結核 (tuberculosis) の感染経路として正しいものはどれか。 | MyMerci
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健康指標と予防
問題

結核 (tuberculosis) の感染経路として正しいものはどれか。

解説
結核菌 (Mycobacterium tuberculosis) は飛沫核 (直径5μm以下の粒子) に含まれ、空気中を長時間浮遊して感染する空気感染 (飛沫核感染) が主な感染経路である。そのため、結核患者の看護には陰圧個室の使用とN95マスクの着用が必要となる。
同じテーマの次の問題感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 (感染症法) において、1類感染症に分類される疾患はどれか。

詳細解説

核心解説 この問題は、結核 (Tuberculosis) の感染経路に関する基本的な知識を問うています。感染症対策の基本は、「感染源」「感染経路」「宿主(感受性者)」の3つの要素からなる感染の連鎖をどこで断ち切るかという視点です。本問では、特に「感染経路」の理解が鍵となります。結核菌は、患者の咳やくしゃみなどで空気中に放出された飛沫核(直径5μm以下の微粒子)を、周囲の人が吸入することで感染する空気感染 (Airborne Infection / Droplet Nuclei Infection)が主な経路です。この飛沫核は非常に軽いため、空気中を長時間(数時間)浮遊し、換気の悪い閉鎖空間では遠く離れた場所にいる人にも感染を引き起こす可能性があります。したがって、最重要! 結核患者の看護においては、標準予防策に加えて、陰圧換気が可能な個室への隔離と、医療従事者によるN95マスク(微粒子用マスク)の着用が必須です。これは、通常のサージカルマスクでは飛沫核を十分に防げないためです。 正解の根拠 (Answer Rationale)
最重要! ①「空気感染 (飛沫核感染)」が正解です。結核菌は、肺結核患者が咳やくしゃみをした際に発生する直径5μm以下の飛沫核に含まれます。この微粒子は空気中に長時間滞留し、空気の流れに乗って拡散するため、直接患者の近くにいなくても感染が成立します。これが「空気感染」と分類される根拠です。 誤答の分析 (Distractor Analysis)
混同注意! ⑤「飛沫感染」と誤認しやすいですが、飛沫感染(インフルエンザ、風疹など)は直径5μm以上の比較的大きな飛沫が、1メートル以内の近距離で飛散して感染します。結核菌を含む飛沫核は乾燥して小さくなるため、空気感染に分類されます。この区別は国試頻出です。
②「経口感染」は、病原体が口から体内に入る感染経路で、主に食中毒(サルモネラ、ノロウイルスなど)が該当します。結核の感染経路ではありません。
③「接触感染」は、MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)やノロウイルスなど、皮膚や物品を介した直接・間接接触で感染します。結核は空気感染です。
④「血液媒介感染」は、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、HIVなどが、血液や体液を介して感染する経路です。結核には該当しません。 関連概念の整理 (Related Concepts)
感染経路は、標準予防策(スタンダードプリコーション)の基礎であり、感染経路別予防策 (Transmission-Based Precautions)としてさらに細分化されます。結核は空気感染予防策、麻疹や水痘も空気感染です。一方、インフルエンザ、風疹、髄膜炎菌性髄膜炎は飛沫感染予防策、MRSA、ノロウイルス、クロストリディオイデス・ディフィシル感染症は接触感染予防策に該当します。これらをセットで覚えると、感染対策の問題に強くなります。 概念整理
- 結核の感染経路:空気感染(飛沫核感染)
- 感染性粒子のサイズ:5μm以下
- 感染成立条件:飛沫核の吸入
- 予防策:陰圧個室隔離、N95マスク着用 一目で比較!
感染経路代表的な感染症粒子サイズ主な予防策
空気感染結核、麻疹、水痘5μm以下(飛沫核)陰圧個室、N95マスク
飛沫感染インフルエンザ、風疹5μm以上(飛沫)個室、サージカルマスク
接触感染MRSA、ノロウイルス該当なし手袋、ガウン
看護過程ポイント
- アセスメント:患者の咳の性状(湿性/乾性)、痰の量や性状、発熱、盗汗、体重減少などの全身症状を観察。感染リスクの評価として、BCG接種歴、結核患者との接触歴、免疫状態(HIV感染、ステロイド使用など)を確認。
- 看護診断:【感染リスク状態】または【気道クリアランスの低下】
- 計画・実施:空気感染予防策(陰圧隔離、N95マスク)の徹底。患者へのマスク着用指導(咳エチケット)。直接監視下治療(DOTS)の実施支援。服薬アドヒアランス向上のための患者教育。
- 評価:喀痰塗抹検査の陰性化確認(通常2週間程度の治療で感染力低下)、咳症状の改善、服薬遵守状況。 暗記のコツ
「結核は空気感染」→「結核菌は気中をう」→「空漂(くうひょう)」と覚える。「飛沫感染」との違いは、粒子の大きさ(5μmが境界線)と飛距離。飛沫は1m、飛沫核(空気感染)は数時間空気中に留まることをイメージしましょう。 国試頻出ポイント
- 結核の感染経路(空気感染)を直接問う問題。
- 空気感染と飛沫感染の違いを問う問題(例:インフルエンザの感染経路と比較)。
- 結核患者に必要な隔離方法と看護師の防護具(陰圧個室、N95マスク)を問う問題。
- 結核の治療(多剤併用療法、直接監視下治療DOTS)と関連させた出題。 出題パターン注意!
単純な知識問題(本問のような)に加え、事例問題として「結核患者が入院してきた。看護師がまず行うべき感染対策は?」という形式で出題されることが多いです。また、感染症法に基づく結核の届出義務(二類感染症)と結びつけた出題も頻出です。

