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消化器系
膵臓の外分泌機能として正しいものはどれか。
-
1
グレリンを分泌する。
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2
インスリンを分泌する。
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3
ソマトスタチンを分泌する。
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4
グルカゴンを分泌する。
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5
消化酵素を含む膵液を分泌する。
✓ 正解
解説
膵臓は外分泌部と内分泌部に分かれる。外分泌部 (Acinar cells) はトリプシン、リパーゼ、アミラーゼなどの消化酵素を含む膵液 (Pancreatic juice) を分泌する。1、2、4は内分泌部 (ランゲルハンス島) のホルモン分泌機能である。
同じテーマの次の問題消化管の壁構造において、内腔側から最も外側に向かって正しい順序はどれか。この問題が収録された問題集人体の構造と機能KRW 12,900
核心解説
この問題は、膵臓 (Pancreas) の機能のうち、外分泌 (Exocrine) と 内分泌 (Endocrine) の区別を正確に理解しているかを問うものです。最重要! 膵臓は大きく2つの働きを持つ「二重機能臓器」です。外分泌機能は消化に関わり、内分泌機能は血糖調節に関わります。この2つを混同しないことが、膵臓の病態(膵炎、糖尿病など)を理解する上での基盤となります。
正解の根拠 (Answer Rationale)
正解は⑤番「消化酵素を含む膵液を分泌する」です。
膵臓の外分泌部 (Exocrine Pancreas)は、腺房細胞 (Acinar cells) から構成され、トリプシン (Trypsin)、リパーゼ (Lipase)、アミラーゼ (Amylase) などの消化酵素を含むアルカリ性の膵液 (Pancreatic Juice) を分泌します。この膵液は主膵管を通じて十二指腸に排出され、食物の消化(特にタンパク質、脂肪、炭水化物の分解)に不可欠な役割を果たします。
誤答の分析 (Distractor Analysis)
①番「グレリンを分泌する」:混同注意! グレリン (Ghrelin) は「空腹ホルモン」とも呼ばれ、主に胃 (Stomach) から分泌され、成長ホルモン分泌促進や食欲亢進に働きます。膵臓からは分泌されません。
②番「インスリンを分泌する」:混同注意! これは膵臓の内分泌部 (Endocrine Pancreas / ランゲルハンス島, Islets of Langerhans) の機能です。インスリンはβ細胞から分泌され、血糖値を下げる働きがあります。
③番「ソマトスタチンを分泌する」:混同注意! これも膵臓の内分泌部の機能で、δ (デルタ) 細胞から分泌されます。ソマトスタチンは、インスリンやグルカゴンの分泌を抑制する「抑制ホルモン」です。
④番「グルカゴンを分泌する」:混同注意! これも膵臓の内分泌部の機能で、α (アルファ) 細胞から分泌されます。グルカゴンは血糖値を上げる働きがあります。
関連概念の整理 (Related Concepts)
この問題の根底にあるのは、「膵臓の二重機能」の理解です。
- 外分泌機能: 消化酵素を含む膵液の分泌。膵液が何らかの原因で活性化・漏出すると、膵臓自体を消化する急性膵炎 (Acute Pancreatitis) を引き起こします。
- 内分泌機能: ランゲルハンス島から分泌されるホルモン(インスリン、グルカゴン、ソマトスタチン)。これらのバランスが崩れると糖尿病 (Diabetes Mellitus) などの代謝疾患を引き起こします。
概念整理
| 機能区分 | 分泌部位 | 分泌される主な物質 | 主な働き |
|---|
| 外分泌 | 腺房細胞 | 膵液(アミラーゼ、リパーゼ、トリプシノーゲンなど) | 消化(糖質・脂質・タンパク質の分解) |
| 内分泌 | ランゲルハンス島 (α, β, δ細胞) | グルカゴン (α細胞) / インスリン (β細胞) / ソマトスタチン (δ細胞) | 血糖調節 |
一目で比較!
- 膵臓の外分泌障害: 急性膵炎 (腹痛、背部痛、血清アミラーゼ・リパーゼ上昇)
- 膵臓の内分泌障害: 糖尿病 (高血糖、多飲多尿)
看護過程ポイント
- アセスメント: 腹部症状(疼痛の部位・性質・放散痛の有無)に加え、血糖値の変動も観察します。膵炎では高血糖をきたすことがあります。
- 計画・介入: 膵炎患者には絶食 (NPO) と輸液療法 (Fluid Therapy) が優先され、消化酵素の分泌を抑制します。
- 評価: 血清アミラーゼ・リパーゼの正常化、腹痛の軽減、血糖値の安定を評価します。
暗記のコツ
- 「膵臓(すいぞう)」=「スイ(消化)+ゾウ(臓器)」と覚えると、まず消化(外分泌)のイメージが湧きます。
- 内分泌ホルモンは「グルカゴン(G)・インスリン(I)・ソマトスタチン(S)」=「G.I.S.(ギス)」と覚えましょう。
国試頻出ポイント
- 膵臓の外分泌と内分泌の機能対比は、ほぼ毎年のように出題されます。
- 問題文で「外分泌」と限定された場合、必ず「消化酵素を含む膵液の分泌」が正解になります。
- 誤答として、内分泌ホルモン(インスリン、グルカゴン)や、他臓器のホルモン(グレリン=胃)が混ざっていることが多いです。
出題パターン注意!
