# 40歳の女性が、数週間前から両側の手足のしびれと脱力が進行し、歩行困難となった。深部腱反射が亢進し、病的反射（バビンスキー反射）を認める。また、胸部以下の痛覚と温度覚が低下している。この患者の病変部位として最も考えられるのはどれか。

> source: MyMerci (mymerci.kr)  
> url: https://mymerci.kr/pages/nclex_q.php?qn_id=364189  
> language: ja  
> subject: 神経機能の障害

## 問題

40歳の女性が、数週間前から両側の手足のしびれと脱力が進行し、歩行困難となった。深部腱反射が亢進し、病的反射（バビンスキー反射）を認める。また、胸部以下の痛覚と温度覚が低下している。この患者の病変部位として最も考えられるのはどれか。

## 選択肢

1. 脊髄 **✔ 正解**
2. 末梢神経
3. 大脳皮質運動野
4. 内包
5. 神経筋接合部

**正解: 1**

## 解説

両側性の運動障害（上位運動ニューロン徴候：腱反射亢進、バビンスキー反射陽性）と、胸部以下の感覚障害（解離性感覚障害：痛覚・温度覚低下）は、脊髄の横断性病変（脊髄炎や圧迫性病変など）を示唆する。大脳皮質や内包の病変は片麻痺が主体。末梢神経障害は深部腱反射低下、神経筋接合部疾患は易疲労性が特徴である。

## 詳細解説

核心解説
この問題は、脊髄 (Spinal Cord) の横断性病変を疑う神経学的所見の分析を問うています。両側性の運動障害と感覚障害が特定の高さ（この症例では胸部以下）で生じていること、さらに 上位運動ニューロン徴候 (Upper Motor Neuron Signs) と 解離性感覚障害 (Dissociated Sensory Loss) が同時に出現するという組み合わせが、脊髄の横断性病変に特徴的です。病変の局在を解剖学的に考える「神経局在診断」の基礎を理解することが鍵となります。

1. **核心概念の分析 (Key Concept)**: この問題の核心は「神経症状から病変部位を特定する」ことです。両側性の症状、運動系は 最重要！ 上位運動ニューロン (UMN) の徴候（痙性麻痺、深部腱反射亢進、病的反射陽性）、感覚系は 解離性感覚障害（後索を走る触覚・振動覚・位置覚は保たれ、脊髄視床路を走る痛覚・温度覚が障害される）というパターンを把握することが最も重要です。

2. **正解の根拠 (Answer Rationale)**: 選択肢①の脊髄 (Spinal Cord) が正解です。症状は「胸部以下の痛覚・温度覚低下」と「両側下肢の上位運動ニューロン徴候」であり、これは脊髄の胸髄レベルの横断性病変（例：急性脊髄炎 (Acute Myelitis)、脊髄腫瘍 (Spinal Cord Tumor)、脊髄損傷 (Spinal Cord Injury)）を示します。脊髄では、運動を伝える 皮質脊髄路 (Corticospinal Tract)、痛覚・温度覚を伝える 脊髄視床路 (Spinothalamic Tract)、触覚・深部感覚を伝える 後索 (Posterior Column) がそれぞれ異なる場所を通っています。胸髄レベルの病変では、皮質脊髄路と脊髄視床路が障害され、後索は比較的保たれるため、解離性感覚障害が出現します。

3. **誤答の分析 (Distractor Analysis)**:
- ② 末梢神経 (Peripheral Nerve): 混同注意！ 末梢神経障害では 下位運動ニューロン (Lower Motor Neuron) 徴候（弛緩性麻痺、筋萎縮、腱反射低下・消失）が出現し、感覚障害は glove-and-stocking（手袋・靴下状）分布を示します。本例の腱反射亢進や病的反射陽性は典型的な上位運動ニューロン徴候であり、末梢神経障害では説明できません。
- ③ 大脳皮質運動野 (Motor Cortex): ここは 一次運動野 であり、片側性の障害では 対側の片麻痺 (Contralateral Hemiplegia) が生じます。本例のように両側性の症状は大脳皮質の一側性病変では起こりません（両側性の病変なら痙性四肢麻痺などになりますが、本例は下肢優位）。
- ④ 内包 (Internal Capsule): 内包も皮質脊髄路が通る部位で、障害されると 対側の完全片麻痺 (Contralateral Complete Hemiplegia) が生じます。本例の両側性の症状は説明できません。
- ⑤ 神経筋接合部 (Neuromuscular Junction): 混同注意！ 代表的な疾患は 重症筋無力症 (Myasthenia Gravis) で、特徴は 易疲労性 (Fatigability) と 日内変動 (Diurnal Fluctuation) です。深部腱反射は正常～低下し、感覚障害は伴いません。本例の腱反射亢進や感覚障害は説明できません。

