在宅で療養中の要介護2の82歳女性。訪問看護師が日常生活活動の低下予防のために実施する介入として最も適切なのはどれか。 | MyMerci
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在宅療養者の状態・状況にあわせた看護
問題

在宅で療養中の要介護2の82歳女性。訪問看護師が日常生活活動の低下予防のために実施する介入として最も適切なのはどれか。

解説
日常生活活動の低下予防には、残存機能を活かしたセルフケアの促進が重要であり、ADL維持に効果的である。全てを介護者が行うと廃用が進行する。安静指示も同様に低下を招く。
同じテーマの次の問題在宅で療養中の80歳女性、脳梗塞後遺症で左片麻痺があり、妻が主介護者である。訪問看護師が日常生活活動の低下予防を目的に評価する項目として最も優先度が高いのはどれか。

詳細解説

核心解説 この問題は、老年看護学における廃用症候群 (Disuse Syndrome) の予防と、残存機能の活用 (Utilization of Remaining Function) という核心概念を問うています。
要介護高齢者において、過剰な介護や安静は筋力低下や関節拘縮を招き、日常生活活動(ADL)を一層低下させます。このため看護介入の基本は、「できないことを介助する」のではなく、「できることを見つけて、それを最大限に活かす」ことです。
正解の根拠: 最重要! セルフケアの促進は、高齢者の自立性を保ち、自尊感情 (Self-Esteem) の低下も防ぎます。残存機能を使い続けることが、新たな廃用を防ぐ最大の予防策です。
誤答の分析:
混同注意! ①「評価のみ」では介入にならず、③「安静指示」と⑤「全介助」は、廃用症候群を進行させる禁忌に近い行為です。④の「栄養補助食品のみ」は偏った栄養管理であり、経口摂取の楽しみや咀嚼機能も奪います。すべて、高齢者の生活の質 (QOL, Quality of Life) と機能維持の視点が欠けています。
関連概念の整理: 訪問看護では、在宅という生活の場でアセスメントを行い、生活機能 (Life Function) 全体を捉えるICF (国際生活機能分類, International Classification of Functioning, Disability and Health) の視点が重要です。個人因子・環境因子を活かしたケアが求められます。

概念整理: 廃用症候群 (Disuse Syndrome): 過度な安静や活動制限により、全身の諸器官に機能低下が生じた状態。特に高齢者は短期間で進行しやすく、一度低下したADLの回復は困難です。看護の目標は、「活動と参加」の促進です。
一目で比較!:
介入目的結果
全介助・安静安全確保(誤った認識)廃用進行、寝たきり化
残存機能の活用自立支援・機能維持ADL維持・QOL向上

看護過程ポイント: アセスメント: 「何がどこまでできるか」を見極める。
計画: 現状より少しだけ高い目標を設定し、成功体験を積み重ねる。
実施: 見守り、声かけ、一部介助など、自立度に応じた関わりを工夫する。できない部分だけを最小限補う「残存機能を活かしたケア」を徹底する。
暗記のコツ: 高齢者のケアは「過ぎたるは及ばざるが如し」です。「安全のため」と動かさないことが、かえって危険な状態を作ります。
国試頻出ポイント: 老年看護では、廃用症候群の予防は毎年のように出題される最重要テーマです。ICFの視点と合わせて理解しておきましょう。
出題パターン注意!: 状況設定問題で、「ある日、転倒したため安静を指示された患者。その後、ADLが急激に低下した。看護師の対応として適切なのはどれか」という形で、廃用症候群の悪循環を問う問題が頻出します。

臨床シナリオ

臨床実践ガイド 臨床シナリオ: 82歳女性、要介護2。軽度の認知症があり、自宅で夫と二人暮らし。訪問看護師が訪問すると、娘が「この間、母がふらついたので、危ないからと日中もベッドで休ませています。食事もむせると怖いので、とろみをつけて私が全部食べさせています」と話しました。1か月前は歩行器でトイレに行けていましたが、現在は尿意があってもオムツ交換を待つ状態です。
看護介入と判断戦略: これは過剰な介護による廃用症候群 (Disuse Syndrome) の急性増悪が疑われる典型例です。まず、「転倒させてはいけない」「むせさせてはいけない」という家族の不安に共感しつつ、最重要! 今の状態が続くことで、歩行機能や摂食機能が永久に失われるリスクを、専門職として優しく説明します。そして、リハビリ専門職と連携し、安全な歩行練習や、自分の手で食べられるような食器・姿勢の工夫を提案します。
患者安全・注意事項: 急に活動量を増やすと、転倒や誤嚥のリスクが高まります。まずはベッド上での足踏み運動や、端座位の時間を増やすなど、段階的な離床計画が必須です。家族指導では、「危ないから禁止」ではなく、「危なくないように環境を整えて見守る」介護技術を具体的に伝えます。
看護プロトコル: 観察項目: 起居動作、歩行状態、食事動作、表情、意欲、家族の介護負担感。報告基準 (SBAR): ADLの急激な低下を認めた場合、主治医やケアマネジャーに「S: 家族が危険回避のため全介助をしている。O: 1か月前は歩行器歩行が可能だったが、現在は寝たきりに近い状態。A: 廃用症候群の進行と判断。R: リハビリ再開と家族への介護指導の指示が欲しい」と端的に伝えます。
先輩看護師の一言: 「『してあげる』ことが優しさとは限りません。『見守る』こと、『待つ』ことも、時には大切なケアです。ご本人の『できた!』という笑顔のために、私たちは一歩引いて支える勇気を持ちましょう。」

重要概念

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