核心解説
この問題は、日本の医療施設の種別と、それぞれの場で看護師が果たす役割を正しく理解しているかを問うています。
特定機能病院 (Specific Function Hospital)とは、
高度な医療技術の提供、医療の研究開発、および高度な医療従事者の研修を目的として、厚生労働大臣の承認を受けた病院です(医療法第4条の2)。したがって、この病院に勤務する看護師の役割として最も適切なのは、
高度な医療技術を要する患者の看護を専門的に提供することです。
正解の根拠 (Answer Rationale)
正解は②です。特定機能病院は、大学病院本院や国立高度専門医療研究センター(ナショナルセンター)などが該当し、
最重要! 高度急性期医療、臓器移植、先端がん治療、複雑な心血管手術など、
一般病院では対応が難しい高度かつ専門的な医療を提供します。看護師は、これらの患者に対して、専門的な知識と技術に基づく高度な看護を実践することが求められます。
誤答の分析 (Distractor Analysis)
①
混同注意! 学校保健における健康診断は、
養護教諭 (Yogo Teacher / School Nurse)の主な役割です。特定機能病院の看護師の役割ではありません。
③ 介護予防事業の企画・運営は、
地域包括支援センター (Community General Support Center)や
市町村保健センター (Municipal Health Center)の保健師などが担う役割です。
④ 地域住民の健康相談は、
保健所 (Public Health Center)や
保健センター (Health Center)に勤務する
保健師 (Public Health Nurse)の主要な業務です。
⑤ 在宅療養患者への訪問看護は、
訪問看護ステーション (Home-visit Nursing Station)や診療所の
訪問看護師 (Home-visit Nurse)が提供するサービスです。
関連概念の整理 (Related Concepts)
医療施設の種別と看護師の役割を整理しましょう。
| 施設種別 | 主な目的 | 看護師の主な役割 |
| 特定機能病院 | 高度医療の提供・研究・研修 | 高度急性期患者への専門看護 |
| 地域医療支援病院 | かかりつけ医を支援・地域医療連携 | 地域完結型の医療提供・紹介患者への対応 |
| 一般病院 | 一般の入院医療 | 急性期から回復期までの幅広い看護 |
| 診療所 (クリニック) | 外来診療・在宅医療 | 外来ケア・在宅療養支援 |
| 保健所 | 地域保健・公衆衛生 | 感染症対策・健康相談・予防接種 |
| 訪問看護ステーション | 在宅療養支援 | 訪問看護・ターミナルケア・介護予防 |
| 学校 | 児童生徒の健康管理 | 健康診断・保健指導・救急処置 |
概念整理
特定機能病院 = 「高度な医療技術」 + 「研究」 + 「研修」の3つの柱。看護師は、特に
高度急性期看護 (High Acuity Nursing)のエキスパートとしての役割が求められます。国試では「特定機能病院の目的は?」という直接的な知識問題と、他の施設の役割と混同させた組み合わせ問題で頻出です。
一目で比較!
特定機能病院 vs
地域医療支援病院の違いを必ず押さえましょう。前者が「高度・先進・専門」、後者が「地域連携・かかりつけ医支援」という点が最大の違いです。
国試頻出ポイント
「特定機能病院の承認要件(病床数400以上、ICU・CCUなどの特定集中治療室の設置、倫理委員会の設置など)」や「特定機能病院と地域医療支援病院の比較」、「各施設の看護師の役割の違い」が出題されます。
出題パターン注意!
事例問題で「この患者さんは高度な医療を要する状態ですが、入院先として最も適切な病院はどれか」という形で、病院の機能を理解した上での転院判断を問われることもあります。