核心解説
この問題は、
妊娠後期 (Late Pregnancy) における
子宮収縮 (Uterine Contraction) のアセスメントと初期対応を問うています。妊娠34週は正期産前であり、
最重要!「お腹の張り」が生理的な
前駆陣痛 (Braxton Hicks Contraction) なのか、切迫早産 (Threatened Premature Labor) の兆候なのかを鑑別する必要があります。看護師の第一対応は、慌てて医師や分娩室に連絡する前に、まず自身で情報を収集し、アセスメントすることです。その基本が
腹部触診 (Abdominal Palpation) による子宮の硬さ、収縮の間隔や持続時間の確認です。
正解の根拠 (Answer Rationale)
⑤番の「腹部の触診で子宮の硬さを確認する」が最も適切です。これは
混同注意! 切迫早産の評価の第一歩であり、看護師が独立して行える観察技術です。触診により、子宮が「硬く」なっているか(収縮の有無)、収縮の間隔が規則的か、持続時間はどの程度かを評価します。これにより、生理的な前駆陣痛か、病的な切迫早産の徴候かを初期判断します。
誤答の分析 (Distractor Analysis)
①番の「すぐに分娩室へ連絡する」は時期尚早です。まずは自らアセスメントを行い、異常所見がある場合に報告・連絡します。分娩室のリソースを不必要に占有することになります。
②番の「胎児心拍数モニタリングを開始する」も重要な評価ですが、腹部触診による基本的な子宮収縮の確認が先行すべきです。モニタリングは触診で異常が疑われた後、あるいは医師の指示の下で実施します。
③番の「水分を多めに摂取するよう勧める」は、前駆陣痛の軽減に有効な場合もありますが、まずはアセスメントが優先です。原因が脱水による子宮過敏かどうかは、触診後に判断します。
④番の「安静にするよう指示する」もアセスメント前の指示は不適切です。安静が必要かどうかは、収縮の状態やその他の所見(内診所見、出血の有無など)を評価してから判断します。
関連概念の整理 (Related Concepts)
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混同注意! 前駆陣痛 vs 切迫早産の徴候:前駆陣痛は不規則で、安静や水分摂取で軽快することが多い。切迫早産は規則的な子宮収縮(10分以内に2回以上)、子宮頸管の短縮や開大、性器出血などを伴う。
- 妊娠週数による対応の違い:正期産(妊娠37週以降)であれば、陣痛発来と判断し分娩対応へ移行する。妊娠34週は早産リスクが高いため、より慎重なアセスメントが必要。
概念整理:
子宮収縮 (Uterine Contraction) の評価は、
触診(子宮の硬さ・間隔・持続) と
母体の自覚症状(痛みの有無・性状) が基本。これに
内診所見(子宮頸管長・開大度) や
胎児心拍数モニタリング を組み合わせて総合評価する。
一目で比較!:
| 特徴 | 前駆陣痛 (Braxton Hicks) | 切迫早産 (Threatened Premature Labor) |
|---|
| 規則性 | 不規則 | 規則的(10分以内に2回以上) |
| 持続時間 | 短い(30秒未満) | 長くなる傾向 |
| 強さ | 弱い | 次第に強くなる |
| 子宮頸管変化 | なし | 短縮・開大あり |
| 安静・水分での改善 | あり | なし |
看護過程ポイント:
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アセスメント: 腹部触診(子宮底部の位置、子宮の硬さ)、収縮の間隔・持続時間の計測、母体のバイタルサイン、出血や破水の有無、胎動の確認。
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看護診断 (Nursing Diagnosis): 「早産のリスク状態」や「妊娠継続困難に関連する不安」が挙げられる。
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計画・実施: 異常所見があれば直ちに医師へ報告(SBAR形式で)。安静指示や必要に応じて
子宮収縮抑制薬 (Tocolytics) の投与準備。胎児心拍数モニタリングの実施。
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評価: 収縮の頻度・強度が改善したか、子宮頸管長に変化がないか、母体の不安が軽減したか。
暗記のコツ: 「お腹が張る」→まずは「触ってみる」!これが看護師の基本動作。触診は「触れる・診る」と書くように、観察の第一歩です。「すぐに連絡・機器装着・指示」ではなく、「自分の目と手で確かめる」習慣を身につけましょう。
国試頻出ポイント: 妊娠後期~分娩期の「お腹の張り」を主訴とする問題は頻出。前駆陣痛と切迫早産/陣痛発来の鑑別、看護師の初期対応(アセスメント優先)を問う形式が典型です。状況設定問題では、バイタルサイン、内診所見、胎児心拍数パターンなどと組み合わせて出題されます。
出題パターン注意!: 「妊娠34週の妊婦。腹部緊満あり。内診で子宮頸管長2.5cm。看護師の対応は?」のように、情報が複数与えられた事例問題に対応できるよう、各所見の意味を理解しておきましょう。