創傷治癒の過程で、最初に創部に浸潤し、壊死組織や細菌を貪食する細胞はどれか。 | MyMerci
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基本的な病変
問題

創傷治癒の過程で、最初に創部に浸潤し、壊死組織や細菌を貪食する細胞はどれか。

解説
創傷治癒の炎症期では、まず好中球 (Neutrophil) が創部に浸潤し、壊死組織や侵入した細菌を貪食して除去する。その後、マクロファージが出現し、さらに貪食を続けるとともに、線維芽細胞の増殖を促進するサイトカインを放出する。線維芽細胞は後期の増殖期に膠原線維を産生する。
同じテーマの次の問題細胞障害後の修復過程において、実質細胞が再生せずに結合組織で置き換えられる現象を何というか。

詳細解説

核心解説 この問題は、創傷治癒 (Wound Healing) の過程における細胞の役割と出現順序を問うています。創傷治癒は大きく炎症期(Inflammatory Phase)、増殖期(Proliferative Phase)、成熟期(Maturation Phase)に分かれます。特に初期の炎症期において、最初に浸潤して貪食を行う細胞を理解することが鍵となります。

1. 核心概念の分析 (Key Concept):
創傷が生じると、まず 止血 (Hemostasis) が起こり、血小板が凝集してフィブリン網を形成します。続いて 炎症反応 (Inflammatory Response) が始まり、血管拡張と透過性亢進により、白血球が創部に浸潤します。この炎症期に最初に動員される細胞が 好中球 (Neutrophil) です。好中球は 貪食作用 (Phagocytosis) により、壊死組織や侵入した細菌を処理し、創部を清浄化する役割を担います。

2. 正解の根拠 (Answer Rationale):
最重要! 創傷治癒の炎症期(受傷後24〜48時間以内)では、好中球 (Neutrophil) が化学遊走因子に引き寄せられて創部に最初に浸潤します。好中球は 壊死組織や細菌 を貪食し、活性酸素 (Reactive Oxygen Species) や酵素(エラスターゼなど) を放出して殺菌・消化を行います。この過程は、感染を予防し創傷治癒の土台を整えるために不可欠です。

3. 誤答の分析 (Distractor Analysis):
混同注意! 形質細胞 (Plasma Cell) は、Bリンパ球 (B Lymphocyte) が分化した細胞で、抗体産生に関与します。創傷治癒の後期、特に免疫応答の調整に関わりますが、最初の貪食には関与しません。
② 血管内皮細胞 (Vascular Endothelial Cell) は、血管の内側を覆う細胞で、創傷治癒の増殖期における 血管新生 (Angiogenesis) に重要な役割を果たします。炎症期の最初の貪食には関与しません。
④ 線維芽細胞 (Fibroblast) は、増殖期に創部に出現し、コラーゲン (Collagen) などの細胞外マトリックスを産生して創傷収縮と組織再建を促進します。炎症期の貪食には関与しません。
⑤ リンパ球 (Lymphocyte) は、主に免疫応答(細胞性免疫・液性免疫)を担当します。創傷治癒においては炎症期後半から増殖期にかけて出現し、マクロファージや線維芽細胞の働きを調整します。最初の貪食には関与しません。

4. 関連概念の整理 (Related Concepts):
好中球の後に出現する マクロファージ (Macrophage) も重要な貪食細胞ですが、好中球よりやや遅れて浸潤し、好中球が処理しきれなかった残骸や細菌を貪食するとともに、増殖因子 (Growth Factors) を放出 して線維芽細胞の遊走と増殖を促進します。このように、炎症期から増殖期への移行を調整するマクロファージの役割も併せて覚えておきましょう。

概念整理:
細胞主な役割出現時期
好中球 (Neutrophil)壊死組織・細菌の貪食炎症期(最初)
マクロファージ (Macrophage)貪食+増殖因子放出炎症期後半〜増殖期
線維芽細胞 (Fibroblast)コラーゲン産生・組織再建増殖期
血管内皮細胞 (Endothelial Cell)血管新生増殖期
形質細胞 (Plasma Cell)抗体産生免疫応答期

一目で比較!:
- 混同注意! 好中球(Neutrophil) vs マクロファージ(Macrophage)
好中球は「初期の掃除屋」、マクロファージは「後片付け+工事の指揮官」とイメージすると覚えやすいです。

