大動脈弁狭窄症に対する大動脈弁置換術後の患者の看護で最も注意すべき合併症はどれか。 | MyMerci
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循環機能障害のある患者の看護
問題

大動脈弁狭窄症に対する大動脈弁置換術後の患者の看護で最も注意すべき合併症はどれか。

解説
大動脈弁置換術後は心機能が低下しやすく、低心拍出量症候群(LOS)が最も注意すべき合併症である。LOSは血圧低下、尿量減少、末梢冷感などを呈し、早期発見と対応が必要である。他の選択肢も合併症として起こり得るが、LOSが最も生命に関わる。
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詳細解説

核心解説 この問題は、大動脈弁狭窄症 (Aortic Stenosis) に対する 大動脈弁置換術 (Aortic Valve Replacement, AVR) 後の急性期看護において、最も生命に関わる合併症を問うています。大動脈弁狭窄症 では、左室の圧負荷により心筋が求心性肥大を起こし、心機能が低下した状態です。弁置換術により圧負荷は解除されますが、術後の心筋はまだ脆弱であり、心拍出量が維持できない状態に陥りやすいため、低心拍出量症候群 (Low Output Syndrome, LOS) の予防と早期発見が最優先の看護課題となります。 正解の根拠 (Answer Rationale)
最重要! 大動脈弁置換術後、最も注意すべき合併症は 低心拍出量症候群 (LOS) です。これは、心臓が全身の需要を満たすだけの血液を拍出できない状態を指します。術後の心筋障害、心筋保護の不十分さ、不整脈、循環血液量の変動などが原因となります。収縮期血圧低下(

臨床シナリオ

臨床実践ガイド 臨床シナリオ (Clinical Scenario)
70代男性。大動脈弁狭窄症(重症)に対し、大動脈弁置換術を施行。術後2時間でICUに入室。人工呼吸器管理中(FiO2 0.4, SIMVモード)。胸腔ドレーンからの排液は淡血性で50mL/h。心電図モニター上は洞調律。バイタルサイン:BP 88/52mmHg(昇圧薬ノルアドレナリン 0.1γ 持続投与中)、HR 98bpm、SpO2 97%。尿量は30mL/h。あなたが夜勤帯で受け持ち、バイタルサイン測定のために訪室すると、患者は「何だか息苦しい」と訴え、顔色が蒼白で、末梢が冷たく感じられます。 看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment)
1. 観察: まず、SpO2波形、心電図モニター、血圧(侵襲的血圧測定値)、尿量を確認します。胸腔ドレーン排液の性状・量、血液ガス分析の結果(乳酸値の上昇がないか)も確認。 2. アセスメント: バイタルサインと臨床症状から、最重要! 低心拍出量症候群(LOS)を強く疑います。乳酸値が上昇していれば、組織の低灌流が進行している証拠です。 3. 報告(SBAR): 医師へSBARで報告します。
- S (状況): 「大動脈弁置換術後2時間の患者です。血圧が88/52と低下傾向で、顔色が蒼白、末梢冷感があります。」
- B (背景): 「ノルアドレナリンを0.1γで投与中です。尿量は30mL/hと減少しています。」
- A (アセスメント): 「低心拍出量症候群を疑っています。心拍出量が低下している可能性が高いです。」
- R (提案): 「輸液負荷の指示、または昇圧薬の増量、あるいはIABPの適応検討をお願いします。」 4. 介入: 医師の指示に従い、輸液(アルブミンやヘスパンダーなど)を開始、昇圧薬の投与速度を調整します。IABP挿入の準備(バルーンカテーテル、駆動装置)を行います。 患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions)
- 絶対に避けるべき行為: 低血圧の状態で、患者を無理に起こしたり、体位変換を強行しないこと。心臓への負荷が増大し、さらに血圧が低下する可能性があります。 - 転倒・転落予防: せん妄を合併している場合、LOSの低灌流がせん妄を悪化させる可能性があります。ベッド柵の固定、センサーマットの使用、必要に応じて身体抑制の検討を行います。 - 感染対策: 中心静脈ラインや動脈ラインの挿入部は、感染の entry port となります。清潔操作を徹底し、発赤や排膿がないか確認します。 看護プロトコル - 観察頻度: 術後急性期は15~30分ごとにバイタルサイン、尿量、CVP、心係数(CI)を測定・記録。 - 報告基準: 収縮期血圧が80mmHg未満、または前回値より20%以上低下。尿量が25mL/h未満が2時間以上持続。乳酸値が2.0mmol/L以上に上昇。 - 記録のポイント: 時間、バイタルサイン、尿量、昇圧薬の投与量、輸液量、ドレーン排液量、患者の全身状態(顔色、末梢温感、意識レベル)を具体的に記載。 - 家族への説明: 「手術後の心臓の働きが一時的に低下することがあり、今その状態です。点滴やお薬で心臓の働きをサポートしています。ご心配をおかけしますが、集中して治療にあたっています。」と、専門用語を使わずに説明。 先輩看護師の一言 「心臓手術後の患者さんは、『何となく変だな』という感覚がとても大事です。数値が正常範囲内でも、患者さんの訴え(『息苦しい』『何だか変』)や、顔色、末梢の冷たさは、LOSの最初のサインです。国試では『この数値なら大丈夫』と覚えがちですが、現場では『正常値の範囲内でも、変化の方向性』を見ることが最も重要です。血圧が120→100と下がっている、尿量が50→30と減っている、この『変化』に気づける看護師になってください!」

重要概念

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