聴覚伝導路において、蜗牛神経核からの信号が最終的に投射される大脳皮質の部位はどれか。 | MyMerci
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感覚器系
問題

聴覚伝導路において、蜗牛神経核からの信号が最終的に投射される大脳皮質の部位はどれか。

解説
聴覚伝導路は蜗牛神経核から上オリーブ核、外側毛帯、内側膝状体を経て、側頭葉の一次聴覚野(横側頭回、ヘシュル回)に投射される。後頭葉は視覚、中心後回は体性感覚、中心前回は運動野である。
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詳細解説

核心解説 この問題は、聴覚伝導路 (Auditory Pathway) における最終投射先である大脳皮質の一次聴覚野 (Primary Auditory Cortex) を問うものです。聴覚情報は、内耳の蜗牛 (Cochlea) で受容された後、蜗牛神経 (Cochlear Nerve) → 蜗牛神経核 (Cochlear Nucleus) → 上オリーブ核 (Superior Olivary Complex) → 外側毛帯 (Lateral Lemniscus) → 内側膝状体 (Medial Geniculate Body) を経由し、最終的に側頭葉 (Temporal Lobe) の 横側頭回 (Transverse Temporal Gyrus, ヘシュル回 Heschl's Gyrus) に投射されます。ここが一次聴覚野であり、音の強さや周波数、両耳からの情報統合による音源定位など、基本的な聴覚情報処理が行われます。 正解の根拠 (Answer Rationale)
正解は②番、側頭葉の横側頭回(ヘシュル回) です。最重要! 一次聴覚野は側頭葉上縁のシルビウス裂 (Sylvian Fissure) の奥に位置する横側頭回に存在します。この領域への投射は、内側膝状体からの 聴覚放線 (Auditory Radiation) を介して行われます。 誤答の分析 (Distractor Analysis)
混同注意! 各選択肢の大脳皮質領野の機能を確実に区別しましょう。 ①番 後頭葉の鳥距溝周辺 → これは 一次視覚野 (Primary Visual Cortex) です。視覚情報の最終投射先です。 ③番 頭頂葉の中心後回 → これは 一次体性感覚野 (Primary Somatosensory Cortex) です。触覚、圧覚、温度覚、痛覚などの体性感覚の最終投射先です。 ④番 前頭葉の中心前回 → これは 一次運動野 (Primary Motor Cortex) です。随意運動の指令を発する領域です。 ⑤番 頭頂葉の角回 → これは ウェルニッケ野 (Wernicke's Area) の一部を含む領域で、言語の理解(特に読字)に関与する連合野です。聴覚の最終投射先ではありません。 関連概念の整理 (Related Concepts)
聴覚伝導路の重要な中継核である 内側膝状体 (Medial Geniculate Body) は、視床 (Thalamus) の一部です。視覚の最終中継核が 外側膝状体 (Lateral Geniculate Body) であることと併せて、「膝状体 (Geniculate Body)」の機能をしっかり区別して覚えましょう。また、聴覚伝導路は両側性に投射されるため、一側の聴覚皮質が損傷されても完全な難聴にはなりにくいという特徴も重要です。
概念整理: 聴覚伝導路: 蜗牛(内耳) → 蜗牛神経(第VIII脳神経) → 蜗牛神経核(延髄) → 上オリーブ核(橋) → 外側毛帯 → 内側膝状体(視床) → 聴覚放線 → 横側頭回(ヘシュル回, 側頭葉) = 一次聴覚野。
一目で比較!:
感覚モダリティ最終中継核(視床)一次皮質領域(ブロードマン領野)
聴覚内側膝状体横側頭回 (41, 42野)
視覚外側膝状体鳥距溝周辺 (17野)
体性感覚腹側後核中心後回 (3, 1, 2野)

