核心解説
この問題は、
清潔ケア(全身清拭) (Bath Care / Total Body Sponge Bath) を実施する際の適切な
室温管理 (Room Temperature Management) を問うています。全身清拭は、全身の皮膚を露出するケアであり、体温調節機能や循環動態に影響を与える可能性があります。そのため、利用者にとって安全で安楽な環境を整えることが看護の基本です。
1. 核心概念の分析 (Key Concept)
この問題の核心は、
清拭中の体温喪失予防 と
循環負担の軽減 です。清拭では、蒸発による熱放散が大きく、室温が低すぎると
体温低下やシバリング(震え) を引き起こし、心臓や呼吸に負担をかけます。一方、室温が高すぎると、血管拡張による
血圧低下やめまい、発汗過多による脱水や疲労感を招きます。適切な室温は、利用者が
快適に感じ、かつ体温を維持できる環境 を提供するために設定されます。
2. 正解の根拠 (Answer Rationale)
正解は
⑤ 22~24℃ です。
全身清拭の際の室温の目安は、一般的に
22~24℃ とされています。この温度帯は、利用者が「涼しい」と感じることなく、かつ蒸れや暑さによる不快感も生じにくい、快適で安全な範囲です。特に訪問看護の現場では、利用者宅の環境(暖房器具の有無、窓の気密性など)をアセスメントしながら、この温度を目標に調整することが重要です。
3. 誤答の分析 (Distractor Analysis)
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① 34~36℃:
混同注意! この温度は
体温(腋窩温)の基準範囲 と混同しやすい値です。室温としてこれほど高いと、暑すぎて利用者の負担になり、血圧低下や脱水リスクが高まります。
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② 18~20℃:
混同注意! この温度は、病室の一般的な快適室温や、
手術室(オペ室)の温度(低めに設定される)と混同しやすいです。清拭中は体温が奪われやすいため、この温度では低すぎて利用者が冷えてしまいます。
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③ 26~28℃: この温度は、
新生児や乳児の沐浴 などの環境温度としては適切な場合がありますが、成人の全身清拭にはやや高く、暑く感じる利用者が多いでしょう。
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④ 30~32℃: この温度も高すぎます。特に高齢者では、体温調節機能が低下しているため、この温度ではのぼせやめまいのリスクが高まります。
4. 関連概念の整理 (Related Concepts)
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比較ポイント! 全身清拭 (22~24℃) vs 部分浴 (手浴・足浴) (40~43℃): 全身清拭は全身の露出を伴うため室温管理が重要ですが、部分浴は局所の皮膚を温める目的で水温管理が重要です。水温は熱すぎないよう注意が必要です。
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訪問看護の特殊性: 病院と違い、訪問看護では空調を自由に調整できない場合があります。そのため、
タオルや毛布での保温、清拭時間の短縮、ドアの開閉による換気 など、環境に応じた臨機応変な対応が求められます。
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最重要! バイタルサインの確認: 清拭前後で、
体温、血圧、脈拍 を測定し、利用者の状態変化を観察することが必須です。
概念整理
| ケア内容 | 適切な室温 | 目的・根拠 |
|---|
| 全身清拭 (全身露出) | 22~24℃ | 体温喪失防止と循環負担軽減のバランス |
| 寝衣交換 (部分露出) | 22~26℃ | 同上(清拭よりやや幅広く許容) |
| 手術室 | 20~22℃ | 低体温による代謝抑制と感染リスク低減 |
| 新生児・乳児の沐浴 | 26~28℃ | 体温調節機能未熟による体温低下防止 |
国試頻出ポイント
看護師国家試験では、「全身清拭時の室温」「手浴・足浴時の水温」「消毒薬の濃度」など、
ケア技術における具体的な数値 が頻出です。特に「~℃」という選択肢は、類似数値(体温、室温、水温)と混同しやすいため、
「どのケアの数値か」 をセットで暗記することが得点アップの鍵です。例えば、「全身清拭:22~24℃」と「手浴:40~43℃」はペアで覚えましょう。