核心解説
この問題は、
国際保健 (Global Health) と
持続可能な開発目標 (Sustainable Development Goals, SDGs) の関連性、特に看護職が果たす役割について問うています。SDGsは17の目標と169のターゲットから成る国際社会全体の普遍的な目標ですが、看護師として、自らの専門性がどの目標達成に最も直結し、貢献できるのかを理解しておく必要があります。
正解の根拠 (Answer Rationale)
正解は
目標3 すべての人に健康と福祉を (Good Health and Well-being) です。
最重要! この目標は「あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を推進する」ことを掲げており、保健医療専門職である看護師の活動領域そのものです。母子保健、感染症対策、非感染性疾患 (NCDs) の予防と管理、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ (UHC) の達成など、目標3の下位ターゲットの多くは、看護師が臨床・地域・教育の場で直接担う役割と一致します。
誤答の分析 (Distractor Analysis)
混同注意! 他の選択肢もSDGsの重要な目標であり、間接的には健康と関連します。しかし、看護師の専門性が最も直接的かつ強力に発揮されるのは目標3です。例えば、貧困 (目標1) は健康の社会的決定要因 (Social Determinants of Health, SDH) の一つであり、看護師は患者の生活背景をアセスメントする上で無視できませんが、主たる介入目標ではありません。住み続けられるまちづくり (目標11) も、地域包括ケアシステムの文脈で重要ですが、看護活動の中核的焦点は目標3です。これらを「健康の基盤となる要素」と「専門職としての直接的役割」という点で区別することが重要です。
関連概念の整理 (Related Concepts)
看護師国家試験では、国際保健の動向として、WHOの活動指針やUHC (Universal Health Coverage)、そしてSDGsの基本的な枠組みを理解しておくことが求められます。特に、目標3の達成に不可欠な
プライマリ・ヘルスケア (Primary Health Care, PHC) や、
健康の社会的決定要因 (SDH) への介入といった概念も併せて押さえておきましょう。
概念整理
| SDGsの目標 | 看護との関連性 | 関連の度合い |
|---|
| 目標3: 健康と福祉 | UHC達成、母子保健、感染症/非感染性疾患対策、保健人材育成など、看護業務の核心。 | 最重要!直接的 |
| 目標1: 貧困をなくそう | 健康の社会的決定要因 (SDH) としてアセスメントに不可欠だが、介入の中核ではない。 | 間接的 |
| 目標8: 働きがいも経済成長も | 産業保健、健康経営の文脈で関連。医療・福祉分野の雇用創出としても重要。 | 部分的 |
| 目標11: まちづくり | 地域包括ケア、在宅医療、高齢者の生活支援などで関連。 | 部分的 |
一目で比較!
| 概念 | 焦点 | 看護師の立場 |
|---|
| UHC (Universal Health Coverage) | すべての人が経済的困難なく必要な保健医療サービスを受けられること | 提供者として中核的役割 |
| SDH (Social Determinants of Health) | 健康に影響を与える社会的・経済的・環境的要因 | アセスメントと多職種連携の起点 |
看護過程ポイント
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アセスメント: 患者の健康状態だけでなく、その背景にある社会経済的状況(貧困、教育、住環境など)を捉える視点が、SDGsの達成に貢献する看護の第一歩です。
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計画: 医療機関内だけでなく、地域社会と連携した退院支援や生活支援の計画を立案します。
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実施: 疾病の治療だけでなく、健康増進や予防活動(健康教育、予防接種など)を積極的に行います。
暗記のコツ
SDGsの17の目標すべてを覚える必要はありませんが、
「3.健康と福祉」 が看護と直結する最重要目標であることを、
「3 (San) = 産・健・生 (母子保健、健康、生活)」 などと自分なりの語呂合わせで覚えると確実です。
国試頻出ポイント
国際看護学や健康支援と社会保障制度の分野で、
「WHOの活動」「UHC」「SDGsと看護の関連」は頻出テーマです。特に「看護師が貢献できるSDGsの目標」を問う問題は典型的な知識問題として出題されます。また、状況設定問題で、外国人患者や経済的困難を抱える患者への看護を考える際の背景知識としても重要です。
出題パターン注意!
本問のような単純な知識問題だけでなく、
「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ (UHC) 達成のために看護師に求められる役割は何か」といった、より実践的な視点を問う問題にも発展する可能性があります。