統合失調症の患者で、抗精神病薬の副作用としてアカシジアが疑われる症状はどれか。 | MyMerci
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問題

統合失調症の患者で、抗精神病薬の副作用としてアカシジアが疑われる症状はどれか。

解説
アカシジアは、強い内面的な不安感や落ち着きのなさを伴い、じっとしていられずに歩き回ったり、身体を揺すったりする症状である。患者は「ムズムズする」「居ても立ってもいられない」と表現することが多い。選択肢1は遅発性ジスキネジア、2はジストニア、4は悪性症候群、5はミオクローヌスやジスキネジアの症状である。
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詳細解説

核心解説 この問題は、統合失調症 (Schizophrenia) の薬物療法において重要な 抗精神病薬の錐体外路系副作用 (Extrapyramidal Symptoms, EPS) の一つである アカシジア (Akathisia) の症状を問うています。アカシジアは、患者が感じる「耐え難い内面的な不安感や落ち着きのなさ」に起因する、最重要! 主観的症状と客観的な行動症状の両方を持つことが特徴です。抗精神病薬によるドパミン受容体遮断が、大脳基底核の神経伝達バランスを崩すことで発症します。 正解の根拠 (Answer Rationale): アカシジア (Akathisia) の核心症状は、患者自身が感じる「ムズムズする」「じっとしていられない」「足が落ち着かない」といった強い内面的な不快感です。この感覚から、患者は じっと座っていることができず、歩き回る、足を組み替える、体を揺する などの絶え間ない運動を呈します。よって、選択肢2が正解です。 誤答の分析 (Distractor Analysis): - 混同注意! 選択肢1「顔面や四肢の筋肉がピクピクと動く」は、遅発性ジスキネジア (Tardive Dyskinesia) の症状です。長期の抗精神病薬投与後に出現する不随意運動で、口唇や舌、顔面、四肢にみられます。アカシジアと混同しやすいですが、運動の質が異なります。 - 選択肢3「首が後ろや横に捻じれるような姿勢」は、急性ジストニア (Acute Dystonia) の症状です。特に 斜頸 (Torticollis) や眼球上転発作 (Oculogyric Crisis) が代表的で、薬剤投与後早期に発症します。 - 選択肢4「口唇や舌を絶えず動かす不随意運動」も 遅発性ジスキネジア (Tardive Dyskinesia) の症状です。 - 選択肢5「筋肉の硬直と発熱、意識障害」は、混同注意! 悪性症候群 (Neuroleptic Malignant Syndrome, NMS) の症状です。これは 最重要! 緊急度の高い副作用であり、高熱、激しい筋硬直、発汗、意識障害を特徴とします。致死的となりうるため、早期発見・早期対応が必須です。 関連概念の整理 (Related Concepts): 錐体外路系副作用 (EPS) は、アカシジア、急性ジストニア、パーキンソニズム(仮面様顔貌、振戦、筋強剛)、遅発性ジスキネジアに大別されます。それぞれ発症時期と症状の特徴をしっかりと比較して覚えましょう。治療としては、抗コリン薬(例:ビペリデン (Biperiden))や抗ヒスタミン薬が用いられますが、アカシジアには プロプラノロール (Propranolol) などのβ遮断薬が有効とされています。
概念整理: アカシジアは「内面的な不安感・落ち着きのなさ」が原因で「絶え間ない運動(歩行、体動)」を呈するEPS。患者の苦痛が強いため、早期発見と丁寧な対応が必要です。症状の背景に「ドパミン-D2受容体遮断」があることを理解しておきましょう。
一目で比較!:
副作用発症時期主な症状治療
急性ジストニア投与後早期 (数時間~数日)眼球上転、斜頸、開口障害抗コリン薬 (筋注)
アカシジア投与後早期~数週間落ち着きのなさ、歩行、足の動きβ遮断薬、ベンゾジアゼピン系薬
パーキンソニズム投与後数週間~数ヶ月振戦、筋強剛、仮面様顔貌抗コリン薬
遅発性ジスキネジア長期投与後 (数年)口唇・舌の不随意運動、舞踏様運動抗精神病薬減量・中止
悪性症候群 (NMS)投与後いつでも高熱、筋硬直、意識障害、CK上昇対症療法、ダントロレン

