# Aさん(25歳、女性)は統合失調症と診断され、入院2か月が経過した。食事や水分の摂取、トイレ歩行は1人でできる。歯磨き、入浴への関心はあまりない。幻聴が聞こえると突然走り出し、壁に頭をぶつけている。日中はホールで過ごし、自分から他の患者と交流はしない。Aさんのセルフケアのアセスメントで優先度が高いのはどれか。

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> url: https://mymerci.kr/pages/nclex_q.php?qn_id=359998  
> language: ja  
> subject: 一般・状況設定問題

## 問題

Aさん(25歳、女性)は統合失調症と診断され、入院2か月が経過した。食事や水分の摂取、トイレ歩行は1人でできる。歯磨き、入浴への関心はあまりない。幻聴が聞こえると突然走り出し、壁に頭をぶつけている。日中はホールで過ごし、自分から他の患者と交流はしない。Aさんのセルフケアのアセスメントで優先度が高いのはどれか。

## 選択肢

1. 排泄
2. 個人衛生
3. 安全を保つ能力 **✔ 正解**
4. 活動と休息のバランス
5. 孤独と付き合いのバランス

**正解: 3**

## 解説

Aさんは「幻聴に影響されて突然走り出し、壁に頭をぶつける」という自傷行為や事故につながる危険な行動をとっています。生命と身体の安全に直結するため、オレムのセルフケア要件において「安全を保つ能力」へのアセスメントと介入が最も優先されます。

## 詳細解説

核心解説
この問題は、統合失調症 (Schizophrenia) 患者のセルフケア (Self-Care) アセスメントにおける優先順位を問うています。看護理論家 オレム (Orem) のセルフケア不足理論 (Self-Care Deficit Theory) における「全体的セルフケア要件 (Universal Self-Care Requisites)」を基盤に、**生命・安全の確保**が最優先されるべきことを理解することが鍵です。

1. ****核心概念の分析****: オレムは全体的セルフケア要件として、(1)空気・水・食物の十分な摂取、(2)排泄ケア、(3)活動と休息のバランス、(4)孤独と社会的交流のバランス、(5)危険の回避（安全の保持）、(6)正常であることの促進の6つを挙げています。これらのうち、最重要！ 生命の維持と安全の確保 に直接関わる要件が最優先されます。Aさんは「幻聴に影響され、突然走り出し壁に頭をぶつける」という自傷行為・事故リスクの高い行動 を示しており、これは「危険の回避（安全の保持）」要件の重大な障害です。

2. ****正解の根拠****: 正解は③番「安全を保つ能力」です。Aさんの行動は、幻聴 (Auditory Hallucination) という陽性症状 (Positive Symptom) による命令的・脅迫的内容の影響で、衝動行為 (Impulsive Behavior) を制御できず、生命の危険に直結する自傷行為 に至っています。セルフケアの階層性において、安全の確保は生命維持と同様に最優先事項であり、他の要件（排泄、個人衛生、休息、交流）よりも優先度が高くなります。

3. ****誤答の分析****:
- ①番「排泄」：Aさんはトイレ歩行を自立して行えており、現時点で切迫した問題ではありません。
- ②番「個人衛生」：歯磨きや入浴への関心が低いことは無為・自閉 (Apathy/Withdrawal) という陰性症状 (Negative Symptom) ですが、生命の危険と比較すれば優先度は低いです。
- ④番「活動と休息のバランス」：日中ホールで過ごせており、活動性の著しい低下は見られるものの、安全上のリスクは低いです。
- ⑤番「孤独と付き合いのバランス」：交流は乏しいですが、こちらも混同注意！ 陰性症状による社会機能低下であり、自傷という**急性リスク** の前では後回しになります。

4. ****関連概念の整理****: オレムのセルフケア理論では、全体的セルフケア要件 の優先順位は **①生命維持（空気・水・食物）→ ②安全の保持 → ③正常性の促進（排泄・休息・交流等）** の順とされています。本問では「食物・水分は自立摂取可能」であり、次に優先されるべき「安全の保持」が障害されているため、③が正解となります。

概念整理: オレム (Orem) の全体的セルフケア要件（6項目）と優先順位

| 優先順位 | 要件 | Aさんの状態 |
| --- | --- | --- |
| 最優先 | 空気・水・食物の十分な摂取 | 食事・水分は自立摂取 → 問題なし |
| 次に優先 | 危険の回避（安全の保持） | 幻聴による自傷行為あり → 最優先課題 |
| その他 | 排泄、活動と休息、孤独と交流、正常性の促進 | 排泄は自立、個人衛生・交流は低下（優先度低） |

一目で比較！: 混同注意！ マズロー (Maslow) の欲求階層説では「生理的欲求（食事・排泄）→ 安全の欲求」の順ですが、オレムのセルフケア理論では「生命維持（空気・水・食物）」の次に「安全の保持」が来る点は共通しています。両理論とも「生命の安全」は「社会的交流」や「セルフケア行動の自立」よりも常に優先されます。

