# Aさんは発熱、咳嗽、粘稠痰、呼吸困難を認めたため受診し、肺炎を伴う慢性閉塞性肺疾患〈COPD〉の急性増悪と診断されて入院した。入院後、薬物療法によって病状は改善し退院が決定した。看護師がAさんに退院後の生活について尋ねると、今回の入院をきっかけにAさんは退職し、家事に専念すると答えた。Aさんの呼吸機能に対する負荷が最も小さい動作はどれか。

> source: MyMerci (mymerci.kr)  
> url: https://mymerci.kr/pages/nclex_q.php?qn_id=360129  
> language: ja  
> subject: 一般・状況設定問題

## 問題

Aさんは発熱、咳嗽、粘稠痰、呼吸困難を認めたため受診し、肺炎を伴う慢性閉塞性肺疾患〈COPD〉の急性増悪と診断されて入院した。入院後、薬物療法によって病状は改善し退院が決定した。看護師がAさんに退院後の生活について尋ねると、今回の入院をきっかけにAさんは退職し、家事に専念すると答えた。Aさんの呼吸機能に対する負荷が最も小さい動作はどれか。

Aさん(57歳、男性)は、妻(50歳)と2人で暮らしている。21歳から喫煙習慣があり、5年前に風邪で受診した際に肺気腫と診断された。最近は坂道や階段を昇ると息切れを自覚するようになってきた。

## 選択肢

1. 食べる直前に調理する。
2. 部屋全体に掃除機をかける。
3. 頭より高い位置に洗濯物を干す。
4. 買い物した荷物をカートで運ぶ。 **✔ 正解**

**正解: 4**

## 解説

COPDの患者は上肢を挙上する動作や、長時間の立ち仕事などによって呼吸補助筋が使えなくなり、呼吸負荷が増大します。荷物をカートで運ぶ動作は、カートに体重を預けることで呼吸補助筋が使いやすくなり、負荷が最も小さくなります。

## 詳細解説

核心解説
この問題は、慢性閉塞性肺疾患 (Chronic Obstructive Pulmonary Disease, COPD) 患者の退院後の生活動作における呼吸負荷（呼吸筋への負担）を評価するものです。COPDでは、肺の過膨張により横隔膜が平低化し、換気効率が低下しています。この状態では、呼吸補助筋（胸鎖乳突筋、斜角筋、肋間筋など） が安静時でも活動し、呼吸仕事量が増大しています。日常生活動作 (Activities of Daily Living, ADL) の中で、特に上肢の挙上や体幹の固定を必要とする動作は、呼吸補助筋を呼吸以外の目的に使用させるため、呼吸負荷が著しく増大します。逆に、呼吸補助筋を自由に使える姿勢や動作は、負荷が小さくなります。

**正解の根拠 (Answer Rationale)**:
正解は **④ 買い物した荷物をカートで運ぶ** です。
最重要！ カートを使用して荷物を運ぶ動作では、患者さんはカートに体重を預け、上肢を固定せずに体幹を支えることができます。この姿勢は、呼吸補助筋が呼吸運動に専念できる ため、呼吸負荷が最も小さくなります。カートは歩行の補助具としても機能し、活動のエネルギー消費を抑える効果もあります。

**誤答の分析 (Distractor Analysis)**:
混同注意！
① **食べる直前に調理する**: 調理動作は、立位で両上肢を使い、鍋やフライパンの重量を支えるため、呼吸補助筋が固定されやすく、呼吸負荷が大きくなります。特に「食べる直前」に慌てて調理すると、動作が速くなり、さらに負荷が増大します。
② **部屋全体に掃除機をかける**: 掃除機を押したり引いたりする動作は、体幹と上肢の筋力を要し、呼吸補助筋が体幹の安定化に使われるため、呼吸負荷が大きくなります。部屋全体を連続して行うことは、持久力も要求されます。
③ **頭より高い位置に洗濯物を干す**: 特に注意！ 上肢を頭上に挙上する動作は、胸郭の拡張を制限し、呼吸補助筋を上肢の固定に使用するため、呼吸負荷が最も大きい動作の一つです。COPD患者のADL指導では「頭上への動作は避ける」ことが基本です。