4. **関連概念の整理 (Related Concepts)**: 脊髄の横断性病変と 脊髄半切症候群 (Brown-Séquard Syndrome) を鑑別しましょう。半切症候群では、病変側の運動麻痺（皮質脊髄路）と深部感覚障害（後索）、対側の痛覚・温度覚障害（脊髄視床路）という非対称な症状が出現します。一方、本例は両側性の症状であり、横断性病変が考えられます。

概念整理: 神経系の局在診断において、「腱反射亢進＋病的反射陽性＝上位運動ニューロン徴候」、「腱反射低下＋病的反射陰性＝下位運動ニューロン徴候」は基本的なルールです。また、「痛覚・温度覚低下（脊髄視床路障害）」と「触覚・振動覚・位置覚正常（後索温存）」の解離性感覚障害が脊髄病変を示唆する重要な手がかりとなります。

一目で比較！:

| 病変部位 | 運動障害 | 感覚障害 | 腱反射 |
| --- | --- | --- | --- |
| 上位運動ニューロン (UMN) （大脳皮質・内包・脊髄） | 痙性麻痺（上位） | 多様（皮質・脊髄レベルによる） | 亢進 |
| 下位運動ニューロン (LMN) （脊髄前角・末梢神経） | 弛緩性麻痺 | 多様（末梢神経の場合は glove-and-stocking） | 低下・消失 |
| 神経筋接合部 | 易疲労性 | なし | 正常～低下 |

看護過程ポイント: この患者さんを看護する場合、アセスメント (Assessment) では、麻痺の進行度（筋力評価：MMT (Manual Muscle Testing)）、感覚障害の範囲（痛覚・触覚・温覚の詳細な評価）、膀胱直腸障害（尿閉・便失禁の有無）、呼吸状態（高位頸髄障害の有無） を重点的に観察します。看護診断としては「身体可動性障害 (Impaired Physical Mobility)」、「感覚知覚変調 (Disturbed Sensory Perception)」、「転倒リスク状態 (Risk for Falls)」などが考えられます。

暗記のコツ: 「UMN（上のニューロン）＝緊張が強すぎる（亢進）」、「LMN（下のニューロン）＝緊張が弱い（低下）」と覚えましょう。また、感覚障害のパターンは「脊髄＝横断性（高さで区切れる）」、「末梢神経＝手袋・靴下状（遠位部から）」、「脳卒中＝片側（半身）」とイメージすると記憶に残りやすいです。

国試頻出ポイント: 脊髄病変の局在診断は、看護師国家試験でも頻出テーマです。特に「腱反射亢進・病的反射陽性＝上位運動ニューロン」、「解離性感覚障害＝脊髄病変」のセットは確実に押さえましょう。また、脊髄炎、脊髄腫瘍、脊髄損傷などの鑑別疾患の特徴（発症様式、進行速度、画像所見）も併せて学習すると良いです。

出題パターン注意！: この問題は「症状からの病変部位の推定」という基本パターンですが、国試ではさらに発展して「脊髄横断性病変の患者さん（事例）に対する優先的な看護介入」を問われることもあります。例えば、「呼吸障害の有無の確認」、「皮膚の観察と褥瘡予防」、「膀胱留置カテーテルの管理」、「心理的サポート」など、看護過程全体を問う問題に繋げて学習しましょう。

## 臨床シナリオ

臨床実践ガイド
この患者さん（40歳女性）を病棟で受け持つ場面を想定しましょう。

- **臨床シナリオ (Clinical Scenario)**: 数週間前から両下肢のしびれと脱力が進行し、歩行が困難になって受診。緊急MRIで胸髄レベルの脊髄炎が疑われ、入院となりました。あなたは夜勤帯でこの患者さんの受け持ち看護師です。日勤帯からの情報では、患者さんは「足が思うように動かせない」と不安を訴えており、トイレ歩行には見守りが必要な状態です。夜間、患者さんがナースコールを押し、「トイレに行きたいけど、自分では歩けそうにない」と話しました。

