核心解説
この問題は、
骨盤 (Pelvis) を構成する骨の組み合わせを問う基本的な解剖学の問題です。
骨盤は、体幹と下肢を連結し、内臓を保護・支持する重要な構造です。
核心概念の分析 (Key Concept): 骨盤は、
左右一対の寛骨 (Os Coxae) と
仙骨 (Sacrum)、
尾骨 (Coccyx) の計4つの骨から構成されます。寛骨は思春期以降、
腸骨 (Ilium)、
坐骨 (Ischium)、
恥骨 (Pubis) が癒合して1つの骨となります。つまり、骨盤全体としては「腸骨、坐骨、恥骨、仙骨、尾骨」の5つの骨名が構成要素となります。
正解の根拠 (Answer Rationale): 選択肢④「腸骨、坐骨、恥骨、仙骨、尾骨」が正解です。これは骨盤を構成するすべての骨を過不足なく挙げています。
最重要! 寛骨は腸骨・坐骨・恥骨の癒合体であり、これに仙骨と尾骨が加わって骨盤輪 (Pelvic Ring) を形成します。看護師国家試験では、この「骨盤は4つの骨(左右の寛骨+仙骨+尾骨)で構成される」という基本的な知識が頻出です。
誤答の分析 (Distractor Analysis):
① 腸骨、坐骨、恥骨、仙骨:寛骨(腸骨+坐骨+恥骨)を構成する3つの骨と仙骨のみであり、尾骨が欠けています。
混同注意! 寛骨そのものは骨盤の一部ですが、これだけでは骨盤全体を構成しません。
② 腸骨、坐骨、恥骨、大腿骨:大腿骨 (Femur) は下肢の骨であり、骨盤の構成要素ではありません。骨盤と大腿骨は股関節 (Hip Joint) で関節しています。
③ 腸骨、坐骨、恥骨、尾骨:仙骨が欠けており、骨盤輪が形成されません。仙骨は脊柱と骨盤を連結する要の骨です。
⑤ 仙骨、尾骨、大腿骨、寛骨:寛骨はすでに腸骨・坐骨・恥骨が癒合したものであり、寛骨と並列に腸骨・坐骨・恥骨を挙げるのは重複です。また、大腿骨が含まれている点も誤りです。
関連概念の整理 (Related Concepts): 骨盤には、
大骨盤 (Greater Pelvis / False Pelvis) と
小骨盤 (Lesser Pelvis / True Pelvis) があります。境界は
骨盤 inlet であり、産科学では児頭の通過に重要な骨盤計測 (Pelvimetry) の基礎となります。また、骨盤の安定性には
仙腸関節 (Sacroiliac Joint) と
恥骨結合 (Pubic Symphysis) が関与します。高齢者の転倒による
大腿骨頚部骨折 (Femoral Neck Fracture) や
骨盤骨折 (Pelvic Fracture) は、看護現場で遭遇する頻度の高い外傷です。
概念整理: 骨盤構成骨は「
左右の寛骨(腸骨・坐骨・恥骨) +
仙骨 +
尾骨」の4つ(構成骨名では5つ)です。大腿骨は含まれません。
一目で比較!:
| 部位 | 構成要素 | 特徴 |
| 骨盤 | 寛骨(腸骨・坐骨・恥骨)+仙骨+尾骨 | 体幹と下肢の連結、内臓保護 |
| 寛骨 | 腸骨・坐骨・恥骨 | 思春期に癒合。小児では3つの骨 |
| 大腿骨 | 骨幹・骨頭・頸部など | 下肢の骨。骨盤とは股関節で連結 |
看護過程ポイント: 骨盤骨折の患者をケアする際は、アセスメントとしてバイタルサインと出血の有無を最優先で確認します。骨盤は海綿骨が豊富で
大量出血 (Hemorrhage) を来しやすく、ショックに注意します。看護診断では「
出血リスク状態 (Risk for Bleeding)」や「
急性疼痛 (Acute Pain)」が優先されます。安静保持と体位変換時の疼痛管理が重要な介入です。
暗記のコツ: 「骨盤は『
寛骨(かんこつ)』を中心に、『
仙骨(せんこつ)』と『
尾骨(びこつ)』を合わせて、
4つの骨でできている」と覚えましょう。「寛骨」は「腸骨・坐骨・恥骨」の3つに分けられる、という階層構造もイメージしてください。
国試頻出ポイント: 骨盤の構成骨は基礎知識としてほぼ毎年何らかの形で出題されます。また、産科の「骨盤入口 (Pelvic Inlet)」「骨盤出口 (Pelvic Outlet)」の計測値と組み合わせた問題や、骨盤骨折の合併症(後腹膜血腫、膀胱損傷、尿道損傷)と関連づけた出題も頻出です。
出題パターン注意!: 単純な4択の構成問題に加え、「骨盤骨折の患者で観察すべき合併症はどれか」といった状況設定問題や、「骨盤計測の正常値はどれか」といった産科との複合問題としても出題されます。