**関連概念の整理 (Related Concepts)**:
COPD患者のADL指導では、省エネルギー法 (Energy Conservation Techniques) が重要です。動作のペース配分（ゆっくり行う、休憩を挟む）、座位での作業の推奨、上肢挙上の回避、滑りの良い素材の衣服の選択などが含まれます。また、パルスオキシメータ (Pulse Oximeter) を用いた動作時の酸素飽和度 (SpO2) モニタリングも指導に活用されます。

概念整理: COPD患者の呼吸負荷は、呼吸補助筋の使用可否 と 胸郭の拡張制限 の2点で評価します。上肢挙上、体幹の固定、前かがみ姿勢は負荷を増大。カートの使用、座位、壁や机への体重預けは負荷を軽減します。

一目で比較！:

| 動作 | 呼吸負荷 | 理由 |
| --- | --- | --- |
| カートで荷物運搬 | 低い（正解） | 上肢自由、体重を預けられる |
| 調理（立位） | 高い | 上肢固定、体幹安定化 |
| 掃除機かけ | 高い | 体幹・上肢筋力使用 |
| 頭上に物を干す | 最も高い | 胸郭拡張制限、呼吸補助筋固定 |

看護過程ポイント:
- **アセスメント (Assessment)**: 動作時の呼吸数、SpO2低下の有無、Borg scale（呼吸困難感スケール）の評価、使用している呼吸補助筋の観察。
- **看護診断 (Nursing Diagnosis)**: 「非効果的気道クリアランス」「活動耐性低下」「セルフケア不足（入浴、更衣、調理）」などが優先されます。
- **計画・実施 (Plan & Intervention)**: 退院指導では、省エネルギー法を具体的な動作で指導。家族（今回は妻）への教育も重要です。

暗記のコツ: 「COPDのADLで負荷が大きい＝腕を上げる（頭上動作）・息を止めて力を入れる（掃除機、重い物を持つ）。負荷が小さい＝腕を下ろして何かに寄りかかれる（カート、机）。」とイメージしましょう。

国試頻出ポイント: COPD患者のADL指導は頻出事項です。特に「省エネルギー法」「呼吸補助筋」「酸素療法中の活動」との組み合わせで出題されます。事例問題で、具体的な動作の優先順位を問う形式が典型です。

出題パターン注意！: 単なる知識問題として「頭上の動作は負荷が大きい」を覚えるだけでなく、「Aさんは退職した。家事に専念する。」という情報から、退院後のADLを具体的にイメージし、看護師がどのように指導すべきかを問う、応用力が試される問題です。

## 臨床シナリオ

臨床実践ガイド
**臨床シナリオ (Clinical Scenario)**:
あなたは呼吸器内科病棟の看護師です。COPDの急性増悪で入院していた57歳のAさんが、明日退院予定です。Aさんは「退職したから、これからは家事を頑張ろうと思う。でも、ちょっと動くと息切れがして不安だ。」と話します。Aさんの妻も「主人に無理をさせたくないけど、何に気をつければ良いか分からない」と不安を訴えています。あなたは、Aさんの日常生活動作（調理、掃除、洗濯、買い物）を具体的にイメージしながら、退院指導の計画を立てる必要があります。

**看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment)**:
1. **観察・アセスメント (Observation & Assessment)**: Aさんの動作を実際に見て評価します。例えば、病棟内の階段を昇る動作や、洗面所での動作を観察し、呼吸数、SpO2、呼吸補助筋の使用、Borg scale を記録します。
2. **具体的な指導 (Specific Guidance)**:
- 最重要！ 「買い物には必ずキャスター付きのカートを使ってください。カートに体重を預けると、呼吸が楽になります。」
- 「調理は座って行えるように、キッチンに背の高い椅子を置きましょう。フライパンなど重いものは、両手で支えず、レンジやテーブルに置いたまま混ぜるようにしてください。」
- 「掃除は部屋全体を一度にせず、今日はリビング、明日は寝室、と分けて行い、こまめに休憩を入れてください。コードレスの軽い掃除機がおすすめです。」
- 「洗濯物干しは、高すぎる場所は避け、腰の高さに物干し竿を調節するか、室内干し用のラックを使用してください。」
3. **患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions)**: SpO2が90%未満に低下する動作は即座に中止し、酸素吸入が必要かを判断 します。また、転倒予防 の観点から、動作中にふらつきがないか、カートが安定しているかを確認します。

