看護臨床実践ガイド
臨床シナリオ (Clinical Scenario)
6歳の男児、T&A術後4時間。麻酔から完全に覚醒し、ぼんやりしている。時々むせ込むような咳をしている。バイタルサインは安定しているが、唾液を頻繁に飲み込む様子が観察される。
看護介入戦略 (Nursing Intervention)
1.
アセスメント (Assessment):まず気道開通状態を評価。呼吸音、呼吸努力、チアノーゼの有無を観察。同時に、出血の徴候(頻回の嚥下、吐き気、脈拍数増加)がないか確認。
2.
介入 (Intervention):気道確保が最優先。患児を
側臥位 (Side-lying position)に体位変換し、枕やタオルで姿勢を安定させる。これにより、唾液や少量の血液が気管に入るのを防ぐ。吸引器をベッドサイドに準備。
3.
その後のケア (Subsequent Care):気道が安全であることを確認した後、疼痛のアセスメントを行い、必要に応じて鎮痛薬を投与。出血徴候がなければ、少量の冷水や氷片から水分摂取を開始。強い咳や鼻をかむ行為は避けるよう、子どもと保護者に説明する。
患者の安全と注意事項 (Precautions)
- 術後5〜10日目は創部の痂皮が剥がれやすく、二次性出血 (Secondary hemorrhage)のリスクがピークとなるため、退院後も注意深い観察が必要です。
- 鎮痛薬としてアスピリンなどの非ステロイド性抗炎症薬 (NSAIDs)は出血リスクを高めるため、通常は使用されません。アセトアミノフェンが第一選択となることが多いです。
看護処置と与薬フロー
術後早期(〜6時間)の優先順位フロー
1. 気道確保(体位ドレナージ)→ 2. バイタルサイン・出血徴候のモニタリング → 3. 疼痛アセスメントと管理 → 4. 水分摂取の開始(冷たいものから)→ 5. 活動の再開と教育
先輩看護師からの一言
「小児の術後ケアでは、大人以上に『見守り』と『予防』が大切です。子どもは自分の不調をうまく言葉にできません。むせ込む様子や、そわそわ落ち着かない様子、顔色の変化など、些細なサインが重大な合併症の前兆かもしれません。気道管理を最優先に、常にアンテナを張って観察しましょう。国試でも『優先順位』を問う問題は超頻出です。『まず命に関わることは何か?』という視点で考えるクセをつけると、臨床でも試験でも強くなれますよ!」