こんな問題があと400問挑戦 ›
保健活動
感染症法(感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律)における1類感染症の対応として正しいものはどれか。
-
1
消毒等の措置は行わず経過観察のみを行う
-
2
患者への入院勧告・措置入院が可能である
✓ 正解
-
3
就業制限のみが適用され入院措置はできない
-
4
医師の届出義務はなく任意報告のみとなる
-
5
定点医療機関からの報告のみが義務付けられる
解説
1類感染症(エボラ出血熱・ペストなど)は感染力・罹患した場合の重篤性が最も高く、入院勧告・措置入院・就業制限・交通制限・消毒などの強制的な措置が適用される。医師は直ちに都道府県知事に届け出る義務がある。
同じテーマの次の問題地域保健法に基づき、都道府県が設置する保健所の業務として正しいものはどれか。この問題が収録された問題集ここだけ!健康支援と社会保障制度KRW 12,900
核心解説
この問題は、感染症法(感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律)における 1類感染症 の対応を問うています。1類感染症は、感染力と重症度が極めて高い疾患群であり、国民の生命と健康を守るために、法律上最も強い強制措置が認められています。
正解の根拠: 最重要!
1類感染症の患者には、都道府県知事による 入院勧告(Admission Recommendation) および 措置入院(Compulsory Hospitalization) が可能です。これは、患者本人の同意が得られない場合でも、感染拡大防止のために強制的に特定の医療機関に入院させることができる制度です。また、就業制限(Work Restriction)、交通制限(Traffic Restriction)、消毒(Disinfection) などの強制的な公衆衛生措置も適用されます。
誤答の分析:
① 混同注意! 「消毒等の措置は行わず経過観察のみ」は誤りです。1類感染症では、感染拡大防止のため積極的な消毒・環境整備が必須です。これは無症状病原体保有者や疑似症患者にも適用される場合があります。
③ 「就業制限のみで入院措置はできない」は誤りです。1類感染症は、就業制限に加えて最も強い 入院勧告・措置入院 が適用される分類です。就業制限のみの対象は、主に2類感染症(結核など)や3類感染症(コレラなど)の一部です。
④ 「医師の届出義務はなく任意報告のみ」は誤りです。最重要! 1類感染症を診断した医師は、直ちに(診断後ただちに)最寄りの保健所長を経由して都道府県知事に届け出る義務があります。これは「全数把握対象疾患」であり、任意ではありません。
⑤ 「定点医療機関からの報告のみが義務付けられる」は誤りです。定点報告は、インフルエンザや小児科疾患などの5類感染症に適用される仕組みです。1類感染症は、診断したすべての医療機関が届け出る 全数把握対象疾患 です。
概念整理
感染症法における分類と強制措置の強さ:
| 分類 | 主な疾患例 | 主な強制措置 |
| 1類感染症 | エボラ出血熱、ペスト、痘そう(天然痘)、ラッサ熱、クリミア・コンゴ出血熱など | 入院勧告・措置入院、就業制限、交通制限、消毒、検疫など、すべての強制措置が適用 |
| 2類感染症 | 結核、急性灰白髄炎(ポリオ)、ジフテリア、SARSなど | 入院勧告・措置入院(勧告が基本)、就業制限、消毒 |
| 3類感染症 | コレラ、細菌性赤痢、腸管出血性大腸菌感染症など | 就業制限、消毒(入院勧告は原則なし) |
一目で比較!
- 1類 vs 2類: 両者とも入院勧告・措置入院が可能ですが、1類は「感染症指定医療機関」への入院が義務付けられ、より強力な措置(交通制限など)が追加されます。2類の入院は「勧告」が基本で、患者の同意が得られない場合でも最終的には「措置入院」が可能です(結核に多い)。
- 強制措置の種類: 入院勧告・措置入院(最も強い) > 就業制限 > 消毒 > 交通制限(1類のみ) > 健康診断(健診)の順に強制力が強い。
看護過程ポイント
- アセスメント: 感染症法に基づく届出義務の有無と期限を確認する(例:1類は直ちに、2類は7日以内)。
- 計画・実施: 1類感染症患者を受け入れる際は、感染症指定医療機関であることが前提。標準予防策(Standard Precautions)に加え、空気感染対策(Airborne Precautions) や 接触感染対策(Contact Precautions) を徹底する。患者隔離、陰圧管理、個人用防護具(PPE)の適切な着脱が必須。
- 評価: 届出が期限内に正しく行われたか、感染拡大の有無、患者の状態変化を評価する。
暗記のコツ
「1類は最強、全ての措置が適用!」と覚えましょう。
- 1類:1(いち)→「一番強い」→ 入院勧告・措置入院 + 就業制限 + 交通制限 + 消毒 + 直ちに届出
- 2類:2(に)→「入院あり(入院勧告)」+ 就業制限
- 3類:3(さん)→「さん(酸)でお腹壊す」→ 消化器系感染症(コレラ・赤痢)+ 就業制限
- 4類:4(し)→「死なないけど注意」→ 動物・昆虫媒介感染症(狂犬病、日本脳炎)+ 消毒・健診
- 5類:5(ご)→「ごく普通の定点報告」→ インフルエンザ、麻疹、風疹など
国試頻出ポイント
- 1類感染症の具体的な疾患名(エボラ出血熱、ペスト、痘そう、ラッサ熱、クリミア・コンゴ出血熱)を問う問題。
- 届出の期限:「直ちに(1類)」vs「7日以内(2類)」vs「7日以内(3類)」の区別。
- 措置の組み合わせ:「入院勧告+就業制限(2類)」vs「入院勧告+就業制限+交通制限(1類)」のような比較問題。
出題パターン注意!
