で意思決定（インフォームド・コンセント (Informed Consent)）を行えるよう支援し、可能な限り患者の希望を叶えつつ安全を確保する現実的なプランをチームで立案できます。これは 多職種連携 (Interprofessional Collaboration) の基本です。
3. **誤答の分析**:
- ①番: 混同注意！ 患者の希望を最優先し安全を軽視する姿勢は、患者の生命を危険にさらす可能性があり、看護師の倫理的義務に反します (Violation of Ethical Duty)。
- ②番: 混同注意！ 一方的に「不可能」と伝えるのは、患者の自己決定権を無視したパターナリスティック（父権主義的）な対応です。
- ③番: 混同注意！ 患者の希望を無視し医師の指示に従うよう促すのは、患者の主体性を否定し、看護師の調整役としての役割を放棄しています。
- ④番: 混同注意！ 患者の希望を聞き流し気をそらすのは、患者の気持ちに寄り添わず、問題を先送りにする対応であり、看護の基本に反します。
4. **関連概念の整理**: このテーマは「退院支援 (Discharge Support)」「地域連携 (Community Coordination)」「アドボカシー (Advocacy)」にも発展します。特に、病状が不安定な患者の退院を検討する際は、訪問看護 (Home Nursing) や ケアマネジャー (Care Manager) との連携が不可欠です。

概念整理:
この問題の核心は 看護倫理 (Nursing Ethics) における **４原則** の応用です。

| 倫理原則 | 本問での適用 |
| --- | --- |
| 自律尊重 (Autonomy) | 患者の「自宅で家族と過ごしたい」という希望を尊重する |
| 善行 (Beneficence) | 患者にとって最善の選択（安全で幸せな過ごし方）を追求する |
| 無危害 (Non-maleficence) | 病状不安定な状態での退院リスク（危害）を評価し回避する |
| 正義 (Justice) | 医療資源（在宅ケアなど）を公平に提供する |

看護師はこれらをバランスさせ、話し合いの場を設けることで最適解を模索します。

看護過程ポイント:
- **アセスメント**: 患者の退院希望の背景（「なぜ家に帰りたいのか」「家族の支援体制は？」）、病状の安定度（バイタルサイン、検査値、症状の経過）、リスク（急変の可能性、在宅医療の継続性）を包括的に評価する。
- **看護診断**: 「退院準備不足 (Readiness for Enhanced Discharge Planning)」や「葛藤 (Decisional Conflict)」が該当しうる。
- **計画・実施**: 患者・家族・医師・MSW（医療ソーシャルワーカー）・訪問看護師を含めたカンファレンスを調整する。退院後のケア計画案を作成し、リスクと利益を明確に提示する。
- **評価**: 患者が十分な情報を得て納得した意思決定ができたか、チーム内で合意が形成されたかを評価する。

国試頻出ポイント:
このテーマは、「患者の権利」「倫理的問題」「退院支援」「多職種連携」の観点から、毎年必ず出題される重要分野です。特に事例問題（状況設定問題）では、「患者が退院を希望しているが、医師が許可していない」という設定で、看護師の対応として最も適切なものを選ばせる問題が頻出します。選択肢には「医師の指示に従う」「患者の希望を通す」「話し合いの場を設ける」の3択が必ず含まれます。

出題パターン注意！:
- **単純知識問題**: 「患者の自己決定権を尊重する看護師の役割は何か」（アドボカシー）
- **状況設定問題（発展形）**: 「在宅酸素療法中のCOPD患者が『家に帰りたい』と希望。酸素流量の調整が難しく、SpO2が90%を切ることも。医師は退院不可と判断。看護師の対応は？」→ 正解は「患者・家族・医師・訪問看護師でカンファレンスを設定する」

