# 60歳の男性が、糖尿病と高血圧の治療中である。突然、左上下肢の脱力と構音障害が出現し、数時間で完全に回復した。頭部MRIでは新鮮な梗塞巣を認めなかった。この患者の状態として最も考えられるのはどれか。

> source: MyMerci (mymerci.kr)  
> url: https://mymerci.kr/pages/nclex_q.php?qn_id=364190  
> language: ja  
> subject: 神経機能の障害

## 問題

60歳の男性が、糖尿病と高血圧の治療中である。突然、左上下肢の脱力と構音障害が出現し、数時間で完全に回復した。頭部MRIでは新鮮な梗塞巣を認めなかった。この患者の状態として最も考えられるのはどれか。

## 選択肢

1. 一過性脳虚血発作（TIA） **✔ 正解**
2. ラクナ梗塞
3. 脳出血
4. 心原性脳塞栓症
5. アテローム血栓性脳梗塞

**正解: 1**

## 解説

一過性脳虚血発作（TIA）は、脳虚血症状が24時間以内（通常1時間以内）に完全に回復し、画像上新鮮梗塞を認めないものをいう。本例は症状が数時間で回復し、MRIで梗塞巣がないためTIAと診断する。TIAは脳梗塞の前駆症状であり、早期の原因精査と治療が必要である。

## 詳細解説

核心解説
この問題は、一過性脳虚血発作 (Transient Ischemic Attack, TIA) と 混同注意！ 他の脳血管障害（脳梗塞、脳出血）との鑑別を問うています。ポイントは「症状が可逆的で完全に回復したこと」と「画像上、新鮮な梗塞巣を認めなかったこと」の2点です。

1. **核心概念の分析 (Key Concept)**: TIAは、脳の一部への血流が一時的に減少することで神経症状（片麻痺、構音障害、失語など）が出現しますが、血管の閉塞が解除され、血流が再開するため症状は24時間以内に完全に消失します。この間に脳組織は壊死に至らず、CTやMRIで新たな梗塞巣は確認されません。この可逆性が、脳梗塞（不可逆的な組織壊死）との最大の違いです。
2. **正解の根拠 (Answer Rationale)**: 問題文では「数時間で完全に回復」「MRIで新鮮な梗塞巣を認めない」とあります。これはTIAの定義に完全に合致します。TIAは「脳梗塞の警告発作」とも呼ばれ、発症後90日以内に約10〜15%が脳梗塞に移行するため、最重要！ 早期の原因精査（頸動脈エコー、心電図、血液検査など）と治療開始が極めて重要です。
3. **誤答の分析 (Distractor Analysis)**:
- ②番：ラクナ梗塞 (Lacunar Infarction) は、脳の深部穿通枝領域に生じる小さな梗塞です。症状が軽度で回復することもありますが、MRIで梗塞巣が確認されるため、本ケースには該当しません。
- ③番：脳出血 (Cerebral Hemorrhage) は、症状が急速に進行し、画像上出血巣が確認されます。本例の「数時間で完全に回復」「MRIで梗塞巣なし」には合致しません。
- ④番：心原性脳塞栓症 (Cardioembolic Stroke) は、心房細動など心臓由来の血栓が脳血管を閉塞し、広範囲かつ重篤な梗塞を引き起こします。症状の完全回復は稀で、MRIで梗塞巣が認められます。
- ⑤番：アテローム血栓性脳梗塞 (Atherothrombotic Infarction) は、頸動脈など太い血管の粥状硬化が原因で、症状が変動しやすい特徴がありますが、MRIで梗塞巣が確認されるため、本例には該当しません。
4. **関連概念の整理 (Related Concepts)**: TIAと脳梗塞（特にアテローム血栓性脳梗塞）は、どちらも動脈硬化を基盤とします。両者の最大の鑑別点は「症状の完全可逆性」と「画像上の新鮮梗塞の有無」です。また、TIAは「脳梗塞の前段階」として捉え、一次予防（抗血小板薬、抗凝固薬、血圧管理）が重要です。