看護過程ポイント: 聴覚障害を持つ患者さんへのアセスメントでは、単に「聞こえにくい」だけでなく、伝音難聴か感音難聴か、中枢性か末梢性かを理解することが重要です。例えば、側頭葉腫瘍などで聴覚野が障害された場合、純音聴力検査では異常がないにも関わらず、言葉の聞き取りが困難になる「純語聾 (Pure Word Deafness)」などの症状が出現することがあります。
暗記のコツ: 「聴く(Listen)→ 側頭(Side of head)」と覚えましょう。耳は顔の横(側頭)にありますね。そこに聴覚の中枢がある、とイメージすると忘れにくいです。ヘシュル回は「Heschl's Gyrus」、ドイツの解剖学者にちなんだ名前です。
国試頻出ポイント: 脳神経の機能と大脳皮質の機能局在の組み合わせ問題は頻出です。特に「第VIII脳神経(聴神経)=聴覚+平衡覚」の二重機能、「顔面神経(第VII脳神経)=表情筋+味覚(舌前2/3)」などと合わせて、伝導路の中継核と投射先をセットで問われることが多いです。
出題パターン注意!: 単純な「一次聴覚野はどこか」という知識問題だけでなく、「側頭葉に梗塞が生じた患者に生じる症状はどれか」といった症状から部位を逆引きする問題や、「脳幹の障害で聴覚に異常が出ない理由は何か(=両側性投射のため)」といった生理学的特徴を問う問題にも注意しましょう。

臨床シナリオ

臨床実践ガイド 臨床シナリオ (Clinical Scenario): 72歳女性。脳梗塞(左側頭葉)の後遺症で入院中です。発語は流暢ですが、「あなたの言っていることは言葉として聞こえるけど、意味が理解できない」と訴えています。医師からは「純語聾(Wernicke失語とは異なる)」と説明がありました。看護師として、この患者さんの聴覚機能をどのようにアセスメントすべきでしょうか? 看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment): 1. 観察: 患者さんがテレビの音や周囲の話し声にどのように反応するか観察します。声の大きさや方向には反応できるか(一次聴覚野の機能)、日常的な物音(電話のベルなど)には反応するかを確認します。 2. アセスメント: 「聞こえているが理解できない」という訴えは、一次聴覚野(横側頭回) よりも、その周囲の 聴覚連合野(ウェルニッケ野を含む上側頭回後方) の障害を示唆します。純音聴力検査では正常範囲内である可能性が高いため、「難聴」として対応するのではなく、「聴覚性言語理解障害」として対応する必要があります。 3. 介入: 最重要! 患者さんとコミュニケーションをとる際は、口元をはっきり見せて、ゆっくり、短い文で話しかけます。必要に応じて、筆談やジェスチャー、絵カードなどの視覚的手がかりを併用します。患者さんの「理解できない」というフラストレーションを軽減するため、非言語的コミュニケーション(優しい表情、タッチング)を意識します。 4. 評価: 介入後の患者さんの反応(表情の変化、指示への反応、発語内容)を評価し、効果的なコミュニケーション手段を患者さんと一緒に見つけていきます。 患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions): このような患者さんは、周囲から「聞こえているのに返事をしない」「わがまま」と誤解されやすいため、誤解による不適切な対応 を防ぐためのスタッフ教育と、患者さんの尊厳を守る関わりが重要です。また、急変時のアナウンスなどが理解できない可能性があるため、視覚的なアラームシステムや、スタッフが直接伝える体制を整える必要があります。
看護プロトコル: 聴覚障害が疑われる患者さんには、まず「ささやき声テスト」や「時計の音テスト」など簡易的なスクリーニングを行い、異常があれば耳鼻咽喉科医や言語聴覚士 (ST) に相談します。記録には、患者さんの聞こえ方の特徴(例:大きな声には反応する、男性の声の方が聞き取りやすい、補聴器の有無と使用状況)を具体的に記載します。
先輩看護師の一言: 「聴覚の問題は、患者さんのQOLに直結します。『聞こえない』=『情報が入らない』=『社会から孤立する』という連鎖を生みます。解剖学的な知識は、患者さんに最適なコミュニケーション方法を考えるための土台です。ヘシュル回の場所を覚えるだけでなく、『ここが障害されると、患者さんはどんな困りごとを経験するのか』まで想像できる看護師になりましょう!」

重要概念

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