看護過程ポイント: - アセスメント (Assessment): 患者の「そわそわする」「落ち着かない」という主観的訴えを見逃さない。歩行状態、座位保持の可否、四肢の動きを観察。発症時期と薬剤変更・増量のタイミングを確認。 - 看護診断 (Nursing Diagnosis): 「アカシジアに関連した非効果的対処 (Ineffective Coping related to akathisia)」または「アカシジアに関連した転倒リスク状態 (Risk for Falls related to akathisia)」 - 計画・実施 (Planning & Implementation): 患者の不安に寄り添い、症状は薬の副作用であり治療で改善することを説明。必要時、医師へ報告し、薬剤調整や抗アカシジア薬の処方を仰ぐ。転倒防止のため、環境整備を行う。 - 評価 (Evaluation): 患者の主観的な落ち着きのなさや歩行状態の改善度を評価。
暗記のコツ: 「アカシジア (Akathisia)」は「アカ(座れない)」+「イシア(状態)」と覚えましょう。「座っていられない(A-kathisia)」というギリシャ語由来です。一方「ジスキネジア (Dyskinesia)」は「ジス(悪い)」+「キネシア(運動)」で「不随意な運動」というイメージです。
国試頻出ポイント: 各EPSの症状と、どの副作用にどの治療薬が使われるかの組み合わせが頻出です。特に「悪性症候群 (NMS)」は緊急対応が必要なため、バイタルサイン異常(発熱)と意識障害をセットで覚えましょう。事例問題で「統合失調症患者が治療中に歩き回るようになった」という描写があれば、まずアカシジアを疑います。
出題パターン注意!: 単純な症状の選択問題に加えて、「ある抗精神病薬を内服中の患者が、『胸がムカムカして落ち着かない』と訴え、病棟内を歩き回っている。看護師の対応として適切なのはどれか。」といった状況設定問題で出題されます。患者の訴えを「精神症状の悪化」と誤認しないように注意が必要です。

臨床シナリオ

臨床実践ガイド 臨床シナリオ (Clinical Scenario): 30代男性、統合失調症で入院中。リスペリドン (Risperidone) を増量後、3日目からナースステーションの前を絶えず行ったり来たりし始めました。「先生の言うことを聞けば治ると思って薬を飲んでいるのに、体中がムズムズしてじっとしていられない。このままじゃおかしくなりそうだ」と涙目で訴えています。バイタルサインは安定しています。 看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment): 1. **観察**: まず患者の苦痛の強い訴えに耳を傾け、共感する。「とても辛いですね。これはお薬の副作用かもしれません。一緒に先生に伝えましょう。」と安心させる。歩行状態、転倒リスク、皮膚の損傷がないかを確認する。 2. **アセスメント**: 薬剤増量後の経過から、アカシジアを強く疑う。バイタルサインと意識レベルが正常であることから、悪性症候群は否定的である。 3. **報告 (SBAR)**: - **S (Situation)**: 「リスペリドン増量後3日目の○○さんですが、アカシジアが疑われる症状が出現しています。」 - **B (Background)**: 「入院時よりリスペリドン2mg/日で内服。2日前より3mg/日に増量となりました。」 - **A (Assessment)**: 「じっとしていられずに歩き回っており、患者自身も強い苦痛を訴えています。転倒リスクが高い状態です。」 - **R (Recommendation)**: 「抗アカシジア薬(プロプラノロールなど)の処方や、リスペリドンの減量をご検討いただけますでしょうか。また、患者の安全確保のため、環境調整の指示をいただきたいです。」 4. **介入**: 医師の指示に基づき、プロプラノロールを内服。患者には「この症状は薬で抑えられることが多いです。もう少ししたら楽になりますよ。」と説明する。転倒防止のため、病室をナースステーション近くに変更し、床に物を置かないようにする。 患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions): - 最重要! **転倒・転落予防**: アカシジアによる絶え間ない歩行は、疲労や注意力低下を招き、転倒のリスクが著しく高い。ベッドの高さを低くする、足元の照明を確保する、履物を滑りにくいものにするなどの対策を徹底する。 - 最重要! **悪性症候群 (NMS) との鑑別**: 高熱(38℃以上)、意識障害、筋強剛の有無を必ず確認する。これらが一つでもあれば緊急対応が必要。 - 感染対策 (Infection Control): 特に必要なし。 - 特定集団の特殊性: 高齢者では、脱水や転倒による骨折リスクがさらに高まるため、特に注意が必要。
看護プロトコル: 観察項目: 主観的訴え(不安感、ムズムズ感)、客観的所見(歩行状態、座位保持時間、四肢の動き)、バイタルサイン、発症時期と薬剤との関連。報告基準: 患者が強い苦痛を訴えた場合、転倒した場合、悪性症候群が疑われる症状(発熱、意識障害)が出現した場合。
先輩看護師の一言: 「アカシジアは、患者さんにとっては『狂ってしまうんじゃないか』というくらい辛い症状です。この症状を『統合失調症の精神症状が悪化した』と間違えて、抗精神病薬をさらに増やしてしまうと症状が悪化します。患者さんの『じっとしていられない』という行動の裏にある『ムズムズする』という言葉をしっかりキャッチして、アカシジアを疑える看護師になりましょう!」

重要概念

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