看護臨床実践ガイド
臨床シナリオ (Clinical Scenario)
小児科外来に、水痘と診断され在宅療養中の6歳児の母親から電話があります。「新しい水ぶくれがまだ出てきて、子どもがかゆくてたまらないみたいです。どうしたらいいですか?」と相談を受けました。
看護介入戦略 (Nursing Intervention)
1.
アセスメント:まず、子どもの全身状態を確認します。「熱はありますか?元気はありますか?水ぶくれをひどく掻いていませんか?膿んできたり、赤く腫れている部分はありませんか?」(二次感染のサインを確認)。
2.
教育と指導(今回の核心):
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掻破防止の具体策:「お子さんの爪をできるだけ短く切ってください。夜中に無意識に掻いてしまわないように、綿の手袋やミトンをはめさせると効果的です」と説明。
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掻痒感緩和策:「冷たいタオルでそっと押さえるとかゆみが和らぐことがあります。処方されたかゆみ止めの薬(内服やローション)があれば、用法を守って使用してください」。
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入浴の方法:「清潔は大切ですが、熱いお風呂はかゆみがひどくなります。ぬるま湯でさっと洗い流す程度にしましょう。体を拭くときも、こすらずポンポンと押さえるように拭いてください」。
3.
危険サインの指導(いつ受診すべきか):以下の症状が見られたら、すぐに受診するよう伝えます。
* 高熱が続く、ぐったりしている。
* 水疱部が赤く腫れ上がる、膿が出る(二次感染の疑い)。
* 激しい頭痛、嘔吐、意識がもうろうとする(稀ですが、脳炎などの合併症のサイン)。
患者の安全と注意事項 (Precautions)
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混同注意! 解熱剤は、
アセトアミノフェンを医師の指示通りに使用します。市販の感冒薬や解熱剤の中にはアスピリンや類似成分が含まれていることがあるため、安易に使用しないよう指導します。
* 兄弟がいる場合、未罹患でワクチン未接種の兄弟への感染を防ぐため、可能な限り隔離し、接触を避けるようアドバイスします。
看護処置と与薬フロー
水痘患児の在宅ケアチェックリスト
| ケア項目 | 実施内容 | 注意点 |
|---|
| 皮膚ケア | 爪短く切る、綿ミトン使用、冷却 | 水疱を破らない |
| 清潔保持 | ぬるま湯シャワー、軽く押さえて拭く | 熱い湯、ゴシゴシ洗いは禁止 |
| 与薬管理 | 解熱:アセトアミノフェン 掻痒:処方された抗ヒスタミン薬 | アスピリン系薬剤は絶対禁止 |
| 感染予防 | 家族内隔離、全て痂皮化まで登園停止 | 空気感染にも注意 |
先輩看護師からの一言
「水痘は多くの子どもが経験するありふれた感染症ですが、そのケアを軽く見てはいけません。『かゆい』という子どもの苦痛は大きく、無理やり我慢させるのは難しいです。だからこそ、看護師として『掻かせないための具体的で実行可能な方法』を家族に提案できるかが腕の見せ所です。爪切りとミトンは、地味ですが最も確実な感染予防策のひとつ。また、アスピリンの危険性を家族が理解していないことも多いので、『お家にある風邪薬は使わないでくださいね』と一言添えることで、重大な副作用を防ぐことができます。在宅療養を支える電話相談でも、あなたの知識が家族の安心と子どもの安全を守るのですよ!」