核心解説
この問題は、
手根骨 (Carpal Bones) の解剖学的な配列を問うています。手根骨は8個の小さな骨から構成され、近位列 (Proximal Row) と遠位列 (Distal Row) の2列に分類されます。この配列を正確に理解することが、手関節の構造と機能、および骨折などの外傷時のアセスメントに不可欠です。
核心概念の分析 (Key Concept): 手根骨の配列は、母指側(橈骨側)から小指側(尺骨側)に向かって順に覚える必要があります。
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近位列 (Proximal Row) (橈側から尺側へ):
舟状骨 (Scaphoid)、
月状骨 (Lunate)、
三角骨 (Triquetrum)、
豆状骨 (Pisiform) の4個です。
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遠位列 (Distal Row) (橈側から尺側へ):
大菱形骨 (Trapezium)、
小菱形骨 (Trapezoid)、
有頭骨 (Capitate)、
有鉤骨 (Hamate) の4個です。
正解の根拠 (Answer Rationale): 選択肢①の
有鉤骨 (Hamate) は、遠位列の最も尺側(小指側)に位置する骨です。したがって、遠位列に位置するという問題の条件に合致します。
誤答の分析 (Distractor Analysis):
- ②番の
舟状骨 (Scaphoid):
混同注意! これは近位列の最橈側(母指側)に位置する骨です。手根骨の中で最も骨折しやすく、特に若年成人の転倒時の手をついた外傷で頻発します。近位列と遠位列を混同しやすい代表例です。
- ③番の
豆状骨 (Pisiform): 近位列の最尺側(小指側)に位置する骨です。種子骨(Sesamoid Bone)の一種で、尺側手根屈筋腱に包まれています。
- ④番の
月状骨 (Lunate): 近位列の中央に位置する骨です。月状骨脱臼(Lunate Dislocation)やキーンベック病(Kienböck's Disease: 月状骨壊死)の好発部位として有名です。
- ⑤番の
三角骨 (Triquetrum): 近位列に位置し、月状骨の尺側、豆状骨の橈側にあります。
関連概念の整理 (Related Concepts):
混同注意! 手根骨の配列を覚える際は、
手根管 (Carpal Tunnel) の解剖も併せて理解しましょう。手根管は、近位列の舟状骨・月状骨と、遠位列の有鉤骨・有頭骨などで構成される手根骨の掌側の溝を、屈筋支帯(横手根靭帯)が覆って形成するトンネルです。正中神経(Median Nerve)と指屈筋腱が通過するため、手根管症候群(Carpal Tunnel Syndrome)の病態理解に直結します。
概念整理: 手根骨8個の配列。近位列4個(舟状骨、月状骨、三角骨、豆状骨)と遠位列4個(大菱形骨、小菱形骨、有頭骨、有鉤骨)。両列とも橈側から尺側への順番を覚える。
一目で比較!:
| 列 | 橈側(母指側) | 尺側(小指側) |
|---|
| 近位列 | 舟状骨 (Scaphoid) | 月状骨 (Lunate) - 三角骨 (Triquetrum) - 豆状骨 (Pisiform) |
| 遠位列 | 大菱形骨 (Trapezium) | 小菱形骨 (Trapezoid) - 有頭骨 (Capitate) - 有鉤骨 (Hamate) |
看護過程ポイント: 手根骨骨折のアセスメントでは、疼痛・腫脹・変形の観察に加え、
神経・血管障害の有無(正中神経領域のしびれ、母指対立運動障害、毛細血管充満時間の延長)を評価することが重要です。特に舟状骨骨折は、単純X線で初期に確認しづらく、放置すると偽関節や壊死を引き起こすため、注意深い観察が求められます。
暗記のコツ: 手根骨の語呂合わせとして「舟月三角豆(しゅうげつさんかくとう)=近位列」と「大・小・有頭・有鉤(だい・しょう・ゆうとう・ゆうこう)=遠位列」が有名です。また、近位列の「舟状骨」だけが母指側にあることをイメージすると、残り3つ(月状骨、三角骨、豆状骨)が尺側に並ぶと覚えやすいでしょう。
国試頻出ポイント: 手根骨の配列は、解剖学の基礎問題として出題されるほか、手根管症候群や舟状骨骨折の症候と組み合わせた状況設定問題で問われることがあります。骨の名称と位置を正確に結びつけておくことが重要です。