高齢者における脱水症の特徴として誤っているのはどれか。 | MyMerci
内部環境調節機能の障害
問題

高齢者における脱水症の特徴として誤っているのはどれか。

解説
高齢者の脱水症では、等張性脱水が多く、血清ナトリウム濃度は必ずしも上昇するとは限りません。口渇感の低下や腎機能低下による調節能の低下、皮膚のツルゴール低下などが特徴です。血清ナトリウム濃度は脱水の種類によって変動します。

詳細解説

核心解説 この問題は、高齢者の脱水症 (Dehydration in the Elderly) の特徴を問うています。特に、若年者と比較した際の病態生理の違いと、典型的な検査所見の知識が鍵となります。高齢者は、加齢変化により水分・電解質バランスの恒常性維持機能が低下しているため、脱水症の病態や症状が非典型的であることが多い点を押さえましょう。 正解の根拠 (Answer Rationale) 最重要! 正解は「血清ナトリウム濃度は必ず上昇する」です。これは誤った記述です。 高齢者の脱水症では、水分とナトリウムの喪失バランスによって血清ナトリウム濃度は変動します。水分喪失が先行する高張性脱水(血清Na>145mEq/L)、ナトリウム喪失が主体の低張性脱水(血清Na145mEq/L)水分少ない(口渇感低下により生じにくいが、経管栄養・糖尿病で起こりうる) 等張性脱水 (Isotonic Dehydration)正常 (135-145mEq/L)水分とナトリウムが均衡最も多い 低張性脱水 (Hypotonic Dehydration)低下 (

臨床シナリオ

臨床実践ガイド 臨床シナリオ (Clinical Scenario): 85歳女性、施設入居中。数日前から微熱と軟便が続いています。今日の昼食を半分しか食べず、夕方から普段より元気がなく、話しかけても反応が鈍くなってきました。バイタルサインは血圧 88/50mmHg、脈拍 104bpm、体温 37.8℃、SpO2 97%(室内気)。あなたはこの変化に気づき、どのようなアセスメントと介入を行いますか? 看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment): 1. 観察: まず、脱水症 (Dehydration) を強く疑います。意識レベル(JCSで評価)、口腔内・舌の乾燥、皮膚ツルゴール(前腕内側を軽くつまんで戻りを確認)、尿量・尿の色を確認します。介護記録から水分摂取量と排泄量(下痢の回数と性状)も把握します。 2. アセスメント: バイタルサインからは低血圧と代償性頻脈が認められ、意識レベルの低下(傾眠傾向)は脳血流低下の可能性を示唆します。発熱と下痢による不感蒸泄と消化管喪失の増加、それに加齢による口渇感低下と腎機能低下が重なった、典型的な高齢者の急性脱水症と判断します。 3. 報告(SBAR): 「S(状況):85歳女性、今日の夕方から意識レベルが低下し、バイタルサインは低血圧・頻脈です。A(背景):数日前から微熱と下痢があり、水分摂取が減少していました。脱水症が疑われます。R(評価):経口補水は困難と判断します。A(提案):静脈路確保の指示と、血液検査(電解質、腎機能)のオーダーをお願いします。」 4. 介入: 医師の指示を受け、生理食塩液や乳酸リンゲル液 などの輸液を開始。高齢者では心不全リスクもあるため、輸液速度には十分注意します(最初は20~40ml/hrなど緩徐に)。転倒リスクが高いため、ベッド柵を上げ、コールを手の届く場所に置きます。必要に応じて、皮下輸液 (Hypodermoclysis) も選択肢の一つです。 患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions): - 最重要注意! 輸液の急速投与は、高齢者では容易に 心不全 (Heart Failure)肺水腫 (Pulmonary Edema) を引き起こします。特に心疾患の既往がある場合は要注意です。 - 意識レベル低下に伴う誤嚥リスク。経口補水を試みる場合は、座位を確保し、少量ずつ確認しながら提供します。 - 低ナトリウム血症(低張性脱水)による意識障害(痙攣を含む)のリスクもアセスメントする必要があります。
看護プロトコル: 観察項目(意識、バイタルサイン、尿量、体重、皮膚・粘膜の状態)、報告基準(意識レベル低下、血圧低下、尿量減少)、記録ポイント(水分出納バランス、バイタルサインの推移、与えたケアとその反応)。
先輩看護師の一言: 「高齢者の脱水は、『気づいたときには重症』というパターンが多いです。『なんとなく元気がない』というサインを見逃さないことが、看護師の腕の見せどころ!輸液の速度は、心不全予防のため『急がない』が鉄則です。現場では、点滴を始めたら呼吸音の聴取を必ず行って、肺のうっ血を早期に発見しましょう!」

重要概念

MyMerciで看護師国家試験を完全対策

過去問と詳しい解説を無料で。弱点を分析し、進捗を管理してより効率的に学習しましょう。

無料で始める

学習参考用です。実際の臨床は最新のガイドラインと所属機関のプロトコルに従ってください。