- 単純知識問題(今回の問題)から、状況設定問題への発展が予想されます。例えば、「急性膵炎の患者さんに、アミラーゼ値上昇と高血糖がみられた。この病態を説明できるのは、膵臓のどの機能が障害されたためか?」といった形で、外分泌障害と内分泌障害の合併を問う問題に発展します。
臨床実践ガイド
臨床シナリオ (Clinical Scenario)
45歳男性、大量飲酒後に上腹部の激しい痛みを訴え救急外来を受診。持続する痛みは背部に放散しており、前屈みになると少し楽になる様子です。血液検査の結果、血清アミラーゼ (Serum Amylase) が1,200 IU/L(正常値 約40~130 IU/L)と著明な高値を示しました。
医師からは「急性膵炎」と診断され、絶食、輸液、疼痛管理の指示が出ました。看護師として、この患者さんの病態をアセスメントする際に、膵臓の外分泌機能の知識をどう活かすべきでしょうか?
看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment)- 1観察 (Assessment)バイタルサイン(特にショック徴候の有無)、腹部所見(圧痛、筋性防御、腸蠕動音)、疼痛スケール(NRS 0-10)、尿量、血糖値を確認します。最重要! 膵液の漏出は周囲の組織を消化し、重症化すると全身性炎症反応症候群 (SIRS) や多臓器不全を引き起こすため、バイタルサインの変動に細心の注意を払います。
- 2報告・指示受け (Report / SBAR)「S(状況): 急性膵炎で入院中の患者さん、B(背景): 絶食中で持続的な疼痛あり、A(評価): 血圧低下と脈拍数増加を認め、NRS 8/10の痛みを訴えています。R(提案): 追加の鎮痛薬の投与と輸液量の増量について指示を仰ぎます。」と報告します。
- 3介入 (Intervention)絶食管理の徹底と適切な輸液療法が基本です。また、疼痛時は鎮痛薬(ペンタゾシンなど)を指示通り投与し、体位は膝を曲げた側臥位(胎児位)が楽な場合が多いです。
- 4評価 (Evaluation)疼痛の軽減、バイタルサインの安定、尿量の確保(30ml/hr以上)、アミラーゼ値の低下を確認します。
患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions)
- 絶食は膵臓への刺激を減らすための必須処置です。患者さんには「口から何も食べないことで、膵臓を休ませる」と説明し、理解を得ます。
- 経鼻胃管(NG tube)挿入中の場合は、排液の性状・量を観察します。
- 低カルシウム血症、高血糖など代謝異常の出現にも注意が必要です。 看護プロトコル- 1観察項目バイタルサイン(4時間毎)、腹部症状(疼痛、膨満、腸蠕動音)、血糖値(頻回測定)、尿量、SpO2。
- 2報告基準 (SBAR)新たな疼痛出現、バイタルサインの変動(血圧低下、頻脈、発熱)、嘔吐、腹部膨満の増悪。
- 3記録のポイント疼痛の部位・性質・程度(NRSスコア)、鎮痛薬投与後の反応、食事摂取状況(NPOの遵守)、血糖値の推移。
先輩看護師の一言
「『膵臓はおとなしい臓器』なんて言われるけど、一度炎症を起こすと本当に大変!患者さんは激しい痛みと不安でいっぱいです。そんな時こそ、私たち看護師が『なぜ今絶食なのか』『この痛みはどんな時におきやすいのか』をしっかり説明してあげてくださいね。解剖生理の知識が、患者さんの安心につながるんですよ!」
- 膵臓 — 胃の後方に位置する長さ約15cmの臓器。外分泌部(腺房細胞)と内分泌部(ランゲルハンス島)からなり、消化と血糖調節の二重機能を持つ。
- 外分泌 (Exocrine Secretion) — 腺房細胞から導管を通じて体外(消化管内)に分泌される機能。膵液(消化酵素)が該当する。
- 内分泌 (Endocrine Secretion) — ランゲルハンス島の細胞から直接血液中に分泌される機能。ホルモン(インスリン、グルカゴンなど)が該当する。
- 膵液 (Pancreatic Juice) — 外分泌部から分泌されるアルカリ性の消化液。トリプシノーゲン、リパーゼ、アミラーゼなどの消化酵素を含む。
- ランゲルハンス島 (Islets of Langerhans) — 膵臓内に点在する内分泌細胞の集まり。α細胞(グルカゴン)、β細胞(インスリン)、δ細胞(ソマトスタチン)などが存在する。
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