65歳女性。閉経後15年経過。最近、尿失禁が気になると来院した。腹圧性尿失禁が疑われる場合の特徴として正しいのはどれか。 | MyMerci
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女性のライフサイクル各期における看護
問題

65歳女性。閉経後15年経過。最近、尿失禁が気になると来院した。腹圧性尿失禁が疑われる場合の特徴として正しいのはどれか。

解説
腹圧性尿失禁は、咳・くしゃみ・笑う・重い物を持つなど腹圧がかかった時に尿が漏れる状態である。選択肢1は切迫性尿失禁、選択肢3は溢流性尿失禁や瘻孔、選択肢4は残尿感、選択肢5は尿路感染症の特徴である。
同じテーマの次の問題老年期女性の健康課題として、閉経後に発症リスクが最も高まる疾患はどれか。

詳細解説

核心解説 この問題は、女性の代表的な下部尿路症状である尿失禁 (Urinary Incontinence)の分類と特徴を問うています。腹圧性尿失禁 (Stress Urinary Incontinence, SUI)は、骨盤底筋群の弛緩などにより腹圧上昇時に尿道閉鎖圧が保てず尿が漏れる病態です。閉経後女性ではエストロゲン低下による尿道粘膜の萎縮や結合組織の脆弱化が関与します。最重要! 腹圧性尿失禁の診断の決め手は「咳やくしゃみ、笑う、重い物を持つなど、腹圧が急激にかかる動作で尿漏れが誘発される」ことです。
正解の根拠 (Answer Rationale)
選択肢1「咳やくしゃみをしたときに尿が漏れる」が正解です。腹圧性尿失禁 (Stress Urinary Incontinence)の最も典型的な症状です。咳やくしゃみにより腹腔内圧が急上昇し、膀胱内圧が尿道閉鎖圧を上回ることで漏出が生じます。骨盤底筋訓練(ケーゲル体操)や尿道スリング手術などの治療につながる重要な所見です。
誤答の分析 (Distractor Analysis)
混同注意! ①「常に尿が少しずつ漏れ続けている」→ 溢流性尿失禁 (Overflow Incontinence)瘻孔 (Fistula) の特徴です。腹圧性とは全く異なり、膀胱が過伸展状態で持続的に漏出します。
②「排尿後に尿意を感じ再度尿が出る」→ 残尿感 (Residual Urine Sensation)排尿後滴下 (Post-void Dribbling) の所見で、腹圧性の直接的な特徴ではありません。
③「排尿時に強い痛みを伴う」→ 尿路感染症 (Urinary Tract Infection, UTI)間質性膀胱炎 (Interstitial Cystitis) の典型的症状で、腹圧性尿失禁では通常痛みを伴いません。
④「尿意を感じると我慢できずに漏れてしまう」→ 切迫性尿失禁 (Urge Urinary Incontinence) の特徴です。膀胱の過活動により尿意切迫感が生じ、我慢できずに漏れます。過活動膀胱(Overactive Bladder, OAB)の診断に直結します。
関連概念の整理 (Related Concepts)
尿失禁の4大分類:腹圧性 (Stress)切迫性 (Urge)溢流性 (Overflow)機能性 (Functional)。腹圧性は尿道閉鎖機構の問題、切迫性は膀胱蓄尿機能(排尿筋過活動)の問題です。混合性尿失禁(Mixed Incontinence)も頻出です。
概念整理: 尿失禁の分類と鑑別
種類病態特徴
腹圧性 (SUI)尿道閉鎖不全 + 腹圧上昇咳/くしゃみ/運動時に漏出 (痛みなし)
切迫性 (UUI)排尿筋過活動 (膀胱過敏)突然の強い尿意 + 我慢できない漏れ
溢流性膀胱過伸展 + 低収縮常に少量ずつ漏れ + 残尿感
機能性認知/身体機能障害トイレまで間に合わず漏れる

一目で比較!: 腹圧性 vs 切迫性 → 「漏れるきっかけ」が決め手! 腹圧性は「動作」、切迫性は「尿意」がトリガー。
看護過程ポイント: アセスメントでは排尿日誌 (Bladder Diary)が重要です。漏れた時間・量・きっかけ(咳嗽/尿意/動作)を記録してもらい、尿失禁のタイプを特定します。骨盤底筋訓練の指導や生活指導(体重管理、便秘予防、水分摂取調整)を計画します。
暗記のコツ: 「腹圧→stress→咳/くしゃみ/笑う/ジャンプ」と連想。「切迫→urge→尿意が切迫→我慢できない」で覚えましょう。
国試頻出ポイント: 尿失禁の分類(特に腹圧性と切迫性の鑑別)は毎年のように出題されます。また、高齢者の排尿ケア(トイレ誘導、パッド選択、環境整備)と組み合わせた事例問題も頻出です。
出題パターン注意!: 単純な分類問に加え、「高齢女性、咳嗽時に尿漏れあり。看護師のアセスメントとして正しいのは?」のような状況設定問題で出題されます。排尿日誌の結果解釈や、適切な看護介入(骨盤底筋訓練 vs 膀胱訓練)を問う問題にも注意!

臨床シナリオ

臨床実践ガイド 臨床シナリオ (Clinical Scenario)
65歳女性、閉経後15年。趣味のグラウンドゴルフで、笑ったりジャンプした時に尿が漏れると悩んで来院。パッドを常時使用しているが、外出が不安。問診で「咳やくしゃみでも漏れます」と話す。内診で腟壁の萎縮と軽度の骨盤臓器脱が認められた。
看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment)
1. 観察・アセスメント: 排尿日誌の記録を依頼(3日間程度)。腹圧性尿失禁の確定診断には咳嗽ストレステスト(咳をしてもらって漏れを直接確認)も有用です。残尿測定(正常:50mL未満)で溢流性を否定します。 2. 看護介入: 最重要! 骨盤底筋訓練 (Pelvic Floor Muscle Training, PFMT)を指導します(ケーゲル体操)。週3~4回、1日8~12回の収縮を継続。効果が出るまで3~6ヶ月かかることを説明し、モチベーション維持を支援します。生活指導として、適正体重維持、便秘予防、重い物を持つ時の注意を伝えます。必要に応じて、尿道スリング手術 (Mid-urethral Sling)の情報提供も行います。 3. 評価: 1~2ヶ月後に排尿日誌と症状の変化を再評価。改善が不十分なら、専門医(泌尿器科・婦人科・排尿ケア認定看護師)への紹介を検討します。
看護プロトコル: 観察項目:排尿日誌(漏れの頻度・量・きっかけ・パッド使用枚数)、残尿測定、内診所見(骨盤臓器脱の程度)。報告基準(SBAR):「S(状況):咳嗽時の尿漏れあり、パッド使用中。B(背景):閉経後女性、骨盤底筋の弛緩が疑われる。A(アセスメント):腹圧性尿失禁の可能性が高い。R(提案):骨盤底筋訓練の開始と、必要に応じて専門医紹介を検討してほしい。」記録のポイント:排尿日誌の結果、指導内容、患者の理解度と希望を記載。
先輩看護師の一言
「尿失禁は、患者さんにとってはとても話しづらい悩みです。でも、適切なケアで症状は改善できる疾患です!『年のせい』と諦めさせず、排尿日誌や骨盤底筋訓練を一緒にやってみましょう。患者さんが『これで外出が楽しめるようになった』と言ってくれた時の喜びは格別ですよ!」

重要概念

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