臨床シナリオ

臨床実践ガイド あなたは呼吸器内科病棟の看護師です。喀痰培養検査で結核菌 (Mycobacterium tuberculosis)が検出された患者さんを受け持つことになりました。患者さんは70代男性、乾性咳嗽と微熱が続いていました。
臨床シナリオ (Clinical Scenario)
患者さんは一般病棟に入院中でしたが、結核と診断されたため、陰圧個室への転室が必要です。患者さんは「隔離されるのが不安だ。家族にも感染してしまうのではないか」と心配されています。
看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment)
1. 観察・アセスメント:まず、患者さんの咳症状の程度(頻度、痰の有無)、バイタルサイン(体温、呼吸数、SpO2)を確認します。患者さんの不安度もアセスメントします。
2. 報告:医師に転室の指示を仰ぎます。看護師長や感染対策チーム(ICT)にも連絡し、空気感染予防策の開始を周知します。
3. 介入N95マスクを看護師自身が着用し、患者さんにはサージカルマスクを着用してもらいます(咳エチケット)。陰圧個室へ移動後、ドアは閉め切ります。患者さんには、治療が順調に進めば感染力が低下すること、面会制限や隔離の理由をわかりやすく説明し、不安の軽減に努めます。
4. 評価:治療開始後の喀痰塗抹検査結果を確認し、陰性化したら医師の指示のもと隔離解除を検討します。患者さんの不安が軽減されたかを確認します。
患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions)
- 最重要! 陰圧個室に入室する際は、必ずN95マスクを正しく着用し、フィットチェックを行うこと。サージカルマスクでは防御できません。
- 陰圧状態を維持するため、ドアは常に閉め、入退室時以外は開放しない。
- 患者さんの心理的孤立を防ぐため、定期的な声かけや、テレビ・電話などのコミュニケーションツールの使用を促す。
- 喀痰の処理は感染性廃棄物として適切に行う。

先輩看護師の一言
「結核は適切な治療と感染対策で完治する疾患です。患者さんは隔離によって孤独感やスティグマ(偏見)を感じやすいので、『治療すれば大丈夫』と寄り添う看護が大切です。N95マスクの着用は自分の身を守るだけでなく、家族や他の患者さんを守るためでもあるんですよ。実習や国試では『なぜN95なのか』『陰圧個室の目的は何か』を常に考えてみてくださいね!」

重要概念

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