70歳の男性。脳梗塞の後遺症で左片麻痺があり、車椅子で生活している。衣服の着脱を自立させるための援助で適切なのはどれか。 | MyMerci
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問題

70歳の男性。脳梗塞の後遺症で左片麻痺があり、車椅子で生活している。衣服の着脱を自立させるための援助で適切なのはどれか。

解説
片麻痺患者の衣服の着脱は、着る時は動かしやすい健側の袖から通し、脱ぐ時は麻痺側の袖から先に抜くのが基本である。これにより、麻痺側の腕を無理に動かさずに安全に着脱できる。
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詳細解説

核心解説 この問題は、脳梗塞 (Cerebral Infarction) 後遺症による最重要!片麻痺 (Hemiplegia) 患者の衣服着脱 (Dressing/Undressing) 自立支援における基本原則を問うています。この技術は日常生活活動 (ADL: Activities of Daily Living) の中でも基本動作であり、患者の自尊心とQOL向上に直結します。 正解の根拠 (Answer Rationale): 片麻痺患者の衣服着脱の原則は「着るときは健側から、脱ぐときは麻痺側から」です。これは、麻痺側の上肢を無理に動かさず、関節の脱臼や疼痛を防ぎながら、安全かつ効率的に動作を進めるための合理的な方法です。
具体的には、
着衣時 (Dressing): まず健側の袖を通し、次に体を回旋させるなどして麻痺側の袖を通し、最後にボタンやファスナーを処理します。健側主導で動かせるため、安定した動作が可能です。
脱衣時 (Undressing): まず麻痺側の袖から抜き、次に健側の袖を抜きます。麻痺側が先に抜けることで、麻痺側の腕が衣服に引っかかって転倒したり、無理な力がかかったりするリスクを回避できます。 誤答の分析 (Distractor Analysis):
混同注意! ①番「着る時は麻痺側から、脱ぐ時は健側から」は、上記の正しい原則と完全に逆です。これを実施すると、麻痺側の上肢に無理な負担がかかり、肩関節亜脱臼や痛みの原因になります。
②番「着る時も脱ぐ時も健側から」は、脱衣時に麻痺側が最後に残るため、麻痺側の腕が袖に引っかかりやすく、バランスを崩す危険性があります。
④番「着る時も脱ぐ時も麻痺側から」は、常に麻痺側を主体とした動作となり、最も危険で非効率的です。
⑤番「衣服はすべて前開きのものに変更する」は、片麻痺患者にとって着脱しやすい補助手段として有効な場合もありますが、「自立させるための援助」の観点では、患者の残存機能を最大限活用して自力で行える方法を優先すべきです。全員に一律に前開きを強制するのは、患者の個別性や自己決定権を無視することになります。 関連概念の整理 (Related Concepts):
この原則は、片麻痺患者の移乗動作 (Transfer)更衣動作 (Grooming) 全般に応用できます。例えば、車椅子 (Wheelchair) とベッド間の移乗も、原則として健側(非麻痺側)をベッドや車椅子に向けて行う「健側優位」の動作が基本です。また、上衣だけでなく、ズボンの着脱も同様の原則で指導します。
動作開始側理由
着衣健側健側で主導して動かしやすい
脱衣麻痺側麻痺側を先に抜いて安全確保

概念整理: 片麻痺 (Hemiplegia) 患者のADL自立支援の基本原則。健側(非麻痺側)を優位に使うことで、安全と効率性を両立させる。
一目で比較!: 「着る: 健側→麻痺側」vs「脱ぐ: 麻痺側→健側」。この語呂合わせで覚えましょう!「着る(健)→脱ぐ(麻)」と頭文字を取ると「着健脱麻」。
看護過程ポイント: アセスメントでは、患者の麻痺の程度(Brunnstrom Stageなど)、関節可動域、座位バランス、認知機能を評価。計画では、患者の残存機能を最大限引き出す段階的な介助方法を立案。実施では、患者のペースを尊重し、声かけと見守りを基本とする。評価では、患者が安全に、かつ疲労なく実施できているか、自己効力感が高まっているかを確認。
暗記のコツ: 「着る時は健康(健側)な方から、脱ぐ時はマヒ(麻痺側)な方から」とリズムで覚えましょう。
国試頻出ポイント: この「着健脱麻」の原則は、脳血管疾患患者のADL問題として毎年と言っていいほど頻出です。単純な知識問題だけでなく、事例問題の中で「この患者に適切な指導はどれか」という形で出題されることが多いため、原理をしっかり理解しておきましょう。
出題パターン注意!: 事例問題に発展した場合、「70代男性、左片麻痺。ADL訓練の一環として衣服の着脱を指導することになった。看護師の指導として適切なのはどれか。」のような形で、選択肢に「着る時は麻痺側から」「脱ぐ時は健側から」などの誤った組み合わせが提示されるので注意!

臨床シナリオ

臨床実践ガイド 臨床シナリオ (Clinical Scenario): 脳卒中急性期・回復期リハビリテーション病棟に勤務する看護師Aさん。左片麻痺の患者さん(70代男性)が、朝の更衣動作に時間がかかっており、看護師に「着替えがうまくできない」と訴えています。Aさんは、患者さんの残存機能を活かしながら、安全に着脱が行えるよう指導する必要があります。 看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment):
観察 (Observation): 患者さんの麻痺の程度(肩の亜脱臼の有無、手指の伸展状態)、座位バランス、疲労度、認知機能(手順を理解できるか)を観察します。
アセスメント (Assessment): 「患者さんは左片麻痺があり、健側(右側)は問題なく動かせる。着替えの際に麻痺側の左腕を無理に動かそうとして、バランスを崩す場面が見られる。」と判断します。
計画・実施 (Plan & Intervention): 患者さんに「着る時は右(健側)の袖から先に入れて、脱ぐ時は左(麻痺側)の袖から先に抜くようにしましょう。そうすることで、腕に負担がかからず、安全にできますよ。」と具体的に指導します。必要に応じて、衣類の選択(前開きや伸縮性のある素材)も提案しますが、まずは患者さんの残存機能を活用した方法を優先します。
評価 (Evaluation): 患者さんが新しい方法を安全に実施でき、所要時間が短縮したか、自己効力感が高まったかを確認します。 患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions):
- 最重要注意! 麻痺側の肩関節を無理に動かすと、肩関節亜脱臼 (Shoulder Subluxation)肩手症候群 (Shoulder-Hand Syndrome) を誘発する危険性があるため、絶対に避けてください。
- 転倒防止のため、着替え中は必ず車椅子のブレーキがかかっていること、または安定した座位が取れていることを確認します。
- 患者さんの疲労度に応じて、休憩を挟みながら行うよう促します。
- 認知機能に問題がある場合は、見守りを強化し、段階的な声かけを行います。
看護プロトコル: 観察項目(麻痺側の状態、バランス、疲労度)、報告基準(新たな疼痛出現、動作困難の訴え、転倒リスクの増大)、記録のポイント(指導内容と患者の反応、実施した介助量、安全に実施できたか)。
先輩看護師の一言: 「国試では『着る時は健側から、脱ぐ時は麻痺側から』という原則をしっかり覚えてください。でも現場では、患者さん一人ひとりの身体機能や好みに合わせて、『前開きの服を勧める』『ボタンをマジックテープに変える』など、個別性を大切にした支援も求められます。基本を押さえた上で、柔軟に対応できる看護師を目指しましょう!」

重要概念

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