看護過程ポイント:
- アセスメント: 創傷の種類(手術創、外傷、褥瘡など)と治癒段階(炎症期・増殖期・成熟期)を評価。発赤、腫脹、熱感、疼痛、排膿の有無を確認。
- 看護診断: 「皮膚統合性の障害」「感染リスク状態」など。
- 計画・実施: 清潔な創傷処置(ドレッシング交換)、感染徴候の早期発見、栄養状態の改善(特にタンパク質・ビタミンC・亜鉛)。
- 評価: 創傷の縮小、肉芽形成の有無、感染兆候の消失。

暗記のコツ:
好中球は最初に来る!」と語呂合わせで覚えましょう。「好(こう)は最初の『好』機(チャンス)」。好中球が壊死組織を掃除してから、次の細胞が働き始めます。

国試頻出ポイント:
創傷治癒の各段階と関与する細胞の組み合わせは、看護師国家試験で頻出です。特に「炎症期に最初に出現する細胞は?」という問いや、「線維芽細胞の役割は?」といった問題が出題されやすいです。また、糖尿病 (Diabetes Mellitus) による創傷治癒遅延のメカニズム(好中球機能低下、微小循環障害)と関連した応用問題もよく見られます。

出題パターン注意!:
単純な知識問題から、「術後患者の創部に発赤と排膿がみられる。この時期に最も活性化している細胞はどれか?」といった状況設定問題に発展します。好中球の働きを理解していれば、感染初期の炎症反応として捉えられます。

臨床シナリオ

臨床実践ガイド 臨床シナリオ (Clinical Scenario):
70代男性、糖尿病と末梢動脈疾患を有する患者の足趾に発生した 褥瘡 (Pressure Ulcer / Bed Sore) を観察したところ、創部に黄白色の壊死組織と悪臭、周囲の発赤・腫脹が認められました。看護師として、創傷治癒のどの段階にあると考え、どのような介入を優先すべきでしょうか?

看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment):
最重要! まず、創部の 感染徴候 (Signs of Infection) を評価します。発赤、腫脹、熱感、疼痛、排膿、悪臭は細菌感染の可能性を示します。この患者の場合、好中球の機能が糖尿病により低下している可能性があり、感染が遷延しやすい状態です。
1. 観察: 創部のサイズ、深さ、滲出液の性状・量、周囲皮膚の状態を記録。 バイタルサイン (Vital Signs) の発熱の有無 を確認。
2. アセスメント: 炎症期が遷延し、感染が疑われる状態。好中球の貪食作用が不十分である可能性。
3. 報告・介入: 医師へ SBAR を用いて報告(Situation: 褥瘡感染の可能性、Background: 糖尿病と末梢動脈疾患、Assessment: 炎症徴候あり、Recommendation: 創部培養と抗菌薬投与の検討)。
4. ケア: 生理食塩水 (Normal Saline) を用いた洗浄、デブリードマン (Debridement) の準備(壊死組織除去)。

患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions):
- 糖尿病 (Diabetes Mellitus) 患者では、好中球の遊走能・貪食能が低下しているため、感染リスクが高い。創傷治癒が遅延しやすいことを認識し、厳重な観察が必要。
- 混同注意! 抗菌薬の感受性結果が出るまでは、経験的抗菌薬投与が行われることがある。アレルギーの有無を必ず確認。
- 感染が全身に波及する 敗血症 (Sepsis) のリスクがあるため、バイタルサインの頻回測定と全身状態の観察が不可欠。

看護プロトコル:
- 観察項目: 創部の写真撮影(経過記録用)、滲出液の培養検査提出、疼痛評価(Numerical Rating Scale)
- 報告基準(SBAR): S(状況)「創部に感染徴候がみられます」、B(背景)「糖尿病の既往があります」、A(アセスメント)「好中球機能低下による感染遷延の可能性があります」、R(推奨)「創部培養と抗菌薬投与を提案します」
- 記録のポイント: 創部の位置、大きさ、色調、滲出液の性状、処置内容と患者の反応。

先輩看護師の一言:
「創傷治癒のメカニズムを理解すると、なぜ術後創部の観察が重要なのか、なぜ糖尿病患者さんの創傷治癒が遅いのかが明確になります。単に『好中球が最初』と暗記するのではなく、『好中球が壊死組織を食べて掃除しているから、感染予防にはまず創部を清潔に保つ必要がある』とつなげて考えてください。そうすることで、臨床でのアセスメント力がぐんと上がります!」

重要概念

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