## 臨床シナリオ

臨床実践ガイド
- **臨床シナリオ**: 60代男性、慢性心不全 (Chronic Heart Failure) で入院中。利尿薬と強心薬の投与で症状は改善傾向だが、NYHA分類Ⅲ度 (New York Heart Association Class Ⅲ) で軽度の労作でも息切れあり。主治医は「自宅での安全な生活は難しい」と退院に消極的。患者は「妻と二人で暮らす家に帰りたい。最期は家で迎えたい」と強く希望。この状況で、看護師は患者の思いを聞きつつ、どのようにチームを動かすべきでしょうか？
- **看護介入と判断戦略**:
1. **観察・アセスメント**: 患者の退院希望の真意を傾聴（「家で何をしたいのか」「どんな不安があるのか」）。同時に、自宅でのADL（階段の昇降、入浴、トイレ動作）の自己評価を確認。妻の介護負担や在宅医療への理解度も評価する。
2. **報告 (SBAR)**: 「医師、MSW、病棟看護師長へ。A氏が退院を強く希望されています。NYHAⅢ度で、SpO2は室内気で94-96%と安定していますが、階段の昇降で息切れが出現します。患者の意向と医学的リスクについて、一度チームで話し合いませんか？」と提案する。
3. **介入**: 最重要！ 患者・妻・主治医・MSW・病棟看護師を集めたカンファレンスを開催。退院後のプラン（訪問看護の導入、配食サービス、緊急時の連絡体制、症状悪化時の再入院基準）を具体的に提示する。リスク（急変時の対応の遅れ）を正直に伝え、その上で「どの程度のリスクなら許容できるか」を皆で話し合う。
- **患者安全・注意事項**:
- 絶対に避けるべき対応: 患者の希望を無視して退院を禁止する、またはリスク説明なしで「好きにしてください」と退院させること。
- 標準ケア: 退院後も医療の継続性を保つため、地域の訪問看護ステーションと事前に情報共有し、24時間連絡体制を整える。
- 高齢者の場合、退院後に転倒や服薬アドヒアランス低下のリスクが高いため、環境調整（手すりの設置、服薬カレンダーの準備）も計画に含める。

看護プロトコル:
- **観察項目**: バイタルサイン、SpO2、体重、浮腫の有無、ADL評価（特に移動動作）、患者の表情・訴え、家族の介護負担感。
- **報告基準（SBAR）**: Situation（退院希望あり）、Background（病状と治療経過）、Assessment（リスクと患者の意向のギャップ）、Recommendation（カンファレンスの提案）。
- **記録のポイント**: 患者の希望内容、話し合いの経過、決定事項、退院後のケア計画、患者・家族の同意内容を客観的に記載する。
- **家族への説明**: 「お父様の気持ちはよくわかりました。しかし、まだ体調が安定していないため、いきなり退院するのは危険です。一度、医師や私たち看護師と一緒に、退院後の生活を具体的に考えてみませんか？」と、共感的かつ現実的な提案を行う。

先輩看護師の一言:
「患者さんが『家に帰りたい』と言った時、看護師は『どうすれば帰れるのか』を真剣に考え、チームを動かす調整力が問われます！国試では『正解は話し合い』ですが、現場ではその『話し合い』を実際にセッティングし、ファシリテートするのが私たちの仕事です。患者さんの希望を『不可能』と決めつけず、リスクを共有しながら『どうしたら可能か』を考える視点を持ちましょう。これこそが、患者中心の看護の神髄です！」

## 重要概念

- **アドボカシー** — 患者の権利や意思を代弁し、擁護すること。特に、患者が自身の希望を医療者に伝えられない場合や、医療者と意見が対立した場合に、看護師が患者の立場に立って支援する役割。
- **インフォームド・コンセント** — 患者が治療やケアの内容、リスク、利益、代替手段について十分な説明を受け、それを理解した上で自由意思に基づいて同意すること。
- **多職種連携** — 医師、看護師、薬剤師、理学療法士、医療ソーシャルワーカーなど、様々な職種がそれぞれの専門性を活かして協働し、患者に包括的なケアを提供すること。
- **退院支援** — 患者が安全に自宅や次の療養先へ移行できるよう、入院中から多職種で計画的に支援すること。住環境の調整、介護サービスの導入、患者・家族の教育などが含まれる。
- **倫理的ジレンマ** — 複数の倫理原則（自律尊重 vs 善行など）が対立し、どちらを優先すべきか判断に苦しむ状況。看護師は倫理原則に基づき、チームで検討する必要がある。

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More free questions: [過去問](https://mymerci.kr/pages/exam_bank.php?exam=jp_nurse)

_学習参考用です。実際の臨床は最新のガイドラインと所属機関のプロトコルに従ってください。_

