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問題

感染性廃棄物の処理方法として正しいのはどれか。

解説
注射針などの鋭利なものは、針刺し事故防止のため、キャップを元に戻さずに専用の鋭利なもの用容器(リスクマネジメント容器)に直接廃棄する。感染性廃棄物は一般廃棄物とは分別し、専用の容器に密閉して廃棄する。血液が付着したガーゼは感染性廃棄物として処理する。
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詳細解説

核心解説 この問題は、感染性廃棄物 (Infectious Waste) の適切な処理方法に関する基礎知識を問うています。医療現場では、感染症予防と医療従事者の安全確保のために、廃棄物の厳格な分別と処理が必須です。特に 針刺し事故 (Needlestick Injury) は、B型肝炎ウイルス (HBV) やHIVなどの血液媒介感染症につながる重大なインシデントであり、その予防が最優先されます。感染性廃棄物は、廃棄物処理法 (Waste Disposal Act) および 医療法 (Medical Care Act) 関連のガイドラインに従い、一般廃棄物とは完全に区分し、専用容器に密閉して処理します。 正解の根拠 (Answer Rationale)
最重要! 正解は「注射針は専用の鋭利なもの用容器に廃棄する」です。注射針やメスなどの鋭利な器具は、使用後すぐにキャップを元に戻さずに、専用の耐穿刺性容器 (Sharps Container) に直接廃棄します。これは、キャップを戻そうとして針を刺してしまう事故を防ぐための基本ルールです。この容器は「リスクマネジメント容器」とも呼ばれ、黄色や赤色などで明確に表示されています。 誤答の分析 (Distractor Analysis)
- 混同注意! ②番「注射針はキャップを元に戻してから廃棄する」は重大な誤りです。キャップを戻す行為自体が針刺し事故のリスクを高めます。絶対に禁止されている行為です。
- ③番「血液が付着したガーゼは一般廃棄物として廃棄する」は誤りです。血液や体液が付着したガーゼ、脱脂綿、ドレッシング材などは、感染性廃棄物 (Infectious Waste) に分類され、専用の容器に廃棄しなければなりません。
- ④番「感染性廃棄物は密閉せずに廃棄する」は誤りです。感染性廃棄物は、感染源の拡散を防ぐため、必ず密閉できる専用容器で廃棄します。
- ⑤番「感染性廃棄物は一般廃棄物と一緒に廃棄する」は誤りです。これは最も基本的なルール違反です。感染性廃棄物は一般廃棄物と完全に分別して処理されます。 関連概念の整理 (Related Concepts)
感染性廃棄物の分類は、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(廃棄物処理法)「医療法」に基づく「医療廃棄物処理ガイドライン」に従います。主な分類として、① 感染性廃棄物(血液・体液付着物、病理廃棄物、微生物に関連する廃棄物など)、② 非感染性廃棄物(一般オムツ、点滴バッグなど)、③ 鋭利なもの(針、メス、アンプル)があります。現場では、産業廃棄物 (Industrial Waste) として委託処理されることも多く、マニフェスト伝票による管理が義務付けられています。
概念整理: 感染性廃棄物の基本原則
廃棄物の種類具体例処理方法
鋭利なもの (Sharps)注射針、メス、アンプル専用の耐穿刺性容器に直接廃棄 (キャップは戻さない)
感染性廃棄物 (血液・体液付着)血液付きガーゼ、ドレッシング、病理組織専用の感染性廃棄物容器に密閉して廃棄
一般廃棄物 (非感染性)食事の包装、書類、紙オムツ (感染症でない場合)一般ごみとして廃棄 (自治体のルールに従う)

一目で比較!: 注射針廃棄の2大ルール
適切な処理不適切な処理 (禁止行為)
使用後すぐに専用容器に廃棄キャップを戻そうとする
キャップは戻さずに直接廃棄容器の外に放置する
容器がいっぱいになる前に交換針を折り曲げたり、切断する

