核心解説
この問題は、日本の医療計画における「5疾病5事業」に関する知識を問うものです。医療計画とは、
医療法 (Medical Care Act)に基づき、都道府県が地域の医療提供体制を計画的に整備するために策定するものです。この中で、特に重点的に医療資源を投入し、医療連携体制の構築が求められているのが5疾病と5事業です。5疾病には、
がん (Cancer)、
脳卒中 (Stroke)、
急性心筋梗塞 (Acute Myocardial Infarction)、
糖尿病 (Diabetes Mellitus)、
精神疾患 (Mental Disorders)が含まれます。したがって、選択肢の中で5疾病に該当するのは「糖尿病」のみです。
正解の根拠 (Answer Rationale): 医療計画の5疾病は、国民の主要な死因や寝たきりの原因となる疾患であり、急性期から回復期、在宅に至るまでの切れ目ない医療連携体制(地域連携クリティカルパスなど)の整備が求められています。選択肢4の
糖尿病 (Diabetes Mellitus)は、5疾病の一つとして指定されており、合併症予防と重症化防止のための医療体制構築が重要視されています。
誤答の分析 (Distractor Analysis):
混同注意!
①番の脂質異常症:生活習慣病の一つですが、5疾病には含まれていません。高血圧症や脂質異常症は、5疾病のリスク因子として重要ですが、疾病そのものとしては指定外です。
②番の白内障:加齢性眼疾患であり、5疾病には含まれていません。
③番の高血圧症:同じく生活習慣病ですが、5疾病には含まれていません。脳卒中や急性心筋梗塞の主要な危険因子です。
⑤番の骨粗鬆症:加齢やホルモンバランスに関連する疾患で、5疾病には含まれていません。
関連概念の整理 (Related Concepts): 5疾病と併せて、「5事業」も頻出です。5事業とは、
救急医療 (Emergency Medical Care)、
災害時医療 (Disaster Medical Care)、
へき地医療 (Remote Area Medical Care)、
周産期医療 (Perinatal Medical Care)、
小児医療 (Pediatric Medical Care)(および在宅医療)です。近年の法改正では、在宅医療も5事業に加わり、6事業として扱われることもあります。
概念整理: 医療計画の5疾病5事業
| 区分 | 内容 |
|---|
| 5疾病 | がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病、精神疾患 |
| 5事業 | 救急医療、災害時医療、へき地医療、周産期医療、小児医療(+在宅医療) |
一目で比較!:
混同注意! 5疾病は「疾患そのもの」、5事業は「医療提供体制の区分」です。また、特定健診・特定保健指導で対象となる「メタボリックシンドローム」や「生活習慣病(高血圧、脂質異常症など)」とは区別して覚えましょう。
看護過程ポイント: この知識は、地域包括ケアシステムや在宅移行支援の計画立案に直結します。糖尿病患者への退院指導では、地域の医療連携パスを活用し、かかりつけ医や専門医、訪問看護ステーションとの連携をスムーズにする役割を看護師が担います。
暗記のコツ: 「
5疾病は『ガン・脳・心・糖・精』(がん、のう、しん、とう、せい)」と語呂合わせで覚えましょう。5事業は「
救・災・へ・周・小(きゅう、さい、へ、しゅう、しょう)」と頭文字を取ると覚えやすいです。
国試頻出ポイント: 5疾病5事業は、保健医療行政の分野から毎年のように出題される超頻出テーマです。特に、具体的な疾患名を選ばせる問題や、事業の内容を問う問題がよく出ます。また、地域包括ケアシステムや介護保険法との関連で問われることもあります。
出題パターン注意!: 「5疾病に含まれないものはどれか」「5事業に含まれるものを選べ」といった単純知識問題だけでなく、事例問題で「この患者の疾患は5疾病に該当するか」を判断させる問題や、地域連携クリティカルパスの対象疾患として出題されることもあります。