概念整理: 一過性脳虚血発作 (TIA)は、症状が24時間以内に完全回復し、画像上新鮮梗塞を認めない可逆的な脳虚血状態です。一方、脳梗塞は症状が持続し、画像上梗塞巣を認める不可逆的な状態です。

一目で比較！:

| 項目 | TIA | 脳梗塞 |
| --- | --- | --- |
| 症状の経過 | 24時間以内に完全回復 | 持続・固定化 |
| 画像所見 | 新鮮梗塞巣なし | 新鮮梗塞巣あり |
| 病態 | 可逆的虚血 | 不可逆的壊死 |
| 治療目標 | 脳梗塞発症予防 | 再発予防・機能回復 |

看護過程ポイント:
- **アセスメント**: 症状の完全消失を確認した後も、発症原因（心房細動、頸動脈狭窄、高血圧など）の特定が優先されます。バイタルサイン、心電図、頸動脈エコーの結果を注意深く観察します。
- **看護診断**: 「脳組織灌流低下のリスク」が優先されます。
- **計画・実施**: 安静の必要性と、再発予防のための服薬アドヒアランス向上、生活習慣改善への患者教育が重要です。
- **評価**: 症状の再発がないか、神経症状の経過を観察します。

暗記のコツ: TIAは「Time Is Brain（時間は脳）」の概念で覚えましょう。症状が一過性だからと軽視せず、脳梗塞の前兆（警告発作）として捉えることが重要です。MRIで「梗塞巣がない＝TIA」とイメージすると覚えやすいです。

国試頻出ポイント: TIAと脳梗塞の鑑別、特に「症状の可逆性」と「画像所見の有無」は頻出です。また、TIA発症後の急性期治療（抗血小板薬・抗凝固薬の開始時期、頸動脈内膜剥離術の適応）も問われやすいです。

出題パターン注意！: 「症状が数時間で消失したため患者が受診をためらっている事例」や、「TIAと診断された患者への退院指導（服薬、症状出現時の対応）」など、状況設定問題に発展することが多いテーマです。

## 臨床シナリオ

臨床実践ガイド
- **臨床シナリオ (Clinical Scenario)**: 60代男性、糖尿病・高血圧で内服治療中。昼食後、突然、呂律が回らなくなり、右腕が動かせなくなった。家族が救急要請。救急隊到着時には症状は改善し始め、病院到着時には完全に消失していた。意識清明、バイタルサイン安定。頭部MRIで異常なし。患者は「もう大丈夫」と帰宅を希望している。
- **看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment)**:
1.  **観察**: 神経症状の再発がないか、バイタルサイン（特に血圧、心拍数）を継続的に観察します。心電図モニターで心房細動の有無を確認します。
2.  **アセスメント**: 症状が完全に消失し、画像上異常がないことから、TIAと診断されます。しかし、最重要！ これは「脳梗塞の前兆」であり、原因精査が必須です。患者の「もう大丈夫」という認識は危険です。
3.  **報告・介入**: SBARで医師に報告し、検査（頸動脈エコー、心エコー、血液検査）のオーダーを確認します。患者と家族に、TIAの意味と今後のリスクを丁寧に説明し、退院せずに検査を受けるよう説得します。
4.  **評価**: 症状の再発がないか、患者がリスクを理解し、検査や治療に同意できたかを評価します。
- **患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions)**: 症状消失＝治癒ではないことを強調。転倒・転落予防のため、症状再発時の対応を具体的に指導します（すぐに座る、家族に連絡、救急要請）。抗血小板薬や抗凝固薬開始後は、出血のリスクについても指導します。

看護プロトコル: 観察項目（バイタルサイン、NIHSSスコア、症状再発の有無）、報告基準（新たな神経症状出現、血圧の急激な変動）、記録のポイント（症状出現・消失時刻、症状の内容、検査結果）、患者指導（服薬継続、症状出現時の行動計画、生活習慣改善）。