看護プロトコル:
- **観察項目**: 動作前後の呼吸数、SpO2、心拍数、呼吸困難感（Borg scale 0-10）。
- **報告基準（SBAR）**: S（状況）「Aさんが洗濯物を干した後、SpO2が88%に低下しました」、B（背景）「COPD患者で、退院指導中のADL評価です」、A（アセスメント）「頭上動作による呼吸負荷増大が原因と考えます」、R（提案）「酸素療法の指示確認と、動作の修正指導が必要です」。
- **記録のポイント**: 指導内容、患者・家族の反応、動作時のSpO2変動を具体的に記録します。

先輩看護師の一言:
「COPDの患者さんは、『動きたいけど動けない』というジレンマを抱えています。『できないこと』を禁止するだけではなく、『どうすれば安全に楽にできるか』を一緒に考え、具体的な道具（カート、椅子、軽量掃除機）を提案してあげてください。Aさんが退職して家事に専念すると決めたことは、生活習慣改善の大きなチャンスです！この機会を逃さず、しっかりとエンパワメントしてあげましょう。」

## 重要概念

- **Chronic Obstructive Pulmonary Disease** — 慢性閉塞性肺疾患。気流閉塞が進行性で、肺の過膨張により横隔膜が平低化し、呼吸補助筋に依存した呼吸パターンとなる。
- **Respiratory Accessory Muscles** — 呼吸補助筋（胸鎖乳突筋、斜角筋、肋間筋など）。COPDでは安静時にも活動し、ADL動作で呼吸以外に使われると呼吸負荷が急増する。
- **Energy Conservation Techniques** — 省エネルギー法。動作のペース配分、休憩、座位での作業、道具の活用などでエネルギー消費と呼吸負荷を軽減するADL指導の基本。
- **Borg Scale** — ボルグスケール。主観的呼吸困難感を0～10で評価するスケール。動作時の負荷評価に用いられる。
- **Activities of Daily Living** — 日常生活動作。COPD患者では、ADL指導がQOL維持と増悪予防に直結するため、看護師の重要な役割である。

## 同じテーマの問題

- [インシデントレポートについて適切なのはどれか。2つ選べ。](https://mymerci.kr/pages/nclex_q.php?qn_id=358151)
- [ドパミン受容体が遮断されることで出現する症状はどれか。2つ選べ。](https://mymerci.kr/pages/nclex_q.php?qn_id=358153)
- [入院3日、Aさんの生体腎移植手術は予定通り終了した。Aさんの手術直後に観察すべき項目で優先度が高いのはどれか。](https://mymerci.kr/pages/nclex_q.php?qn_id=358154)
- [Aさんは術前からタクロリムスなど複数の免疫抑制薬を服用している。Aさんは「移植したら免疫抑制薬を飲む必要があることは分かっているのですが、退院後は何に気を付ければよいですか」と看護…](https://mymerci.kr/pages/nclex_q.php?qn_id=358155)
- [Aさんはステロイドパルス療法の後、副腎皮質ステロイド薬の内服治療が開始された。入院3週ころから満月様顔貌がみられたため、外見の変化に気持ちが落ち込むようになった。Aさんへの対応で適…](https://mymerci.kr/pages/nclex_q.php?qn_id=358156)
- [Aさんは外来で副腎皮質ステロイド薬の内服治療を継続することになった。Aさんは「病気を悪化させないために退院後はどのような生活がよいでしょうか」と看護師に質問した。Aさんへの退院指導…](https://mymerci.kr/pages/nclex_q.php?qn_id=358157)
- [複数の筋腹が腱で直列につながっている筋はどれか。](https://mymerci.kr/pages/nclex_q.php?qn_id=359340)
- [ウイルス性肝炎の起炎ウイルスでDNAウイルスはどれか。](https://mymerci.kr/pages/nclex_q.php?qn_id=359341)

---

More free questions: [過去問](https://mymerci.kr/pages/exam_bank.php?exam=jp_nurse)

_学習参考用です。実際の臨床は最新のガイドラインと所属機関のプロトコルに従ってください。_