「事例問題」として出題される場合: 「海外渡航歴のある患者が発熱と出血症状で来院した。エボラ出血熱が疑われる。看護師の最初の対応として適切なのはどれか。」という形式。この場合、直ちに個室隔離(陰圧個室)、標準予防策+空気感染・接触感染対策、保健所への直ちの届出 が正解の軸になります。
臨床実践ガイド
臨床シナリオ: 救命救急センターに、アフリカ某国から帰国後3日目の40代男性が、39.5℃の発熱、頭痛、筋肉痛、嘔吐、そして点状出血を主訴に搬送されました。問診でエボラ出血熱流行地域への渡航歴が判明。医師から「エボラ出血熱の疑い、1類感染症対応を開始」と指示が出ました。看護介入と判断戦略:- 1観察(初動)バイタルサイン(血圧・脈拍・呼吸・SpO2・体温)の緊急測定。意識レベル(JCS/GCS)の評価。出血傾向(口腔内・皮膚・穿刺部)の確認。
- 2アセスメントと報告渡航歴+症状+出血傾向から、エボラ出血熱(1類感染症) の可能性が極めて高い。直ちに 感染管理看護師(ICN) と 感染症科医師 に報告。同時に、保健所への直ちの届出 の準備を医師と連携して行う。
- 3介入(感染対策)- 最重要! 患者を 陰圧個室 に隔離。ドアは閉鎖し、関係者以外の出入りを禁止。
- 入室者は 個人用防護具(PPE) を完全に着用(N95マスクまたはそれ以上の呼吸器、ガウン、手袋、フェイスシールド、キャップ)。
- 患者の血液、体液、排泄物はすべて 感染性廃棄物 として厳重に処理。
- 使用したリネンや器材は専用容器に密閉して処理。
- 4評価隔離が適切に維持されているか、PPEの着脱手順が正しいか、スタッフに曝露事故がないかを継続的に評価。
看護プロトコル- 1SBAR報告例- S(状況): 「エボラ出血熱疑いの患者が救命センターに来院しました。」
- B(背景): 「アフリカ某国からの帰国者で、発熱と出血症状があります。」
- A(アセスメント): 「1類感染症対応が必要です。直ちに保健所への届出と陰圧隔離が必要です。」
- R(推奨): 「保健所への届出の準備と、陰圧個室の確保、感染対策チームの招集をお願いします。」
- 2記録のポイント患者の入室時間、症状経過、医療従事者の曝露状況、PPEの着脱時間、実施した感染対策の内容を詳細に記録する。
先輩看護師の一言
「1類感染症対応は、年に数回あるかないかの特殊なケースです。しかし、だからこそ、事前の知識と訓練が生死を分けます。『もしエボラ出血熱が疑われたら?』というシミュレーションを頭の中でやっておくだけでも、実際の対応が格段にスムーズになります。国試で覚えた届出義務や隔離の基準が、現場で患者さんと自分自身、そして周りの人々を守る盾になるんです。怖がらずに、しっかり準備しておきましょう!」
- 1類感染症 — 感染症法で最も危険度の高い感染症群。エボラ出血熱、ペスト、痘そうなどが該当。感染力・重症度が極めて高く、入院勧告・措置入院、就業制限、交通制限など全ての強制措置が適用される。診断後直ちに届出義務あり。
- 措置入院 — 感染症法に基づき、患者本人の同意がなくても都道府県知事の権限で強制的に感染症指定医療機関に入院させる措置。1類感染症および一部の2類感染症(結核など)に適用される。
- 入院勧告 — 都道府県知事が感染症患者に対し、感染拡大防止のために特定の医療機関への入院を勧告する制度。1類および2類感染症に適用。患者が拒否した場合、最終的に措置入院に移行可能。
- 届出義務 — 感染症法に基づき、医師が特定の感染症を診断した場合に保健所長を経由して都道府県知事に報告する義務。1類感染症は「直ちに」、2類は「7日以内」に届け出る。
- 就業制限 — 感染症法に基づき、特定の感染症に罹患した者や無症状病原体保有者に対して、その業務(特に食品取扱いなど)を制限する措置。1類・2類・3類感染症に適用される。
MyMerciで看護師国家試験を完全対策
過去問と詳しい解説を無料で。弱点を分析し、進捗を管理してより効率的に学習しましょう。
無料で始める
学習参考用です。実際の臨床は最新のガイドラインと所属機関のプロトコルに従ってください。