# 完全房室ブロックの心電図所見として正しいものはどれか?

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> language: ja  
> subject: 循環機能の障害

## 問題

完全房室ブロックの心電図所見として正しいものはどれか?

## 選択肢

1. P波とQRS波が全く関連せず、それぞれ規則的に出現する **✔ 正解**
2. PR間隔の延長が認められる
3. 洞調律でP波が徐々に小さくなり消失する
4. QRS波が脱落し、その前のP波のPR間隔が延長する
5. P波の後にQRS波が2つ連続して出現する

**正解: 1**

## 解説

完全房室ブロック (第3度房室ブロック) では、心房と心室の興奮が完全に解離する。P波は洞調律で規則的に出現し、QRS波は補充調律 (心室補充調律または房室接合部調律) で規則的に出現するが、両者に時間的な関連性は認められない。

## 詳細解説

核心解説
この問題は、完全房室ブロック（第3度房室ブロック, Third-Degree AV Block / Complete AV Block）の心電図（Electrocardiogram, ECG）所見を問うています。房室ブロックの重症度を段階的に理解することが鍵となります。

1. **核心概念の分析 (Key Concept)**:
完全房室ブロックは、心房から心室への刺激伝導が完全に途絶した状態です。心房は洞結節（Sinoatrial Node, SA Node）の指令で規則正しく収縮（P波）しますが、その興奮は心室に伝わりません。そのため、心室は補充調律（Escape Rhythm）という自身のペースメーカー（房室接合部または心室筋）で、ゆっくりと規則的に収縮（QRS波）します。この結果、P波とQRS波は全く無関係に、それぞれ独自の規則的なリズムで出現するため、これを房室解離（Atrioventricular Dissociation）と呼びます。

2. **正解の根拠 (Answer Rationale)**:
正解は「① P波とQRS波が全く関連せず、それぞれ規則的に出現する」です。
完全房室ブロックでは、心房興奮（P波）は心室興奮（QRS波）に全く影響を与えません。心房は洞調律（通常60～100回/分）で、心室は補充調律（房室接合部調律なら40～60回/分、心室補充調律なら20～40回/分）で、それぞれ規則正しく拍動します。この「P波とQRS波に時間的関連性がない」という所見が診断の決め手となります。

3. **誤答の分析 (Distractor Analysis)**:
- ②番「PR間隔の延長が認められる」：これは混同注意！ 第1度房室ブロック（First-Degree AV Block）の特徴です。PR間隔は0.20秒以上に延長しますが、すべてのP波は心室に伝導されQRS波が出現します。完全房室ブロックではPR間隔は測定不能（解離しているため）となります。
- ③番「洞調律でP波が徐々に小さくなり消失する」：これは混同注意！ 洞不全症候群（Sick Sinus Syndrome）のうち、特に洞房ブロック（Sinoatrial Block）や発作性上室性頻拍（Paroxysmal Supraventricular Tachycardia, PSVT）におけるP波の変化（Wenckebach現象）を示唆する所見であり、完全房室ブロックとは無関係です。
- ④番「QRS波が脱落し、その前のP波のPR間隔が延長する」：これは混同注意！ 第2度房室ブロック（Second-Degree AV Block）のうち、特にWenckebach型（Mobitz I型）の特徴です。PR間隔が漸増し、最終的にQRS波が1つ脱落します。完全房室ブロックでは、QRS波の「脱落」ではなく、P波とQRS波が完全に独立して出現します。
- ⑤番「P波の後にQRS波が2つ連続して出現する」：これは稀な現象であり、通常の房室ブロックでは見られません。房室回帰性頻拍（AV Reentrant Tachycardia, AVRT）や房室結節回帰性頻拍（AV Nodal Reentrant Tachycardia, AVNRT）などの上室性頻拍で見られる可能性がありますが、完全房室ブロックの定義とは全く異なります。

4. **関連概念の整理 (Related Concepts)**:
- 最重要！ 房室ブロックの重症度分類は、第1度（PR延長）→ 第2度（Wenckebach型/Mobitz I型とMobitz II型）→ 第3度（完全房室ブロック）へと進行します。Mobitz II型は突然のQRS波脱落が特徴で、完全房室ブロックに移行しやすい危険な不整脈です。
- 完全房室ブロックでは、心室補充調律が出現しないと心静止（Asystole）に至るため、緊急の一時的ペーシング（Temporary Pacing）や恒久的ペーシング（Permanent Pacing）の適応となります。

概念整理: **完全房室ブロック（Complete AV Block）** = 心房（P波）と心室（QRS波）の興奮が完全に解離（房室解離, AV Dissociation）。心房は洞調律で規則正しく、心室は補充調律（房室接合部調律 or 心室補充調律）でゆっくり規則正しく拍動する。両者に時間的関連性がない。

一目で比較！: **房室ブロックの重症度比較**

| 分類 | 心電図所見 | 臨床的意義 |
| --- | --- | --- |
| 第1度 AVブロック | PR間隔延長 (>0.20秒) 、すべてのP波が心室に伝導 | 通常は良性、経過観察 |
| 第2度 AVブロック (Mobitz I型/Wenckebach型) | PR間隔漸増 → QRS波脱落 | 多くは一過性、経過観察 |
| 第2度 AVブロック (Mobitz II型) | PR間隔一定 → 突然のQRS波脱落 | 危険！完全房室ブロックへ移行しやすい |
| 第3度 AVブロック（完全房室ブロック） | P波とQRS波が完全に独立（房室解離） | 緊急！ペーシング適応 |