- **看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment)**:
1. 最重要！ **観察 (Observation)**: まず、急変のサインを見逃さないために、バイタルサイン (Vital Signs)（特に呼吸数、SpO2、血圧）と 意識レベル を確認します。高位頸髄の障害が進行していないか、呼吸困難の有無を評価します。
2. **アセスメント (Assessment)**: 患者さんの訴えから、麻痺の進行と転倒リスクの高さをアセスメントします。「麻痺の進行による転倒リスク状態」という看護診断を立て、転倒・転落防止策 を最優先に計画します。
3. **報告 (Report) - SBAR形式**: **S** (Situation: 状況): 「夜勤帯、トイレに行きたいと訴え、自力歩行困難。」 **B** (Background: 背景): 「脊髄炎疑いで入院中、両下肢の筋力低下あり。」 **A** (Assessment: アセスメント): 「麻痺の進行による転倒リスクが高いと判断。また、急変の可能性も否定できません。」 **R** (Recommendation: 提案): 「医師に報告し、ポータブルトイレの使用許可を得たい。また、麻痺の進行がないか神経学的評価を依頼したい。」
4. **介入 (Intervention)**: 医師の指示に基づき、ポータブルトイレをベッドサイドに設置 し、全介助でトイレ動作を実施 します。歩行は禁止とし、ベッド柵を上げ、ナースコールを手の届く位置に置き ます。
5. **評価 (Evaluation)**: トイレ動作中の転倒はなかったか、患者さんの不安は軽減されたか、麻痺の進行はないかを再評価します。バイタルサインと神経学的所見（MMT、感覚レベル）の経時的変化を記録します。

- **患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions)**:
- 最重要！ **転倒・転落予防**: 麻痺による歩行障害は転倒リスクを著しく高めます。必ず歩行補助具の使用や介助を徹底し、ベッド周囲の環境を整えます。
- **皮膚の観察と褥瘡予防**: 運動麻痺により長時間同一姿勢を強いられるため、褥瘡 (Pressure Ulcer) の発生リスクが高いです。定期的な体位変換と皮膚の観察（特に仙骨部、踵部）を計画に組み込みます。
- **深部静脈血栓症 (DVT) 予防**: 下肢の麻痺は 深部静脈血栓症 (Deep Vein Thrombosis) のリスクを高めます。弾性ストッキングの着用や 間欠的空気圧迫法 (IPC) の実施、可能な範囲での他動的関節可動域運動（ROM運動）を実施します。
- **心理的サポート**: 突然の歩行困難は患者さんに大きな不安と恐怖を与えます。患者さんの「なぜ？」「このまま歩けなくなるの？」という問いに対して、正確な情報提供と共感的な態度で接します。

看護プロトコル:
- **観察項目**: バイタルサイン、意識レベル、MMT（筋力）、感覚レベル（痛覚・触覚の範囲）、膀胱・直腸障害の有無、呼吸状態、皮膚の状態、精神状態（不安・抑うつ）。
- **報告基準（SBAR）**: 麻痺の進行、感覚レベルの上昇、呼吸状態の悪化、バイタルサインの異常は Critical Sign として直ちに医師へ報告。
- **記録のポイント**: 症状の経時的変化（特に麻痺レベルと感覚レベル）を具体的に記録。使用した看護介入とその効果、患者さんの反応を記録する。

先輩看護師の一言:
「国試のこの問題、最初は『脊髄？』と迷ったかもしれませんが、症状を一つずつ紐解いていけば答えが見えてきますよね。腱反射亢進と病的反射陽性で『これは上位運動ニューロンだな』、痛覚・温度覚が低下してて『脊髄視床路の障害だな』、両側性で『脊髄の横断性病変だ』と。現場では、このような神経学的所見をきちんとアセスメントし、患者さんの安全を守る行動に繋げることが看護師の役目です。『なぜこの症状がこの部位の障害で起こるのか』を常に解剖生理に戻って考える習慣をつけてください。患者さんの『いつもと違う』を見逃さない、それが良い看護師への第一歩です！」

## 重要概念

- **上位運動ニューロン (Upper Motor Neuron; UMN)** — 大脳皮質運動野から脊髄前角細胞に至るまでの運動経路。障害されると痙性麻痺、腱反射亢進、病的反射陽性（バビンスキー反射など）を呈する。
- **解離性感覚障害 (Dissociated Sensory Loss)** — 痛覚・温度覚（脊髄視床路）が障害される一方、触覚・振動覚・位置覚（後索）が保たれる状態。脊髄の前部（脊髄空洞症）や後部の病変で生じる。
- **脊髄視床路 (Spinothalamic Tract)** — 脊髄の前索および側索を上行し、痛覚、温度覚、粗大な触覚を伝える感覚伝導路。脊髄の横断性病変で障害されやすい。
- **横断性脊髄炎 (Transverse Myelitis)** — 脊髄の灰白質と白質を含む横断性の炎症性疾患。両側性の運動麻痺、感覚障害、膀胱直腸障害を特徴とする。
- **バビンスキー反射 (Babinski Reflex)** — 足底の外側を踵から足指の方向にこすると、母趾が背屈し、他の足指が扇状に開く病的反射。上位運動ニューロン障害を示す。

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