先輩看護師の一言: 「TIAの患者さんを『症状がないから大丈夫』と帰してはいけません！これは『もうすぐ大きな脳梗塞が起きるかもしれない』という体からのSOSサインなんです。患者さんの安全を守るために、症状が消えても油断せず、しっかりと精査と指導を行いましょう。」

## 重要概念

- **一過性脳虚血発作** — 脳虚血症状が24時間以内に完全に回復し、画像上新しい梗塞巣を認めない状態。脳梗塞の警告発作。
- **ラクナ梗塞** — 脳の深部穿通枝領域に生じる小梗塞。高血圧が主原因。
- **心原性脳塞栓症** — 心臓内（主に左心房）で形成された血栓が脳血管を閉塞する梗塞。心房細動が最大のリスク因子。
- **アテローム血栓性脳梗塞** — 頸動脈や脳主幹動脈の粥状硬化部位に血栓が形成され、血管を閉塞する梗塞。
- **脳出血** — 脳実質内の血管が破綻し、出血する病態。高血圧が最大のリスク因子。

## 同じテーマの問題

- [65歳の男性が、突然の激しい頭痛と嘔吐を主訴に救急外来を受診した。意識レベルはJCS II-20で、項部硬直を認める。この患者に最も疑われる疾患はどれか。](https://mymerci.kr/pages/nclex_q.php?qn_id=364184)
- [80歳の女性が、数週間前から進行する歩行障害と認知機能低下を主訴に来院した。頭部CTで脳室が対称性に拡大しており、脳萎縮は軽度である。この患者に最も疑われる疾患はどれか。](https://mymerci.kr/pages/nclex_q.php?qn_id=364185)
- [30歳の女性が、数日前からの頭痛と発熱、意識障害のため救急搬送された。髄液検査で外観が混濁し、細胞数が著増（好中球優位）、糖が低値、蛋白が高値を示した。この患者に最も疑われる疾患は…](https://mymerci.kr/pages/nclex_q.php?qn_id=364186)
- [70歳の男性が、右半身の脱力と失語を主訴に発症3時間で来院した。頭部CTで早期虚血変化を認めず、発症時刻が明確である。この患者に対する治療として最も適切なのはどれか。](https://mymerci.kr/pages/nclex_q.php?qn_id=364187)
- [55歳の男性が、数ヶ月前から左手の振戦と動作緩慢を自覚している。安静時振戦、筋固縮、仮面様顔貌を認める。この患者の症状に対する薬物療法の第一選択として最も適切なのはどれか。](https://mymerci.kr/pages/nclex_q.php?qn_id=364188)
- [40歳の女性が、数週間前から両側の手足のしびれと脱力が進行し、歩行困難となった。深部腱反射が亢進し、病的反射（バビンスキー反射）を認める。また、胸部以下の痛覚と温度覚が低下している…](https://mymerci.kr/pages/nclex_q.php?qn_id=364189)
- [75歳の男性が、転倒後に頭部を受傷した。3週間後から徐々に頭痛と意欲低下が出現し、歩行も不安定になった。頭部CTで大脳半球凸面に三日月状の低吸収域を認める。この患者に最も疑われる疾…](https://mymerci.kr/pages/nclex_q.php?qn_id=364191)
- [20歳の女性が、数日前からの発熱と頭痛、全身の強い倦怠感を主訴に来院した。意識は清明で項部硬直はない。髄液検査で細胞数増加（リンパ球優位）、糖正常、蛋白軽度上昇を認めた。この患者に…](https://mymerci.kr/pages/nclex_q.php?qn_id=364192)

---

More free questions: [過去問](https://mymerci.kr/pages/exam_bank.php?exam=jp_nurse)

_学習参考用です。実際の臨床は最新のガイドラインと所属機関のプロトコルに従ってください。_

