概念 1. 右気管支と左気管支の違い
気管は左右の主気管支に分かれ、右肺と左肺へ空気を送ります。
ただし、右気管支と左気管支は同じ形ではありません。
右気管支の特徴
そのため、異物や誤嚥物は右気管支に入りやすいとされています。
国試の出題ポイント
異物が入りやすいのは、右気管支です。
誤嚥性肺炎や異物誤嚥の問題では、右気管支の形態と関連づけて理解します。
覚え方
右気管支は、太い・短い・まっすぐ。
概念 2. 呼吸運動と胸腔内圧
肺そのものには、能動的にふくらむ筋肉はありません。
呼吸は、横隔膜や肋間筋などの動きによって胸郭が広がり、肺が受動的にふくらむことで行われます。
吸気時
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横隔膜が収縮して下がる
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外肋間筋が収縮する
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胸郭が広がる
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胸腔内圧が低下する
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空気が肺に入る
国試の出題ポイント
胸腔内は、通常、陰圧に保たれています。
この陰圧によって肺は広がった状態を保つことができます。
気胸との関係
胸膜腔に空気が入ると、陰圧が保てなくなり、肺が虚脱します。
これが気胸です。
覚え方
吸気は、横隔膜が下がる → 胸郭が広がる → 空気が入る。
概念 3. サーファクタントとⅡ型肺胞上皮細胞
肺胞は、ガス交換を行う小さな袋状の構造です。
肺胞の内側には水分があり、表面張力によって肺胞はつぶれやすくなります。
これを防ぐのが、サーファクタントです。
サーファクタントの役割
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肺胞の表面張力を低下させる
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肺胞がつぶれるのを防ぐ
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呼吸をしやすくする
国試の出題ポイント
サーファクタントを分泌するのは、Ⅱ型肺胞上皮細胞です。
Ⅰ型肺胞上皮細胞
ガス交換に関わる薄い細胞。
Ⅱ型肺胞上皮細胞
サーファクタントを分泌する細胞。
関連疾患
早産児ではサーファクタントが不足しやすく、**新生児呼吸窮迫症候群(RDS)**につながります。
概念 4. 外呼吸と内呼吸の違い
呼吸には、肺で行われるガス交換と、全身の組織で行われるガス交換があります。
外呼吸
肺胞と肺毛細血管の間で行われるガス交換です。
酸素が肺胞から血液へ移動し、二酸化炭素が血液から肺胞へ移動します。
内呼吸
血液と全身の組織・細胞の間で行われるガス交換です。
酸素が血液から組織へ移動し、二酸化炭素が組織から血液へ移動します。
国試の出題ポイント
外呼吸は、肺胞と血液の間。
内呼吸は、組織と血液の間。
場所で区別します。
覚え方
外呼吸:肺でのガス交換。
内呼吸:組織でのガス交換。
概念 5. 呼吸中枢とCO2ナルコーシス
呼吸のリズムを調節する中枢は、脳幹の延髄にあります。
通常、血中の二酸化炭素濃度が上昇すると、呼吸中枢が刺激され、換気が増えます。
COPD患者の注意点
慢性閉塞性肺疾患(COPD)などで慢性的にCO2が貯留している患者では、呼吸刺激が低酸素状態に依存しやすくなることがあります。
このような患者に高濃度酸素を投与すると、CO2貯留が進み、CO2ナルコーシスを起こす危険があります。
CO2ナルコーシスでみられる症状
看護師国家試験でも、CO2ナルコーシスの症状として意識障害が問われています。
国試の出題ポイント
COPDやⅡ型呼吸不全の患者では、酸素投与量を自己判断で増やさないように指導します。
酸素投与中は、SpO2だけでなく、呼吸数、意識状態、動脈血ガス分析(ABG)などを合わせて観察します。
覚え方
COPD
→ CO2貯留に注意
→ 高濃度酸素でCO2ナルコーシスのリスク
→ 意識障害・呼吸抑制を観察。
まとめ
呼吸器では、次の5つを押さえます。
右気管支
太い・短い・垂直に近い。異物が入りやすい。
胸腔内圧
胸腔内は陰圧。気胸では肺が虚脱する。
サーファクタント
Ⅱ型肺胞上皮細胞が分泌し、肺胞虚脱を防ぐ。
外呼吸・内呼吸
外呼吸は肺胞と血液、内呼吸は組織と血液。
CO2ナルコーシス
COPD・Ⅱ型呼吸不全では高濃度酸素に注意。意識障害や自発呼吸低下を観察。