# 下肢の静脈血が心臓に還流する際に、重力に逆らって血液を押し上げる主な機構はどれか。

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> language: ja  
> subject: 循環系

## 問題

下肢の静脈血が心臓に還流する際に、重力に逆らって血液を押し上げる主な機構はどれか。

## 選択肢

1. 胸腔内の陰圧による吸引
2. 静脈弁と骨格筋ポンプ作用 **✔ 正解**
3. リンパ管の蠕動運動による補助
4. 静脈壁の平滑筋の自律的収縮
5. 動脈の拍動による圧迫

**正解: 2**

## 解説

下肢静脈還流の主要な機構は、骨格筋の収縮が静脈を圧迫し、静脈弁が血液の逆流を防ぐことで一方向に血液を押し上げる「骨格筋ポンプ作用」と「静脈弁」の協調による。胸腔内陰圧も還流を補助するが、下肢からの還流には骨格筋ポンプが最も重要である。

## 詳細解説

核心解説
この問題は、下肢静脈還流 (Lower Extremity Venous Return) のメカニズムを問うています。心臓は胸部に位置するため、下肢の静脈血は重力に逆らって心臓へ戻らなければなりません。この過程で最も重要な原動力は、骨格筋ポンプ作用 (Skeletal Muscle Pump) と静脈弁 (Venous Valves) の協調運動です。骨格筋が収縮すると周囲の静脈が圧迫されて血液が押し上げられ、静脈弁が逆流を防ぐことで一方向への流れが確保されます。

**正解の根拠 (Answer Rationale)**

最重要！ 下肢の静脈還流の主な推進力は、「骨格筋ポンプ」と「静脈弁」です。歩行やふくらはぎの筋肉（下腿三頭筋）の収縮が静脈を圧迫し、静脈弁が血液が逆流するのを防ぎながら、血液を心臓方向へと押し上げます。この仕組みがなければ、長時間の立位や座位で血液が下肢に停滞し、浮腫や深部静脈血栓症 (DVT) のリスクが高まります。

**誤答の分析 (Distractor Analysis)**

混同注意！ ①番「胸腔内の陰圧による吸引」は、呼吸による胸腔内圧の変化が上大静脈・下大静脈の血流を補助する「呼吸ポンプ」の一部ですが、下肢からの還流における主な機構ではありません。③番「リンパ管の蠕動運動による補助」はリンパ液の還流に関与しますが、静脈血の還流には直接関与しません。④番「静脈壁の平滑筋の自律的収縮」は静脈の緊張を調節しますが、能動的に血液を押し上げる主な力にはなりません。⑤番「動脈の拍動による圧迫」はわずかに隣接する静脈に影響を与えることがありますが、下肢静脈還流の主要な機構ではありません。

**関連概念の整理 (Related Concepts)**

下肢静脈還流には、この「骨格筋ポンプ」に加えて、「呼吸ポンプ（胸腔内陰圧）」と「静脈壁の緊張」の3つが関与します。しかし、下肢から心臓への長距離の還流では、特に「骨格筋ポンプ」が圧倒的に重要です。このメカニズムが破綻すると、慢性静脈不全 (Chronic Venous Insufficiency) や 深部静脈血栓症 (Deep Vein Thrombosis) を引き起こしやすくなります。

概念整理

| 機構 | 内容 | 下肢還流への寄与 |
| --- | --- | --- |
| 骨格筋ポンプ | 筋収縮が静脈を圧迫 | 主役（歩行・運動で活性化） |
| 静脈弁 | 血液の逆流を防止 | 必須（一方向流を担保） |
| 呼吸ポンプ | 胸腔内陰圧による吸引 | 補助（特に上半身に有効） |
| 静脈壁緊張 | 平滑筋の収縮で血管径調節 | 補助（血液貯留量の調整） |

一目で比較！

混同注意！ 動脈は心臓のポンプ作用で血液を末梢に送り出しますが、静脈（特に下肢）は心臓の力だけでは戻せません。動脈系の「心臓ポンプ」に対し、静脈系の「骨格筋ポンプ + 静脈弁」が対をなす重要な概念です。

看護過程ポイント

**アセスメント**: 患者の下肢浮腫、疼痛、皮膚の色調・温度変化を観察。長時間の臥床・座位や手術後は骨格筋ポンプが働かず、DVTリスクが上昇します。

**看護診断**: 「末梢組織灌流低下」や「活動不耐容」に関連するリスク状態をアセスメント。

**計画・介入**: フットポンプ運動（足首の背屈・底屈運動）、弾性ストッキングの着用、早期離床の促進 が有効です。

**評価**: 下肢周径の減少、疼痛の軽減、静脈怒張の改善を確認。

暗記のコツ

「足の筋肉を動かすと、静脈の血液が心臓に戻りやすくなる」とイメージしましょう。歩行時、ふくらはぎが収縮するたびに血液が「ぎゅっ」と押し上げられ、静脈弁が「パタパタ」と閉じて逆流を防ぐ様子を思い浮かべてください。