看護過程ポイント: アセスメント・介入・評価
- アセスメント: 患者の感染症の有無 (HBV, HCV, HIV, MRSAなど)、使用する医療器具の種類、廃棄物の量と分類を評価します。 - 看護診断: 「感染リスク状態 (Risk for Infection)」「転倒・外傷リスク状態 (Risk for Injury)」に関連し、特に「針刺し事故 (Needlestick Injury)」の予防が中心的課題です。 - 計画・実施: 注射や採血後は、ワンハンドテクニック (One-Hand Technique) を徹底し、必ず専用容器まで歩いて廃棄します。容器は患者のベッドサイドに置かず、安全な場所 (ナースステーションや処置室) に設置します。 - 評価: 針刺し事故の発生率、スタッフの廃棄ルール遵守率を定期的に監査します。針刺し事故が発生した場合は、直ちに流水で洗浄し、所属長と感染対策チーム (ICT) に報告します。
暗記のコツ: 「キャップは戻さない、専用容器に直行!」と覚えましょう。「針は戻さない、直接ポイ」が合言葉です。また、感染性廃棄物の容器は、「黄色」のものが多いです (病院によっては赤や白もありますが、一般的に黄色=感染性廃棄物と連想すると覚えやすい)。
国試頻出ポイント: この問題は基礎看護技術 (Basic Nursing Skills) の「医療安全」および「感染対策 (Infection Control)」の分野から毎年必ず出題されます。特に「針刺し事故防止のための具体的な廃棄方法」と「感染性廃棄物と一般廃棄物の区別」は最重要! 状況設定問題で「看護師が誤った処理をしている場面を見つけ、正しい指導を選ぶ」といった形でも頻出です。
出題パターン注意!: 単純な知識問題(「正しいのはどれか」)から、事例問題(「新人看護師が行った行為のうち、誤っているのはどれか」)への発展が典型的です。例えば、「血液培養採取後、針をキャップに戻そうとして針刺し事故が発生した」というシナリオから、事故後の対応(曝露後の予防措置 (PEP))や報告義務(インシデントレポート)まで問われることもあります。

臨床シナリオ

臨床実践ガイド 臨床シナリオ (Clinical Scenario)
新人看護師Aさんは、糖尿病患者のインスリン注射後、注射針のキャップを戻そうとして、誤って自分の人差し指を刺してしまいました。幸い患者はB型肝炎、C型肝炎、HIVのいずれも陰性でしたが、Aさんは大きなショックを受けています。先輩看護師として、Aさんにどのように指導し、今後の事故防止策を伝えますか? 看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment)
1. 即時対応: まずAさんを落ち着かせ、刺された部位を流水と石鹸でよく洗浄します。消毒は70%エタノールやポビドンヨードで行います。絞り出すような行為は組織を傷つけるため行いません。 2. 報告: 所属長 (看護師長) と感染対策チーム (ICT) へ直ちに報告します。患者の感染症の有無を確認し、必要に応じて曝露後予防措置 (PEP) を検討します。 3. 記録: インシデントレポートを作成し、事故の発生状況、使用した器具、患者情報、Aさんの健康状態を正確に記録します。 4. 教育: Aさんに、「注射針のキャップは絶対に戻さない」というルールを再度徹底します。また、ワンハンドテクニック (One-Hand Technique) の実演指導を行います(利き手で注射器を持ち、針を専用容器に直接廃棄する方法)。 患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions)
- 最重要! 針刺し事故の予防策: 使用済み針は 絶対にキャップを戻さない。すぐに専用容器 (Sharps Container) に廃棄する。容器は目線より高い位置に設置しない (廃棄時に針が見えにくくなるため)。
- 感染対策: 針刺し事故が発生した場合、患者がHBV陽性であれば、被曝後72時間以内にHBVワクチンとHBIGの投与を検討します。HCV陽性の場合は、早期の抗ウイルス療法開始が推奨されます。HIV陽性の場合は、可能な限り早期 (理想的には2時間以内) にPEPを開始します。
- 特定集団の注意: 小児への注射では、暴れる可能性があるため、身体抑制と安全な廃棄を同時に考慮します。高齢者では、皮膚が脆弱なため、針刺し事故が生じやすいですが、廃棄ルールは変わりません。
看護プロトコル: 注射後の基本手順
1. 注射器から針を抜く (リキャップ不要)
2. 針先を自分や他人に向けない
3. すぐに専用容器に廃棄 (針先を下にして、静かに挿入)
4. 注射器本体は非感染性廃棄物として処理 (感染性廃棄物でない場合)
5. 手洗い (流水と石鹸で20秒以上)
先輩看護師の一言: 「針刺し事故は、忙しいときや慣れた手つきで作業をしているときに起こりやすいです。『キャップを戻す』という一見小さな行為が、命に関わる感染症リスクを生みます。必ずワンハンドテクニックをマスターし、どんなに急いでいても、注射後はまず専用容器まで歩く習慣をつけてください。あなたの安全が、患者さんの安全にもつながります!」

重要概念

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