看護過程ポイント: **アセスメント**：心電図モニターでP波とQRS波の関連性を必ず観察。バイタルサイン（特に徐脈、血圧低下）と自覚症状（めまい、失神、易疲労感、呼吸困難）の有無を確認。**看護診断**：心拍出量減少（Decreased Cardiac Output）、活動耐受力低下（Activity Intolerance）、転倒リスク状態（Risk for Falls）。**介入**：安静確保、酸素投与（指示に応じて）、ペーシング準備（経皮的ペーシングパッド貼付など）、医師への迅速な報告（SBAR）。

暗記のコツ: 「**完全に別々**」と覚えましょう！心房と心室のリズムが完全に別々に動いているイメージです。「P波はP波だけで規則正しく、QRS波はQRS波だけで規則正しい。お互い無関心。」これが完全房室ブロックです。

国試頻出ポイント: 心電図波形を図示した問題や、他の房室ブロック（第1度、第2度）との鑑別問題が頻出。「P波とQRS波が全く関係ない」というキーワードが完全房室ブロックの決め手です。事例問題では「意識消失発作（Adams-Stokes症候群）を起こした患者の心電図は？」という形で出題されることも多いです。

出題パターン注意！: 「心電図モニターを装着中の患者が突然意識を失った。モニター画面に表示されている波形は？」という状況設定問題では、まず徐脈（心室補充調律）を確認し、完全房室ブロックを疑う視点が求められます。

## 臨床シナリオ

臨床実践ガイド
- **臨床シナリオ (Clinical Scenario)**: 80代女性、洞不全症候群（Sick Sinus Syndrome）の既往あり。夜勤帯にナースコールで「目の前が暗くなって、めまいがした」と訴え。バイタルサインは血圧 82/50 mmHg、脈拍 38回/分、SpO2 94%（室内気）。心電図モニターを確認すると、P波は規則正しく（約80回/分）出現しているが、QRS波は幅広く（0.12秒以上）、規則的に（約38回/分）出現しており、P波とQRS波の間に時間的関連性は全く見られない。
- **看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment)**:
1. 最重要！ **観察とアセスメント**：上記所見から完全房室ブロック（Complete AV Block）と判断。心室補充調律（Ventricular Escape Rhythm）が出現しているが、心拍数が38回/分と低く、脳血流低下によるAdams-Stokes症候群（失神発作）のリスクが高い。
2. **報告（SBAR）**：S（状況）：「完全房室ブロックの心電図所見を認めます。患者はめまいを訴え、血圧低下あり。」B（背景）：「洞不全症候群の既往あり。」A（アセスメント）：「心拍出量低下による脳虚血が疑われます。緊急のペーシングが必要と判断します。」R（推奨）：「至急、心臓内科医にコンサルトをお願いします。経皮的ペーシングの準備を開始します。」
3. **緊急介入**：直ちにベッド上安静、酸素投与（2~3L/分、マスクまたはカニューレ）。医師の指示に基づき、経皮的ペーシング（Transcutaneous Pacing）パッドを装着し、ペーシングを開始。または、アトロピン（Atropine Sulfate）やイソプロテレノール（Isoproterenol）の静脈内投与が指示される場合もある（ただし、完全房室ブロックでは効果は限定的）。
4. **評価**：ペーシング開始後、血圧が上昇（100/60 mmHg以上）、脈拍が安定（60回/分以上）、めまい症状が消失したことを確認。恒久的ペーシング（Pacemaker Implantation）の適応評価へと移行。
- **患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions)**:
- 転倒予防：めまい・失神発作による転倒リスクが極めて高い。ベッド柵を上げ、ナースコールを手元に置く。
- 心静止リスク：補充調律が消失すると心静止（Asystole）に至る。蘇生装置（AED/デフィブリレーター、救急カート）の準備。
- 経皮的ペーシング中は、患者の胸壁の疼痛・熱傷に注意し、鎮痛薬の準備も考慮する。

看護プロトコル: **観察項目**：心電図モニター波形（P波とQRS波の関係、QRS幅、心拍数）、バイタルサイン（血圧、脈拍、呼吸、SpO2、意識レベル）、自覚症状（めまい、失神、胸痛、呼吸困難）。**報告基準（SBAR）**：上記参照。**記録**：心電図波形の描写（またはリズムストリップ貼付）、症状出現時刻、バイタルサイン、介入内容と患者の反応、医師への報告内容と指示。

先輩看護師の一言: 「完全房室ブロックは、心臓のポンプ機能が突然停止する『心静止』の一歩手前の状態です！モニターを見て『あれ？P波だけ速いな、QRS波が遅いな、これ解離してる！』と直感的に気づけるように、正常洞調律のイメージをしっかり頭に焼き付けておきましょう。特に夜勤帯の高齢者に多いので、『何かおかしい』という感覚を大切に。すぐに先生を呼び、ペーシングの準備ができる看護師になりましょう！」

## 重要概念

- **完全房室ブロック** — 心房から心室への刺激伝導が完全に途絶した状態。心房興奮（P波）と心室興奮（QRS波）が全く無関係に出現する（房室解離）。
- **房室解離** — 心房と心室の興奮が互いに独立して発生している状態。完全房室ブロックで典型的に見られる。
- **補充調律** — 上位のペースメーカーからの刺激が伝わらない場合に、下位のペースメーカー（房室接合部や心室）が自動能を発揮して発生させる調律。
- **第1度房室ブロック** — PR間隔が0.20秒以上に延長するが、すべてのP波が心室に伝導される状態。
- **第2度房室ブロック** — P波の一部が心室に伝導されず、QRS波が脱落する状態。Mobitz I型（Wenckebach型）とMobitz II型に分類される。

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