国試頻出ポイント

この知識は、深部静脈血栓症 (DVT) の予防（フットポンプ運動、弾性ストッキング、早期離床）や、慢性静脈不全 の病態理解に直結します。また、術後患者や長時間のフライト（エコノミークラス症候群）におけるリスク評価でも頻出です。

出題パターン注意！

単純な知識問題（「下肢静脈還流の主な機構は？」）だけでなく、状況設定問題（「術後2日目の患者に下肢の痛みと腫脹が出現。予防的介入として最も適切なのは？」）としても出題されます。

## 臨床シナリオ

臨床実践ガイド
**臨床シナリオ (Clinical Scenario)**

80代女性、左大腿骨頸部骨折で手術後、ベッド上安静中。術後3日目、左ふくらはぎの圧痛と軽度の腫脹を訴え、足関節の背屈時に痛みが増強（Homan's徴候陽性）。看護師として、この患者の静脈還流の状態をどのようにアセスメントし、介入すべきでしょうか？

**看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment)**

最重要！ まず、深部静脈血栓症 (DVT) の可能性を疑い、バイタルサインと呼吸状態（突然の呼吸困難、胸痛の有無）を確認します（肺塞栓症のリスク評価）。医師へSBARで報告し、DVTが疑われる場合は患部のマッサージは禁忌 です（血栓遊離のリスク）。エコー検査やD-ダイマー測定の準備をし、指示があれば抗凝固療法を開始します。同時に、健側の下肢でのフットポンプ運動の指導 と、医師の許可が出た範囲での弾性ストッキングの装着を検討します。

**患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions)**

- DVT疑い時は絶対にマッサージ禁止！ 血栓が遊離し、肺塞栓症 (PE) を引き起こす危険があります。
- 術後や長期臥床患者では、予防的に弾性ストッキングや間欠的空気圧迫装置 (IPC) を使用することが標準的ケアです。
- 急変時に備え、酸素、吸引、救急カートの準備を確認しておきます。

看護プロトコル

- **観察項目**: 両下肢の周径（膝蓋骨下縁から10cmなど一定部位）、皮膚の色調・温度、圧痛、Homan's徴候、呼吸状態（SpO2、呼吸数）、胸痛の有無。
- **報告基準 (SBAR)**:

**S**: 「患者様、左ふくらはぎの腫脹と圧痛を訴えています。」

**B**: 「大腿骨頸部骨折術後3日目で、安静中です。」

**A**: 「左下肢周径が右より2cm増大し、Homan's徴候陽性。DVTを疑います。呼吸状態は安定しています。」

**R**: 「エコー検査とD-ダイマーのオーダーをお願いします。また、マッサージは避けるようスタッフに伝えます。」
- **記録のポイント**: 発見時刻、症状の詳細、報告内容と指示、実施したケアと患者の反応を客観的に記載。

先輩看護師の一言

「下肢静脈還流のメカニズムを理解すると、『なぜ術後患者に足首を動かすように指導するのか』『なぜ弾性ストッキングを履かせるのか』が明確にわかります。国試でも、予防策の根拠を問う問題がよく出ます。単語を暗記するだけでなく、『血液が心臓に戻る仕組み』をイメージして覚えてくださいね！」

## 重要概念

- **骨格筋ポンプ (Skeletal Muscle Pump)** — 骨格筋の収縮が静脈を圧迫し、血液を心臓方向へ押し上げる機構。下肢静脈還流の主要な原動力。
- **静脈弁 (Venous Valves)** — 静脈内に存在する半月状の弁。血液の逆流を防止し、一方向への流れを維持する。
- **深部静脈血栓症 (Deep Vein Thrombosis, DVT)** — 下肢などの深部静脈に血栓が形成される病態。骨格筋ポンプの低下や血液うっ滞がリスク因子。
- **呼吸ポンプ (Respiratory Pump)** — 吸気時の胸腔内陰圧により、大静脈の血液を心臓へ吸引する機構。静脈還流の補助的役割。
- **慢性静脈不全 (Chronic Venous Insufficiency, CVI)** — 静脈弁の機能不全などにより、下肢静脈の血液うっ滞が持続する病態。浮腫、色素沈着、潰瘍などを引き起こす。

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