看護過程ポイント: **アセスメント**：幻聴の内容（命令的内容か）、頻度、衝動行為の引き金を評価。**看護診断**：「暴力リスク状態：自傷行為 (Risk for Self-Directed Violence)」 が優先。**介入**：安全な環境調整（衝動行為時のクッション設置、見守りの強化）、服薬アドヒアランス向上（抗精神病薬の内服確認）。**評価**：自傷行為の消失、幻聴への対処方法の獲得。

暗記のコツ: 「オレムの6要件は、『生命・安全・正常』の順で覚える！」生命（空気・水・食物）→ 安全（危険回避）→ 正常（排泄・休息・交流）。安全を脅かす症状があれば、それが最優先です。

国試頻出ポイント: 統合失調症患者のセルフケアアセスメントでは、**陽性症状（幻覚・妄想）による衝動行為（自傷・他害）** と **陰性症状（無為・自閉）によるADL低下** を区別し、最重要！ 生命の危険がある陽性症状への介入を優先するパターンが頻出です。

出題パターン注意！: 単純な知識問題（「オレムのセルフケア要件は？」）から、事例問題（「Aさんのように幻聴で自傷行為がある患者の優先看護診断は？」）への発展が頻出です。事例のキーワード（「突然走り出す」「壁に頭をぶつける」）を見逃さないようにしましょう。

## 臨床シナリオ

臨床実践ガイド

- ****臨床シナリオ****: 精神科急性期病棟に勤務する看護師。Aさん（統合失調症）が日中のグループ療法後に突然「『殺される』という声が聞こえる」と叫び、廊下を走り出し、壁に頭を打ち付けようとしました。あなたはこの場に居合わせ、どう対応しますか？
- ****看護介入と判断戦略****: 最重要！ まず**患者の安全確保と鎮静**を最優先します。
1. **観察**: 患者の表情、身体の緊張、周囲の危険物の有無。同時に他の患者の安全も確保（スタッフに応援を要請）。
2. **アセスメント**: 幻聴の内容（命令的か脅迫的か）、衝動行為の強度、身体の損傷の有無（頭部打撲の有無）。
3. **報告・指示**: 医師へSBAR報告（S: 突然の衝動行為、B: 幻聴の訴え、A: 頭部打撲のリスク、R: 隔離・身体抑制の指示 or 頓服薬投与の指示）。
4. **介入**: 指示に基づき、頓服抗精神病薬（例：ハロペリドール Haloperidol）の筋注または内服。必要時、一時的な身体抑制（保護室への隔離）の実施。衝動行為が収まったら、落ち着いた声で声かけを行い、安全な環境を整えます。
5. **評価**: 30分後、行動の落ち着き、幻聴の変化、頭部の損傷の有無を再評価。
- ****患者安全・注意事項****: 自傷行為（頭部打撲）による頭蓋内出血・脳挫傷のリスクに注意！ 身体拘束実施時は身体拘束適正化指針に従い、2時間ごとの観察と記録を徹底。また、他の患者への暴力リスク（他害）にも常にアンテナを張っておきます。

看護プロトコル: **観察項目**: 幻聴の有無・内容（命令的か）、衝動行為の頻度・トリガー、バイタルサイン（特に興奮時）、頭部外傷の兆候（意識レベル(JCS)、瞳孔不同、嘔気・嘔吐）。**報告基準（SBAR）**: S: 「Aさん、幻聴に影響され頭を壁に打ち付けました。」 B: 「『殺される』という声が聞こえると話しています。」 A: 「JCS I-1、瞳孔左右同大、嘔気なし。頭部に血腫なし。」 R: 「頭部CTのオーダーと、頓服の抗精神病薬の指示をお願いします。」

先輩看護師の一言: 「精神科の急性期で最も怖いのは、患者さんが自分の意思でコントロールできない衝動行為です。『安全を保つ能力』が低下している患者さんは、まるで火のついたマッチを握っているようなもの。国試では理論（オレム）で覚えても、現場では『この患者さん、今、自分を守れるか？』という視点で見てください。それが看護の基本です！」

## 重要概念

- **オレムのセルフケア不足理論** — 看護理論家オレム (Dorothea Orem) が提唱した理論。個人が自身のセルフケア要件を満たせない状態（セルフケア不足）を看護の対象とし、看護師がその不足を補完・支援するという枠組み。
- **全体的セルフケア要件** — オレムが定義する、生命維持と健康に必要な6つの普遍的ニーズ（空気・水・食物、排泄、活動と休息、孤独と交流、危険の回避、正常性の促進）。
- **陽性症状** — 統合失調症の症状の一つで、幻覚（幻聴など）、妄想、思考障害など、健常者にはない機能が「追加」された状態。
- **陰性症状** — 統合失調症の症状の一つで、感情の平板化、意欲の低下（無為・自閉）、社会的引きこもりなど、健常者の持つ機能が「欠落」した状態。
- **自傷行為** — 自分自身の身体を意図的に傷つける行為。統合失調症では命令的幻聴に影響されて起こることが多く、生命の危険を伴うため最優先の看護介入対象となる。

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